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最終話


食事に毒が盛られているとおばあちゃんに伝えたところで、結局何か動き出すことはできなかった。


無理に食事を残せば疑われる。


黙って食べるほかなかった。


おばあちゃんはもう、座ることもできなくなっていた。


「おばあちゃん…。」


「いいのよ、マモ。あなたが悪いわけじゃないんだから。」


そう言って力なく微笑む彼女には、一刻の猶予もなかった。




俺は、以前ケントにもらった鍵をいつでも持ち歩いていた。


その気になればいつでも首輪が外せた。


でも、しなかった。


俺は結局、自分が一番かわいかったんだ。


だから…。


おばあちゃんを見殺しにした。







膝の上の彼女はもう、息をしていない。


優しい微笑みを残したまま、時は止まってしまったのだ。


俺はポケットから鍵を取り出し、首輪を外す。


「せめて魂だけは、こんなものに縛られないでくれ。」


結局俺はばあちゃんもおばあちゃんも守れなかった。


こんなことをしても罪滅ぼしにはならない。


わかっている。


だけど、せずにはいられなかった。


「おやすみ。」






『緊急事態、緊急事態。裏切り者の出現。これは10秒後に自爆します。』


「え!?」


首輪が手のひらで震えだした。カウントダウンが始まっている。


このままもっていては間違いなく助からないだろう。


早く投げ捨てなければ。






ーーなぜ?


俺が守りたかった人は皆この世を去った。


俺がここにいる意味はもう、ないんじゃないか?



そっと首輪を自分の首につける。


ほのかに暖かい。


このぬくもりは、おばあちゃんのものだと信じたかった。」



「俺、何も守れなかった。」



「でも、次こそはちゃんとするよ、ばあちゃん。」











ゼロ。





二つの肉体はあっさりと、その姿を消した。














記憶の逆流がおさまり、守の視界はもう一度漆黒の世界へと戻った。




だから俺はここにいるのか。


何もないこの場所に。



(もうここからは出られないんだろうな。)



そう思い、そっと目を閉じた。










遠くから、「リトライ」というケントの声が聞こえた気がした。



長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。


更新がいつも短くてごめんなさい。


楽しんでいただけたのなら幸いです。

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