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今回も短いです。
ごめんなさい
俺は歩いていく途中で自分が猫の姿であることに気づいて歩みを止めた。
「どうしたんですか?」
俺は歩みを止めたことに気づいてエリカが聞いてきた。
「いや~このまま猫の姿で入るのはいろいろ不便かと思ってな」
俺がそう答えるとエリカとリリアナは顔を真っ赤にした。どうしたんだ急に?
「人になるなら草陰に行って服を着てください」
あ~あ毎回裸だからな。
俺は納得して草陰で人になって服を着て出ていった。
「じゃあ、行くぞ」
俺はそう言って二人と一緒に歩いて村に入った。
「こんな村にしかも人間の来るなんて珍しいわね」
狐の獣人と思われる婆さんが俺たちを見て言った。
村に近づいたときに俺たちが来ることがまるで分かっていたように多数の獣人が待ち構えていた。いや、実際に来ることが分かったのだろう。エリカが言っていたように感覚が優れていて、近づいたら分かると。多くの獣人が武器を持って待ち構えているのは知らなかったな。武器は主にナックル型と剣を持っている。これは一体何だ?
「何だこの熱烈な歓迎は?」
俺はそんな獣人を見て笑った。エルフ姉妹は突然のことで動けなくなっている。
「この村に何の用だ?」
剣を持った熊のおっさんが警戒心むき出しで尋ねてきた。
「別に一日泊まる場所が欲しいだ。それだけさ」
俺の言葉に胡散臭さを感じたのだろう更に警戒心を強めた。
「お前は奴隷商人の仲間じゃないのか?」
「違う」
俺が即答するとエルフ二人を指差して
「じゃあ、後ろにいるエルフは何だ?」
俺は振り返らず答えた。
「俺の奴隷」
「やっぱり奴隷商人の仲間じゃないのか」
奴隷を持っているイコール奴隷商人の仲間みたいな考えみたいだな。なんて単純な思考だ。
そいつの言葉で周りの奴らもそいつの同調して、騒ぎ出す。
「静まれ」
狐の婆さんの言葉で周りが一瞬で静かになる。消して大きな声ではない、しかし圧力がある言葉だった。
「良いよ。入りな」
「「「「「族長!?」」」」」
全員が驚いて大声を上げた。…あの婆さんが族長なんだ。
「しかしこいつは奴隷商人の仲間かもー」
「奴隷を馬に乗せて自分は足で歩くような奴が奴隷商人の仲間とは思えない」
族長の言葉で全員が俺たちを見る。俺が馬に乗れないだけだけどな。まあ、勘違いでうまく進むなら別に構わないや。
「それで入れてくれるんだね」
「入りな」
「ありがとう」
俺はそう言って村に入ったが、周りの獣人は族長が言ったから従ってるみたいで本心では追い出したいみたいだな。
まあ、いいや一夜限りの付き合いさ。




