56 次の日
何となく書いていて、昔見たアニメでホワッツマイケルを思い出しました。
あれは面白かったですねwww
次の日、町は大騒ぎだった。領主の家が無くなり大きな穴が空いているだけで、何も無くなってしまったからだ。
「良かったんですかマスター、あんなことをして危険じゃないんですか?」
俺が窓際に猫の姿でゴロゴロしているとエリカが聞いてきた。
俺はそんな言葉に笑って尻尾を左右に振って否定した。
「ばれる事も無いだろうしそれにばれたとしたら、それは俺が猫だってばれたことを意味する。人間を罰する法律はあっても猫を罰する法律は無いだろう。それに俺を殺そうと探した所で人間に猫の区別はできないし、見つかったとしても人間では殺せない」
口の端をヒクヒクさせながらリリアナが確かにと呟いた。目の前で屋敷が一瞬でなくなる所を見たんだ。そんな反応になってもおかしくないな。
「心配するな」
俺はそう言って眠りに就いた、昨日は夜中に叩き起されたからな眠いのだ。
起きたのは太陽がだいぶ傾いた頃だ。俺は体を伸ばして辺りを見る。エルフ姉妹もベッドで寝ていた。こいつらも昨日夜遅くに叩き起されたからな眠かったのだろう。あと数時間もすれば食事だな。それまでは寝かせておくか。
俺は人間の姿になって執事服に着替えるとお茶を入れて、精霊魔法で冷やして一気に飲んだ。
「相変わらず便利だな精霊魔法は」
俺はお茶をもう一杯入れ始める。
食事が来たので、エルフ姉妹を起こして食事をする。エルフ姉妹は何か思いつめた表情をしながら食べていた。食べ終わるとリリアナとエリナが床に突然正座をして、頭を下げた。
「……何?」
俺は何を言えば良いか良く分からなくて、言葉を発するのに時間が掛かった。
「お願いがあります」
リリアナが頭を下げたまま言う。
「何だ?」
「あなたの能力で傷や病気を治す能力がありますね?」
「猫の癒しな。ああ、あるよ」
「それを私の母に使って怪我を治して欲しいのです」
「……精霊魔法じゃ治せないのか?」
俺の質問にリリアナは首を振って答えた。
「精霊魔法では治せないほどの傷って言うのは何だ?」
俺の質問にエリカが言葉に詰まるが深呼吸をして一気に答える。
「片腕が切られて、両足の腱も。エッグ、ヒッグ。それに喉も潰されました。そして切られた腕から感染症に」
エリカは途中で泣きながらも答えた。自分の母親がそんな姿になったら目を背けて逃げたくなるな。
「そもそもどうしてそんな怪我を負ったんだ?」
「…前に話しましたよね。ミスリルの話を」
答えたのはリリアナだった。エルフとミスリルを繋ぐ文章・証拠の抹消だったな。
「ああ」
俺は頷いて話を先に促した。
「母は私たちを産んで三年ほどでエルフの里を出ました。ある使命を帯びて」
何となく察した俺は言葉を呟いた。
「その使命ってのがミスリルの話か……」
「はい。母は優秀な精霊魔法使いだったので」
何となくリリアナの言葉には誇らしげに言っているのを感じた。
「父親は?」
「父は母が妊娠した頃にミスリルの件で村を出ました」
「それで父は無事戻ってきた頃に、母が人間に捕まったと言う情報が入ってきました」
父親は無事帰って来れたのか。
「父は母を助けるために人間の街に行って母を助けて村に戻ってきました」
そんなに長い間証拠抹殺になんで時間が掛かってるんだ?計算的に戦争が終わってから長い期間がある。
「なあ、なんでこんなに証拠を消すのに時間が空いてるんだ?」
「詳しいことは分からりませんけど、村の復興や魔王や勇者や人さらいそんなことが積み重なって中々そちらまで手が回らなかったらしいです」
「そうか、話の続き頼む」
「はい、私たちは精霊魔法でも治せなかったのでユニコーンの角を求めて旅に出ました」
「ユニコーンの角って。何で?」
「ユニコーンの角にはどんな傷も治す力があると言われています」
そうなんだ。
「そして人間に捕まったと」
「はい」
「なんでもします。だから母を」
「黙れ」
俺はリリアナを黙らせた。そして少しの沈黙。
そして俺は返事をした。
「良いよ別に治してやるよ」
「「え?」」
二人は驚いたように顔を上げた。
「どうした意外そうな顔をして?」
「だって、ねえ」
「うん。そんなにあっさり良いと言われるとは思いませんでした」
俺は了承した理由を話してやった。
「猫の癒しを使うのに俺は大して苦労はしない。そこにこれで俺はしっかりとエルフの里に行けると言う確約が出来た訳だ」
二人はポカーンとしているのが何となく面白かった。
「話はこれで終わりか?俺は寝るぞ」
俺はそう言って精霊魔法で涼しい風を部屋を通してベッドに横になった。
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