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91 ビイル・グレモリー 3

遅れてごめんなさい。その分長いかと

彼女が切りかかるとドラゴンは思いっきり、咆吼を上げる。

「ガアアアアアアアアア!!」

「うるさい!!」

私は思わず耳を塞いでしまうが、彼女はドラゴンの咆哮を歯牙にも掛けず、その頭に思いっきり剣を叩きつける。


ガン!!


彼女の剣がドラゴンの頭に当たると咆哮は聞こえなくなった。ドラゴンは目の前にいる彼女に向かって大きく前足を振って、彼女を地面に叩きつけようととするがバックステップでよけられ、前足は地面を叩くだけだった。


「硬いわね、さすがドラゴンと言ったところね。でもね」

彼女は体を回転させて剣に勢いを付ける。

「それだけじゃあたしを相手するには力不足よ」

勢いが付いた剣がドラゴンの前足を叩きつけた。それによってドラゴンの前足が横に吹っ飛び、ドラゴンは体勢を思いっきり崩して、倒れる。


「す、すごい」

私は思わず呟いた。流れるような動き、レベル70代を言うだけはある。


「もう一丁!!」

剣を頭の上に構えて、ドラゴンの頭に思いっきり叩きつける。


「グウッ!!」

ドラゴンがそんな声を上げて、地面に頭をめり込ませる。


「どうよ!!」

彼女は背後の私に自分の強さを自慢してくる。私は彼女に対する怒りとか不満とかは、どこかに行ってしまい素直に彼女の強さを賞賛した。

「す、すごいと思うわ」

「エヘヘへへ、そう?」

私がそう言うと彼女は照れたように笑う。



ドガァガァガァガァガァガァ!!


突然地面を削り取るような音が私たちに向かって来た。ドラゴンが頭で地面を削りながらこっちに突っ込んでくる。彼女が振り返ったときには既に目の前まで来ていて、地面から頭を出して彼女に噛み付こうと口を開けて襲ってくる。


「ガァア!!」

「食べられてたまるもんですか!!」


彼女は剣を盾にして噛み付かれることを防いだ。剣の剣先を下にして、剣の峰で鼻っ面を抑えるようにし、片手を剣の面の部分を抑える。


彼女は大きく後退させられたが、私のすぐ目の前で下がるのは止まった。


「だ、大丈夫」

私は尻餅を付いて、聞くことしか出来なかった。しかし、彼女は私とは正反対でしっかりとした足取りでドラゴンを抑えていた。

「これぐらい軽いものよ」


その瞬間ドラゴンの口の奥から光が漏れる。

「まさか?!」

「ブレス!!」


そして周りが光が包まれる。私が最後に目にした者は、彼女がドラゴンの目の前から動く瞬間だった。



バーーーーーーーン!!


ブレスによる音が響き渡った。







私はゆっくりと景色が見え始める。ブレスによる光で目が見えなくなってしまったらしい。


あれ?私、死んでない?


私がはっきりと景色が見えるとそこにはー






体から煙を上げながらも、剣を杖のようにして彼女が立っていた。彼女のドレスはボロボロで剣が盾になっていた部分の服は、ボロボロになりながらも残っていたが、胴体以外の手足の方は完全に服は消し飛んでいて、煙が出ていた。




「な、なんで……」

「帰すって言った……でしょう」

彼女はそう言って背後に倒れそうになる。私はそれを受け止めた。彼女はブレスを避けるのを途中で中断したのだ、避けたら私に当たるから。


ドラゴンは頭を抑えて痛みに悶えていた。頭を見る限り火系統の魔法で攻撃されたようです。

「早く、逃げるの」

「でもー」

「このままじゃ二人共死ぬわよ!!」

彼女の言葉は私の言葉を力強く遮った。

「あたしが時間を稼ぐ」

彼女は立ち上がるが先ほどの遮った言葉とは正反対で、立ち上がっても剣を構えてもフラフラしていて、とてもじゃないけど戦える状態じゃ無かったです。


「そんな状態で」

「時間は余り無いわ。あたしが放った火系統の魔法が、たまたまドラゴンの目を傷つけたようだけど、相手はドラゴンよ、そこまでダメージはー」

彼女はそこで何かに気づいたように黙る。

「手遅れだったようね」


ドラゴンは目に涙を溜めながら、私たちのことを忌々しそうに睨んで唸ってくる。


「覚悟を決めなきゃいけないようね」

「……」


ドラゴンはさっきと同じように口を開けて、ブレスを放とうとしている。


全ての動作がスローモーションになって行く。さっきと同じように口から光が徐々に溢れていくのが分かる。彼女が私の前に立って、盾になろうとしてくれる。








「その口を閉じろ!!クソドラゴン!!」





空からドラゴンの口に向かって剣が突き刺される。突き刺した人物は






「お父様!!」



空からお父様が降ってきたのだった。






私たちは森に入ってから、魔王様と別れて探すことになった。その途中森の奥から何かが迫って来る気配がしたのだった。魔物が大勢こちらに押し寄せて来たのだった。


私は素早く飛び跳ねて、上空か地面を見下げた。ある所を中心に魔物が何かから逃げているようだった。見ている魔王様の所には特大の魔物が行った様で、木を薙倒しなが進んでいく毛玉の魔物がいた。



