72 到着
シャリー・ミーンとロット・ミーンの年齢についてのご指摘が多かったのでここで説明(悪あがき)をします。
シャリー・ミーンは話では二十歳ぐらいと言っているので。二十歳と確定している訳ではありません。実際はもう少し年齢は上です。二十代後半ぐらいで考えてくれると嬉しいです。
作品の中でロッド・ミーンの年齢が書いてないと言われたのでここに書かせてもらいます。ロッド・ミーンの年齢は27歳と言う設定にしています。
俺が溺れそうになってから一週間が経つ。その一週間の中で馬を酷使しすぎたせいで怪我をしたが、俺がすぐに治して旅を再開させた。流石にその日は馬を走らせなかった。町に泊まること考えていないから暗くなるギリギリまで馬を走らせることも出来た。
そしてついにエルフの里の近くまで来たのだ。
「後どれくらいだ?」
「そうですね。後もう少しです。」
リリアナは歩きながら馬の顔を撫でて答える。木が密集していて馬で走るのは危ないということになったので、全員馬から下りて歩いている。
「それにしても木が多いな」
俺はそう言って木の根を飛び越えた。ここにツリーハウスを作って暮らしてみるのも良いかもな。
「これでも昔よりは少ないそうですよ。人間との戦争で木が減ったので」
「これで減ったのか……」
「はい、昔は獣以外地面を歩くことが出来ないほど木が生えていたと言うことでした」
「どうやって移動したんだ?」
「木と木の間を歩いて移動していたそうです」
跳んでじゃなくて歩いてか……どれだけ生えていたんだよ一体。
「見えたわ。あそこよ」
エリカが指さした所には丸太によって囲われた場所が見えてきた。。
「あれ?結界は?」
「あたしたちと一緒だと発動しないわ」
「へえ~」
便利な結界だな。一体どうやってエルフだと認識しているだろう。
俺たちが近づくと門番らしきエルフ二人が弓を構えて待ち構えていた。
「止まれ!!名を名乗れ!!」
「リリアナ・クロース」
「エリカ・クロースです」
「アルマ・ソニア」
「ソニア様!!」
最後の名前を聞いて見張りのエルフ二人が色々と慌てて奥に引っ込んでいった。
ソニア様?リリアナ達の態度を見る限りそこまで偉い地位だとは思わないのだが。
奥からさっきの門番より貫禄のかるエルフが出てきた。見た目が20代ぐらいで渋い顔をしている。エルフは見た目と年齢が一致しないから余り見た目は当てにならないけどな。
「リリアナ帰ってきたのか。やはりエリカも一緒に居たのか」
「ええ、まあね。なんで知っているの?」
「書置きがあったからね。許可は取って出ていないが」
「まったく。本当に」
リリアナはため息をついてエリカを睨む。睨まれたエリカは慌てて話を逸らすように話題を変えた。
「あれ?ソニアちゃんが居ることは驚かないの?」
呆れたように貫禄エルフ(名前が分からないので雰囲気で勝手に付けた)がため息をついた。
「それは散々二人が心配だと言っていましたから、たぶん二人の探しに行ったのだろうと検討はついていましたから」
それを聞いてリリアナは二人の肩にそっと手を置いてニッコリと微笑み。二人は恐る恐る振り向いいて、一緒に息を飲んだ。
「二人共族長に叱ってもらうかね」
「「そんな!!」」
「取り敢えず中に入れてくれるかしら」
「分かった今開ける。お前達は三人が帰ってきたことを村と族長に伝えてくれ」
「「分かりました」」
門番のエルフが貫禄エルフに言われて駆け足だったことが足音で分かった。
「じゃあ開けるぞ」
その言葉と同時に丸太で出来た扉が開いだ。やっと念願のエルフの里に入れると思うとワクワクして俺は仕方なかった。
俺はリリアナの肩に飛び乗った。正確には前足を肩に後ろ足を背中にして乗っている。
「リリアナあの貫禄あるエルフは誰だ?」
「あの人は父の友人で門番のまとめ役をしているエルフよ。名前はガウルン・ベートよ」
「ふ~ん」
「と言うか降りなさい。重いわ」
「嫌だ」
俺はそう言ってしっかりと足を乗せて落ちないようにした。リリアナは体を揺すって落とそうとするが落ちて堪るものか。
「なんで降りないのよ?」
「何となく気分」
「……」
リリアナは俺を下ろすのを諦めて俺を肩に乗せたまま村の中に入っていた。
村の中には流石に木で足場の踏み場が無くなるほど生えていなかった。家は木造建築で、お洒落な感じだ。
その内の一軒から男が飛び出してくる。そしてこちらに向かって猛スピードで走ってくる。顔が涙で濡れている。
「リリーーーー!!エリーーーー!!」
たぶん二人の名前を短くしたような感じだな。たぶんこの勢いのまま二人に抱きつくな。俺は急いでリリアナの方から飛び降りた。このまま一緒に男に抱きしめられても嬉しくないからな。そして俺がリリアナの方から降りた直後男が二人を抱きしめる。
「よく無事に戻って来てくれた」
「お父さん?!」
「えっと、ただいまです?」
二人がエルフの男にギュッと抱きしめられて、戸惑っていたがやがて背中を叩きながらエルフの男を慰めていた。
俺は男が出てきた家に空いていた窓に飛び乗って家の中に入った。目的はもちろん。
「ここだな」
俺は気配察知で探していた者を見つけて、その部屋のドアノブに飛びつき部屋を開けた。そこにはベッドに寝ているエルフの女性がいた。
猫の身長だとベッドの高さのせいでどんな状態か分からないけど、まあいいか興味ないし。
「にゃ~おん(猫の癒し)」
女の体が光に包まれた。
「これで良いな」
俺はひと仕事を終えると入ってきた窓で寝ることにした。久々の昼寝だ。
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