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61 襲撃

マスターが出ていった後、私たちは族長さんに話を聞いた。


「それで何があったんですか?」

「ある日、盗賊が私たちの村を襲ってきたんだよ」

「盗賊程度なら撃退ぐらいはできるはずよね。獣人の身体能力は高いのだから」

お姉ちゃんが気になったのだろう即座に質問をする。

「ああ、人数は向こう方が上でも撃退は出来たのじゃがの私たちが戦っている間に子供や女が攫われていてね。そしてその数日後奴隷商人が来た攫われた子供たちを連れての。返して欲しければと買い取れととんでもない金額を吹っかけてきたのだ」


「そこで盗賊と商人が繋がっているのははっきりしたんじゃないの?そこでそいつを叩きのめして奪い取れば良かったんじゃないの?」

族長さんはため息をついて答えてくれた。

「すでに村の若い者がすでにやったが、その奴隷商人に強い護衛がいての誰も勝てなかったのだ」

「じゃあ、撃退中は子供とかはどっかに隠せばいいじゃないの?」

「それもやった。しかし奴らはどこに隠しても見つけるのだ。まるで最初っからどこに隠しているか知っているかのように」

忌々しげに族長さんはそう言って唸る。よほど歯がゆい思いをしてるのだろ。

「どこかで見張っていることはないんですか?」

私が気になって聞くと

「私らがそれも考えたが気配は感じなかった。私たちが気配を感じられる距離にはいないんだったら人間の目には詳しく私ら見えないはずだ」

族長力強く断言する。

「じゃあ、いくらか護衛の人数を置いたら?」

お姉ちゃん案はすでにやっていた。

「それもやったのだが、護衛は奇妙な矢で射抜かれて死んでいた」

「そう矢ってー」


そこでマスターが帰ってきたところで話は途中で終わった。





                    オズワルド視点

俺は話が終わったのをだろうと思って帰ってきた。俺は外にいる間に桶を使って体を洗ってきたのだ。


俺たちは布団を借りて寝ることにした。俺は布団に寝ることは慣れていたが、エルフ姉妹は奇妙な顔をしていた。多分床で直接布団を寝ることに驚いているのだろう。俺はそんな二人を放っておいてさっさと布団に入って寝てしまった。





俺は気配に気づいて起きた。村の正面に多くの人間が近づいていることに。俺が起きた後に族長も起きた。エルフ姉妹は気持ちよさそうに寝ている。


「おや、あんたは起きたのかい?」

驚いたように俺を見る。人間の俺が気配に気づいて起きていることに驚いたのだろ。

「まあな」

「そうかい。あんたは近くにある隠れ家にその子達を連れて行きな」

「分かった」

戦うのも面倒だったので戦うのは獣人に任せたいと思い、俺は族長の言うことに従って隠れ家に二人を抱えて行った。


そこには他にも子供や女性が多くいたが、全員が隠れることが出来るほどの広い穴が山の斜面に空けられていたのだった。

俺たちが入ると複雑そうな顔で見られたが、エルフ二人を地面に置いて壁に寄りかかって目をつぶった。まだ、寝たりなかったのだ。


俺が寝てから少し時間が経つと、エルフ二人は俺と代わるように起きて近くにいた獣人に何があったのか聞いている。







                   リリアナ視点


あたしが起きると洞窟の中にいるので驚いた。近くにマスターがいるので何があったか聞こうと思ったけど寝ているところを起こすと機嫌が悪いのでやめておいた。


近くにいたうさぎの獣人に聞くと盗賊が襲ってきたことが分かった。だけどこの洞窟を守る獣人がいなかったことに付いて聞くと、こっちの守りまでに手を回せなかったことを話された。


あたしは妹と顔を見合わせて頷いた。あたしたちがここを守る。私たちが精霊魔法を使えば倒せるだろうと踏んだのだ。自分の身を守るためでもあるけどここにいる人たちを見捨てられなかったのだ。


あたしは妹と一緒に作戦を考える。


そして運命の瞬間はすぐに訪れた。獣人の子が人が近づいてくる人数とタイミングを教えてくれたので私たちは精霊魔法を使う準備をした。

その子の話では五人だそうだ。


あたしたちは最初の一撃とともに洞窟から出て外で戦うことにした。洞窟の中で戦うのは中を危険に晒すからだ。


「精霊よ土柱を!!」

「精霊よ石をぶつけて!!」

妹は精霊魔法のレベルが低いので地面から土柱を出すことは出来なかったので石を飛ばしてぶつけた。

地面から家の柱ほどの土が勢いよく出て行き、男三人の腹に思いっきり当たる。


あたしたちは精霊魔法とともに外に向かって走った。三人はあたしがやった。残りのふたりは妹の放った石に当たったが致命傷にはならなかったみたいだ。


外に出て確かめるとあたしの精霊魔法でやった三人の内一人はすでに立ち上がっていた。当たりが思ったより浅かったのだろう。


妹がやった方は血を流していたがやはり致命傷では無かった。心の準備をしておいて良かった。


「自ら出てきてくれるとはありがたいな」

下品な笑みを浮かべながら男が喋る。全員を見る限り飛び道具を持っている人間は居なかった。


妹が私と背中合わせで立ちながらブツブツと何かを唱えている。


「お前らさっさとこいつらを攫ってずらからぞ」


こいつらの狙いはどうやら最初からあたしたちのようだ。それなら都合が良い。


「今だ、かかれ!!」


男の言葉で他の二人も一斉に襲いかかる。石をぶつけられたのがよほど頭にきているだろう。全力でこっちに走ってくる。


好都合よ。


あたしは笑みを浮かべた。

「精霊よ土柱を!!」


「何度も同じ手を?!」

男はかわそとしたが足が滑って、かわせず三人とも土柱に自らぶつかりに行った。


「「「ガッハ」」」

男たちはその場に腹を抑えて倒れた。


簡単なことだ。地面を凍らせて滑らせただけだ。エリカに地面を氷らせて私の土柱で倒す。今は夜なので暗くて地面が凍っても気づかないだろうと予測したが当たって良かった。


私たちが止めを刺そうと近づいた時に


ドス!!


そんな音共に太ももにに激痛が走った。


いったい誰が?獣人が気配が感じられないほど遠くから?それは絶対にありえない。遠すぎて見えないしなりより弓が届くわけない。となると獣人の子が人数を間違えた?!


「お姉ちゃん?!」


妹の叫びが聞こえてくる。




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