69 寝落ち
今回は短いです。
ごめんさない
俺は服を脱いで川に入った。そこまで冷たくはないが、暖かくも無かった。冷たさに体は少しこわばってはいたが。
「ふーー」
俺は息を吐き出しながら体を解す様に手足を伸ばした。それで体の隅々まで水に浸っていくのを感じた。俺は川の中で体をこすり血を落としていく。何だかかさぶたを剥がしているみたいな感じだ。まあ、かさぶたは血が固まったものだから似た様な物かな。体が洗い終わると、俺は頭を川の中に突っ込んで洗った。丸洗いだ。
「プッハー」
俺は頭を振って水を飛ばした。そして長い髪を絞って濡れないように首周辺に巻きつけた。俺は川から出ると、着替える。俺は血まみれの服をフレッシュで綺麗にするとアイテムボックスにしまう。破れていても何かに使えるかもしれないからな。俺は体にまとわりついていた汚れが落ちて気持ち良かった。
俺が戻ると族長の家にリリアナたちが帰って来ていた。族長はすでに別の部屋で寝ているようだった。
「お前ら戻ってきていたのか」
「うん」
みんなを代表するようにエリカが頷いた。
「明日この村を出る。寝ておけ」
俺はそう言って俺は布団に横になった。
「また寝るんですか?!」
「ああ。眠気が戻ってきてな」
俺はそう言ってまた布団に入った。
さっさとエルフの国に行きたいな。これ以上の面倒事は嫌だな。俺は意識が眠りに入る前にそんなことを思っていた。
エリカ視点
「ホントよく寝るわね」
あたしは呆れながらそう言った。ほとんど一日寝て過ごしたのにまだ眠いだなんて。
「それだけ疲れってことだと思うよ。それに大量に血も流したのもあるかもしれないよ。お姉ちゃん」
エリカは寝坊助をそんな風に言って擁護するが、いくら何でも寝すぎではないか。
「全く言いたいことだけ言って寝るなんて」
あたしはそう言いながら自分の布団に入った。やっぱり床で寝ることは未だに慣れない。ソニアも床に布団を引いて寝ることに戸惑っているようだった。
「エリカお姉ちゃんそう言えばこの人何なの?」
この人何なのか? 難しい質問ね。なんて答えようかしら。
「そうね……あたしたちのご主人。ほらこれ」
あたしはそう言って自分の首に付いている奴隷の首輪を見せた。
「なんでそんな物が?!」
ソニアは口に手を当てて驚いた。
「まさか酷い仕打ちを……受けているようには見えないね」
「うん。何かと言ってマスターは優しいよ」
リリアナがそう言って嬉しそうに笑う。
「そうなの?」
「うん」
そして私たちはソニアにこれまでの事と、こいつの目的と正体を話した。
それを聞いたソニアは曖昧に笑って
「それって優しいの?」
と聞いてくる。
「普通だったらもっと酷い扱いを受けてたよ」
「まあ、確かに」
ソニアは何となく納得がいかないようだったが、まあ扱いは酷くは無いけど劇的に良いわけでも無いからでしょうね。妹の言う通り普通の奴隷よりは格段に扱いは良いが……なんとも言えないな。
そんな風に話していたらあたしたちはいつの間にか寝ていた。




