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78 妖精

風邪をひきまして投稿遅れました。みなさんも病気にならないように暖かい格好をしましょう。

俺が昼寝をしていると何かが俺のヒゲを引っ張る。俺は寝ぼけながら引張ている奴を猫パンチで撃退する。俺はまたそこから眠りに入るがまたヒゲを引っ張られ、今度は尻尾まで引っ張られる。


一体何だ?


俺はそう思いながら尻尾の先から魔力を出して尻尾を引張ていたやつを振りほどき、ヒゲを引っ張るやからも尻尾の先から出した魔力で吹っ飛ばした。


これで安心して寝れる。



それから五分も経たないうちにちょっかいを掛けてくる。俺の怒りは頂点に達した。


誰だか知らないがそんなに死にたいな殺してやる。俺の昼寝を邪魔してただで済むと思うなよ。


「誰だ俺にちょっかいを出しているは?そんなに死にたいのか?」

そう言って俺は体を起こした。いったい誰が俺のちょっかいをかけているのかこの目で確かめてやる。


「起きたー起きたー。猫が起きた」

「あれ?今喋ったよ」

「喋ったねキャハハハ」

「猫って喋ったけー?」

「知らなーい」

「「「知らなーい」」」

子供のような甲高い声が耳に届く。

そこには背中に羽が生え一尺分ぐらいの大きさの人型、つまり妖精だ。しかも俺を囲うように飛んでいる。


「な、なんだ?!」


俺はあまりの数の多さに若干引いていたが俺のヒゲを再び引っ張り始めたことで、俺は現実に戻って怒りが再び湧き上がった。


「い・い・か・げ・ん離せ!!」

俺は言葉と共にさっきと同じように追い払おうと尻尾に魔力を纏わせた。すると尻尾の方にいる妖精が反応しだした。


「ご飯だ!!」

「ご飯♪ご飯♪」

「美味しそう」


そう言って俺の尻尾の魔力に口をつけて吸い出していく。


「なっ?!」

尻尾の表面に出ている魔力がどんどん減っていく。流石に体内にある魔力までは食われなかったが、尻尾に纏わせてあった魔力はすっかり消えて無くなった。


「なんだよ一体?!」

俺は若干パニックになっていたと言うか恐怖を覚えていた。いくら見た目が可愛いといえ自分を囲むほどいたら気味が悪くなる。

俺は窓から逃げるように飛び出した。


「逃げたー」

「待ってー」

「追いかけっこ?」

「遊ぶのー」


後ろから沢山の数の妖精が追ってくる。俺は森の中に飛び込んだが逃げられない、と言うかさっきより数が増えてる。


「なんで追ってこれるんだ?!本気出してるんだぞ!!」

俺は一所懸命足を動かしながら誰となく叫んだ。俺は後ろを確認して追ってくる妖精を確認した。さらに数が増えていた。


「捕まえた~♪」

突然前から声がして俺は前を向くと顔に妖精がへばりついてくる。


「ギャアアーーーー!!」

ホラー映画に出てくる悲鳴にも負けないほどの悲鳴を上げて走りながら顔を振って顔にへばり付く妖精を振りほどく。



そして前を確認すると湖が広がっていた。既に体は湖の上に出ていて後戻りは出来なかった。


「嘘ーーーーー!!」


ザバーーーーン!!



俺の体は走ってる勢いのまま重力に従って湖の中に大きな音を立てて落ちた。


「ゴボゴボ」

俺は水の中で足を動かして水の中を中々上手く進まない。前世では水泳は普通に出来ていたが動物になったことで全身の毛が水を吸って上手く動けなくなっている。それでも力任せに足を動かしてどうにか進もうともがいた。



「ゼハァゼハァゼハァ」

どうにかして陸まで上がると俺はその場で倒れて息を整える。

「何なんだよあの数は?!」

俺はパニックになりながらどうするかを忙しなく考えていた。


「クッソ」

俺が悪態をついて全身を振って水気を飛ばした。


「追いかけっこ終わりー?」

「まだ遊ぼうよーー」

「遊ぶの!!」

「遊ぶ遊ぶ」


俺の周りにまた妖精の甲高い声が戻ってくる。クッソ、忌々しい。魔力がダメなら


「物理だ!!」


俺はそう言って妖精を踏みつけた。一匹ずつ潰して行ってやる。


俺は前足で踏みつけている妖精にさらに体重をかけると光の粒になって消えた。


「よし!!まず一匹」



喜んだこと束の間。光の粒がまた集まり妖精になった。

「復~活」

「おいおい」

俺の絶望に反して妖精は元気よく飛び回っている。


「じゃあ猫の咆哮だ。くらえ!!ニャーオオーー!!」

俺は自分の上を飛んでいる妖精に猫の咆哮を放った。


「ご飯だ!!」

「すごーい」

「ご飯」

「食べるの」


全部妖精に吸われてしまった。


「もうやだ」

俺は涙目になって仕方なく森を逃げ回るのだった。

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