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82 クリス・ミーン 1

すいません、宿題などで更新が少し遅れるかもしれません。

素敵な家、素敵なお庭そしてそれに不釣合いな音。




素敵なお庭に二人の人影が激しく動いて金属がぶつかり合う音が響く。

「お父様、そろそろ当たってください!!」

一つの影の正体は剣を振るう金髪の十六歳の少女である。剣を素早く動かし力より速さを重点に置いた剣技だ。そしてその動に合わせるように長髪の金髪が綺麗に舞う、それはダンスのようで見ているものがいたら全員を魅了するだろう。


「いやいや、ここで当たってしまっては自衛団の隊長としてやっていけなくなってしまうよ」

男はそう言って次々と自分に向かって飛んでくる斬撃を剣で弾いていく。男の雰囲気は歴戦の剣士のようで真剣に相手をしているが本気では無いようでまだまだ余裕があり、口の端を歪めて苦笑している。



そしてついに決着がついた。男は斬撃を防ぎながらも隙を伺っていたようで、少女が思いっきり突きを放つことが予見できたのだろう。少女の突きは防がず体をひねりかわして、少女の背後を取ると剣を背中に突き付けた。


「私の勝ちだよ」

少女は悔しそうに顔を歪めて剣を鞘にしまう。

「参りました」

その言葉で男も剣を鞘に仕舞う。

「お父様はやはり強いですね、一撃も入れられませんでした」

「いやいやそんなことは無いよ。剣技もそのスピードも力も私を倒せる程度のレベルにはなっているよ。ただ後一歩が足りない、それだけさ」

男はそう言うと笑って少女の頭を撫でる。

「まあ頑張りなさい。ただクリスが強すぎて中々分からないかもしれないけど」


この少女クリスに勝てるものは自衛団内にクリスの父親しかい居なく、クリスは実質かなり強い部類に入る。


「教えてはくれませんよね?」

クリスは余り期待して無さそうに聞いてくる。

「まあね。それは自分で気づくべきことだからね」

男が撫でるのをやめて、ポンと頭に手を置く。

「お父様ダメですか?かなり強くなったと思うんですけど」

「まだ旅には出せないよ」

クリスはそれを聞いて肩を落とした。





私クリス・ミーンは十一歳の頃、父への人質として誘拐されたことがあった。私は船内の牢屋に入れられて震えた、このまま二度とお父様お母様に会えなくなってしまうのではと。そんな時に助けに来てくれた人がいた。人かどうかは疑問になるけど助けてくれたのだ、私の飼い猫オズワルドが。しかもその時、人間の姿に変化したのだ。オズワルドの人の姿は髪の毛が白色で髪が長かった。顔はとっても凛々しく素敵だった。お話の中に出てくるお姫様の髪と王子様を足したような容姿でした。オズワルドは私の手を引いて私をそこから助け出してくれました。私はオズワルドによって助け出されたがオズワルドはその船に乗ったままどこかにいてしまった。最初は誰も私の話を信じなかったけれどオズワルドが乗っていった船の船長を捕まえて事件に関しての事情聴取のついでにお父様が聞いたことで、私が言っていることが本当だと信じてくれました。


そしてその船長の話ではオズワルドはザスーラ国に言ったということだった。私はお父様に無理を言ってザスーラ国に行く許可を貰ってお父様の部下と共にザスーラ国に行きました。ですが自分の考えが甘かったことを思い知らされました。白い猫がその国だけで何匹いるのか、その一匹一匹捕まえて調べるのにも時間が掛かり滞在期間だけでは足りませんでした。それでも滞在期間いっぱいまでオズワルドを探しました。しかし結果はオズワルドのオの字も見つけられずに終わってしまいました。私は泣く泣く帰りました。


それから数年後、治療院の頭が奇妙な猫を連れていると言う噂を聞き、私は興奮しました。


もしかしたらオズワルドではないかと


しかしそれから数ヵ月後に魔人に街が襲われて、その猫はその時に行方不明になってしまったと言う話を聞かされました。


ああ、どうして


私はそんな思いで一杯でした。そして私はとんでもない事を思いつきました。


自分の足で探しに行こう。


お父様もその部下も仕事があるので私の我儘に付き合って貰うわけには行かない、だから自分の足で探しに行こうと考えました。

そのことについて両親に話すと二人は危険だと言って共猛反対しました。それでもオズワルドが居なくなって数年ずっと私がオズワルドを探していることに知っている両親はある条件を私に出しました。お父様に模擬戦で一撃入れることが出来たら探しに行って良いと。



それからと言うもの魔法と剣術を一心不乱に鍛えました、オズワルドに会うために。父の部隊の人たちに鍛えてもらいました。私には回復魔法の才能の他に剣の才能と魔法の才能もあったようでメキメキと強くなり、今ではお父様以外には負けることは無くなりました。それでもお父様に一撃を入れることが出来ないのが現状です。たまに冒険者ギルドまで足を運んで強者と剣を交えるのですが勝ってしまいます。


私は何が足りなくてお父様に一撃を入れることが出来ないのだろう。


私は今日もその悩みでため息をつくことが日課になってしまっています。


私は自分の部屋で専属のメイドにお茶を入れてもらいながら独り言を呟いた。


「どうすれば一撃を入れられるのでしょう」


独り言を聞いて可笑しそうに笑う専属のメイド。


「ちょっとなんで笑うのよサリー、人が真剣に悩んでいるのに」

サリーはお茶をいれると私のテーブルの上に置くと答えた。

「すいません。ですがクリスお嬢様のお年頃での悩み事といえば意中の男性にどう振り向いてもらえるかやいい所にどうやったらお嫁に行けるかですよ。どうしたらお父上に一撃入れられるかなど悩んでいるのはお嬢様ぐらいですよ」

「まあ確かに普通はそうね」

私はお茶を口に含んだ。お茶は適温で香りも漂って中々のものだった。

「サリーあなたまた腕を上げましたね」

「えへへへへ、分かる」

サリーは笑みを浮かべて昔みたいに砕けた口調になった。たまに昔の口調が出てくる。私は気にしないのだが他の人たちは結構気にするのだ。確かにメイドと主だから砕けた口調は問題になるわね。



昔から一転して口調が戻った。私はそれがなんだが寂しく悲しいと思ってしまう。

「そう言えばお嬢様冒険者ギルドに強者が来たと言う話を聞きました」

私はサリーに頼んで冒険者ギルドに強者が来たら報告するように頼んだのだ。あまり収穫はありませんけど。

「そうあまり期待しないで行ってみるわ」

私はそう言ってお茶を飲み干した。













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