21世紀初めのカタルシス
指先の季節が 風を追い越していく 目を伏せて
悪戯好きな 天使さえも 時に笑みを見せて
システムのない 天国のように
誰も踏み込めない 光の場所
残された僕らは 祈るしかない
口づけかわして 目配せをして
俯いたままで 白い歯を見せて はにかんで
風になびくままに 髪をまかせて
神話になる君の横顔 イコンにも似て
それこそ 巡る惑星のレジェンド
聖堂の奥 輝いて
地上の廃墟の先に見えていた
女神の亡骸を すぐに抱き寄せて
その胸を一突きして その接吻で
淡い目を見せて 微笑んだまま 割れた空を仰ぐ
涙あとを残して 唇を噛む
神話になる君の横顔 聖画にも似て
それこそ 蒼き惑星のレジェンド
僕に見えるすべて
僕の触れられるすべて
僕に聴こえるすべて
僕の感じられるすべて
別れも告げずに去っていく
この地球のロマンティシズム
神話になる二人のイコン
髪をかきあげて 抱擁しあう
罪をおかした二人の骸
神話になる二人のイコン 飾り立てられたままで
それこそ 愛ある惑星のレジェンド
明滅していく光 弾けゆく太陽 溢れゆく海
この地球の記憶が
フラッシュバックしていく