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62 遠くから

最初の視点は盗賊視点からです

「エルフは傷つけるなと言われたけど…仕方ないよな」

俺は言い訳のように呟いた。

思わぬ反撃に遭って仲間全員が倒れてしまったので、仕方なく撃ったが。


「全くこのクロスボウとやらの飛ぶ距離は凄まじいな」


俺はそう言ってクロスボウを撫でた。クロスボウは弓を横にしてくっつけたみたいな物だ。飛ばす矢は全部が金属で普通の弓より細く中が空洞になっている。中が空洞になっているのは軽くして飛距離を伸ばすためだそうだ。そして弓が出る先には細い筒のような物がついている。これで風の魔法が発動して矢を遠くに飛ばすのに必要だそうだ。これで獣人に気づかれる距離まで近づかなくても矢を当てることが出来るのだ。更にそこまで遠いと人の肉眼では見えないのでスコープと言われるものが付いている。覗くと遠くのものが近くに見えて、中に十字が見える。距離によって違うが大体十字に合わせれば当たるようになっている。

そして何よりも弓よりも必要な技術がいらないので扱いやすい。



「これで試作段階ってのが怖いな」


俺はそう言って矢を装填しながら呟いた。ちなみに俺がこれの使い手に選ばれたのは二つの理由がある。一つは魔力。このクロスボウは風魔法が発動するとき、使用者から魔力を持っていく。それだけなら仲間にも俺と同じくらいの魔力を持った奴がいる。そしてもう一つはこの暗い中を見る目を持っているからだ。暗視。俺が持っているスキルで暗視があるのだ、しかもレベル4だ。このスキルを持っている人間は少ない。レベル4で持っている奴はもっと少ない。


俺はガキの頃父親の機嫌が悪いと罰と称して暗い部屋によく何日も閉じ込められた。微かな光しか無い場所を必死に見ようとした。それがきっかけでスキルが発動してレベル4まで到達した。


最後に父親をその暗闇の中に閉じ込めてやった。酒に酔っていたし俺と違って見えていなかったから、閉じ込めるのは簡単だった。その後どうなったかは知らない。





エルフは足に矢が刺さったエルフの矢を抜いて、治療をしている。もうちょっとすれば仲間も起き上がるだろう。


俺は時間を稼ぐために治療をしているエルフの足に狙いをつけて、矢を放った。





                  




                   エリカ視点

私はお姉ちゃんの足に刺さった矢を抜くと、精霊魔法で治療を始める。


倒れてる人が起き上がる前に早く治さなきゃ。


私はそう思って、怪我を治すので必死だったので、気付かなかった私に向かって飛んでくる矢に。


矢が飛んでくる音が聞こえた時にすでに手遅れだった。私は覚悟を決めて、治療を続けながら目をつぶった。



……あれ?


私は来るはずの痛みが来ないので恐る恐る目を開けて、確認した。


そこには……


「マスター?」


私に刺さる直前の矢を手で掴んでマスターが止めていた。


「世話かけさせんなよ」


眠そうに片目だけ開けたマスターが面倒臭そうに言った。


「起きてたの?!」


お姉ちゃん言葉にマスターは頷いた。


「なら最初っからどうして戦わないのよ!!」

お姉ちゃんが叫んだ。今回は私も同意見だ。最初っから戦ってくれればこんな事にはならなかったはずだ。


「お前らだけで対処出来るレベルだと思ってな。眠たかったからお前らに任せたけど途中で様子がおかしくなったから出てきたんだ」


そう言ってマスターは矢を投げた。



オズワルド視点


俺は握っていた矢を投げた。


矢が飛んできた方向を見ると、また矢が飛んできた今度は俺に向かってしかも頭に。


「俺を殺す気できてるな」


「「へ?」」


二人の言葉と同時に俺の目の前に矢が飛んでくるが、俺は顔をずらしてかわした。

俺がかわしたのを見てリリアナが聞いていた。

「見えるの?」


「ああ、俺は暗視を持っているからな。多分4ぐらいないと見えない」

俺は矢を放った先を見て行った。1キロから1.5キロ程度だな。そこまで離れていたら気配じゃ流石に分からないな。もちろん肉眼でも暗くて見えない。


銃のほうがましだな。銃ならマズルフラッシュや音で場所が特定できたのに。まあ、仕方ない。


「お前らは洞窟に隠れて、近づいて来た敵を相手にしろ。洞窟なら矢も入ってこれないだろう」

俺はそう言ってさっきから立ち上がろうとしてた男どもの首を思いっきり踏んで背骨を折って言った。


「じゃあ、言ったからな。俺は行く」


俺はそう言って矢を撃ってきた奴のところに走った。


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