あそこが中心か……嫌な予感がするな、急いで様子だけでも見に行くか。



私は自分の体を風魔法で移動と落下を遅らせて、出来るだけ空を移動するように動いた。



そして私が中心で目にしたのは、特徴的な姿をしているドラゴン、バレウスだ。バレウスと自分の娘そしてもう一人たぶん魔王様の娘だろう。


私は風魔法で落下速度を加速させ、剣を抜いてドラゴンの頭に向ける。



落下中に気づく、ドラゴンがブレスを放とうとしていることに。


「その口を閉じろ!!クソドラゴン!!」


私は叫んでさらに体を加速させた。地面に落ちた時の衝撃のことなど考えている時間は無い。



私の剣はドラゴンの鱗を貫き、口を串刺しにして無理やり口を閉じさせた。




「お父様!!」

背後からアリサが私を呼んだ。


「無事か?」

「はい!!」



そんなやり取りをしていると、ドラゴンが頭を無理やり上にあげて、私をふるい落とそうとする。私一人の体重でドラゴンの動きを抑えていられるとは思ってはいない。私はバレウスが頭を振り上げると同時に剣を頭から抜いて、頭から退いた。



私はアリスたちの目の前に着地すると、守るように剣を構える。バレウスは後退して唸りながらこちらを睨んでくる。


はっきり言えばここでこのバレウスと戦うのは得策ではない。穏便に済ませられるなら済ませてしまいたい。


「闇よ、魂と魂を繋ぎたまえ」


私は相手の心と直接会話できる闇魔法を使った。この魔法は便利で例え言葉がお互いに通じないとしても、会話することが可能なのだ。



(イタクシタヤツ、コロシテヤル、クッテヤル)


このバレウスの心の中は、私たちを殺すことで一杯だった。これは話し掛けても無意味かな……



(今引くなら、見逃してやる。これ以上やるなら死ぬと思え)

(ダレダ?ボクニハナシカケルノハ)

(お前の目の前に居るものだ)

(オマエガ……)

(さっき言った通り、今引くなら見逃す)

(オマエガ、イタクシタンダナーーー!!)


「やはり無駄だったか……」





バレウスは私に物凄い勢いで迫って来る。私は剣を構えた直すと、走り出しす、それと同時に風魔法を使い体の加速と砂埃を上げる。一瞬だがこれで私が見えなくなる。その一瞬で十分だ。私は剣で穴を開けたバレウスの口に剣を刺し、内側から炎魔法で焼き切るようにしながら、剣で切り裂いた。


戦いは一瞬で終わった。私の背後には口から半分に切られたドラゴンの屍があるだけだった。









何があったの一体?!


あたしの目の前にはさっきのドラゴンが縦に真っ二つになっている。あたりは肉の焦げる匂いで満ちていた。これから考えるに火系の魔法を使ったことが大体想像が付いたが……この子の父上か。凄まじく強いとは感じないけど……あたしが倒せなかったドラゴンを一撃で殺すなんて、しかもドラゴンのウロコを切り裂いている。一体何ものなの?



男は鞘に剣を仕舞うとこちらに歩いてくる。

「アリス無事か?」

「大丈夫です、でも彼女が……私を守って」


アリスって名前なんだ。この子……


「あたしは大丈夫よ。自分で動ける程度には回復したわ」

私は自分の剣を持って立ち上がって証明した。少し体の節々と腕の辺りの肌がヒリヒリするが、内臓と骨は無傷で済んでいた。


「そうか……ならこっからさっさと離れるぞ!!たぶんバレウス、さっきと同じドラゴンが襲ってくる」


男は周りを警戒いながらアリスの手を取り、立たせる。


「なんであなたはそんなに焦ってるの?さっきと同じドラゴンならあなたは簡単に倒したじゃないの」

「それは…」



ドン!!ドン!!


何かが空から落ち来た。地面に砂埃が舞、姿が確認出来なかったが、男の顔は歪んで空から落ちてきた何かを睨んでいる。



男が言った通りさっきと同じドラゴンが二体空から落ちてきた、ただし色違いで一回り大きく、さっきのバレウスと言った暗いオレンジ色のドラゴンとは違い、真っ赤な色をしていた。


「……色が違うけど同じドラゴンなのあれで?」

「あれは大人だ」

「大人?」

私は言っている意味がよく分からなくて、聞き返した。

「さっき殺したバレウスはまだ子供だった。だから色も薄いし私の小細工程度でウロコも切れて、弱かったから私でも倒せた」


私は話を聞きながらバレウスを見ていた。何だかものすごく怒り狂ってようで全身で怒りを表していた。


「たぶん子供の狩りの練習でレベルの低い狩場に来たのだろう」

「それで?」


「……あの2頭のドラゴンは自分の子供を殺されたことで怒り狂って、殺した私たちを襲って来るだろう」






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