表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハニーポット  作者: 指猿キササゲ
$5$ 名前空間
PR
94/113

#18 薫

 なぜ、彼女がここにいる?


 降棚練磨を倒し、死なない程度の一撃を加えようとしたところで、その少女は姿を現した。

 茶髪の、ウェーブが掛かったロングヘアーは腰まで伸ばしている。

 白い四肢は細い。薫とは比べ物にならず、折れてしまいそうな印象がある。

 黒縁の眼鏡を掛けている。その容姿だけなら、まるで文学を好む少女のようだ。だが……。

「アンタ、角川の……」

 消えた。

 何事かと思った。突然、目の前にいた少女の姿が、消え失せたのだ――土煙を残して。

 ごきゅ、という鈍い音が、後ろから聞こえた。――振り向いた。

 そこにいたのは、先程と変わらない少女――ただし、白い脚が、倒れた降棚練磨の脇腹に突き刺さっている――文字通り、筋肉を貫通して。

「お、お前……何してるんだ!」

 薫の驚きの声に反応したのか、少女が、こちらに振り向く。ブレの無い、機械の様な仕草で。

「うぐぅ……」

 練磨が呻く。少女が、刺さった脚を抜いたのだ。真っ赤な血が溢れだす。血に濡れたパンプスの爪先が、鮫の牙のように、ギラギラと凶悪に輝いている。

 人形のような――いや、人形そのものの視線が、薫を射抜いた。それは、今まで対峙した者達とは、一線を画していた。

 生きていない。弱者だとか、強者だとか、そういう次元じゃない。コレは、ただの現象でしかない。ロボットカメラがこちらを向くのと変わらない。

 人のような形、人のような目玉。人のような肌。人のような顔――けれど、それは人形だ。

 何かが――空を切る。

 薫は動いたが、危機など察知していなくて、それは完全に脊髄反射だった。

 飛び退いた薫は、自身の腹を見て、絶句した。脇腹を擦過した、少女の手刀の一閃が――薫の腹を、薄く、切り裂いている。

 弾ける音――舞う土塊。そこに少女の姿は無い。月の逆光に、黒い人形の影がある。


 大きく振り上げられている脚が、音速を超えて薫に向かって放たれ、そして――



To continue on to the Chapter 6 the episode 1.

これで第5章は終わりです。

来週からは、いよいよ最終章に入ります

ここまで付き合ってくださった方、ありがとうございます。

あと少しの間、お付き合いください

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