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50 昔の話

「まず、最初の質問だ。なんでこの本を燃やそうとした?」


エルフ姉妹は、お互いに顔を見合わせて下を向く。そして、エリカが顔を上げて、口を開いた。


「昔、戦争がありました。人間たちがミスリルを求めて、私たちの森に攻め込んだんです」

「ん?森に隠れ住んで、結界を張って暮らしてるんじゃないのか?」

「確かにそうです。しかし、その結界は私たちの所に入れないように迷わすものです。人海戦術と森の伐採で攻撃目標を絞り、範囲攻撃をしてきました。私たちが森に張っている結界は攻撃まで防ぎませんので」

「そうか……それで?」

「流石にこのままでは、まずいと言う事になってエルフも戦いました。それで、多くの死者が出ましたが、なんとか人間を退けました。そしてこれ以上ミスリルで人間が攻めて来ることを、恐れた私たちエルフは強い者を人間たちの国に行かせて、ミスリル金属とエルフを繋げる文章、証拠を全て抹消させました。丁度人間たちも私たちに負けたことを隠したかったので、情報を抹消するのはそこまで難しく無かったんです。それでも多くのエルフが、それによって、捕まって拷問などを受けたものや殺されたものまでいました。なんとか逃げ出して帰ってきた者もいましたが…」

辛そうに話すな。こいつら自身は年齢的に関われないはずだが。身内かな。

「……」


「だから私たちはエルフの国の平和のためにも、その本を燃やさなければなりません」

「そうか、別の質問だ。エルフの土地は森だよな。山なんて無かった気がするんだが?」

「エルフの住む土地は元々は山です。ここの火山が噴火した事により、火山灰などで埋まったんです」


「ふ~ん」


「だからその本を処分させてください」

俺はそのな一生懸命な言葉に


「ダメだ」


無情な言葉を叩きつけた。この本には利用価値があるのが、分かったからだ。これを人質に村にでも入れて貰おうかな。


「そんな…何でですか?」

エリカは絶望したような顔をして、膝をつく。


「まだ、質問がある。そっちが先だ。で、お前らは何を見て俺を怖がった?」


「あなたの魔力」

答えたのはリリアナだった。

「俺の魔力?」

「精霊を通して、魔力を聞いたみたいに言うのが正しいかしら。精霊は魔力の塊。だから魔力には敏感なの」


「どうやったら、見れる?」

俺の言葉を鼻で笑って

「無理よ。人間には。」


「そうか」

精霊は魔力の塊。こいつらはどうやって見ているんだ。と言うか普段、どんな風に見えている。


「お前らは普段は、精霊は見えないのか?」


「森の中なら、普段から見えるけど、人間の街とかに来ると目に力を入れないと見えなくなる」

そう言ってリリアナは自分の目に触れた。

「それで、あなたの魔力が多いと私たちに教えてくれた。最初はただのザコかと思っていたわ」

「ん?どうして」

「あなたは最初見たときは、護衛が全員倒れるまで出てこなかったから、盗賊とグルかと思ったの、で途中で盗賊を裏切った三下だと」


俺は途中からどうでも良い事だったので、話を聞くのをやめて、精霊のことを考えていた。


精霊は魔力の塊、だとすると。






                    リリアナ視点

あたしたちは、森を出てユニコーンの角を求めて、森を出た。ユニコーンの角は全ての傷を癒すと言われている。

妹も一緒に連れて行くことになった。と言うか無理やりついて来たのだが。そしてあたしが、魔物に気を取られている隙に妹を人質に取られて、そして捕まり、私たちは一緒に奴隷商人に売られた。


奴隷商人が盗賊に襲われているのを、岩の影から見ている視線に気づいた。冒険者全員が倒れると、私たちを譲ったら助けてやる。そう言っているのが聞こえた。そして私たちはこいつの物になった。最初はある程度の強さを持った雑魚かと思ったけど、全然何かが違うことに気づいた。

そして、今に至る。

確かに精霊が、驚いたように動いていた。だけど所詮人間だ。

それにこいつ、私の話を途中から聞いていなかった。別に構わないけど。早くユニーコーンの角を見つけなきゃいけない。

あたしがここからの脱走計画を練ろうと考えたいた時に、


「見えた」

そんな言葉がこいつから漏れた。

「綺麗だ」






                  オズワルド視点

適当に俺は、勘で目に魔力を流し込んだ。目を覆うように魔力を循環させるとだんだんと、梅干の種ほどの光が見えてきた。それは色を持った星のようだ。俺は魅了された。

「見えた」

思わず呟いた。

「綺麗だ」


俺は更に精霊魔法を使おうと、耳に魔力を循環させ、そして喉にも魔力を循環させた。準備万端。

「火を灯せ」


その瞬間、俺の手に火が灯った。


「熱っ!!」

俺は手に点った火を、手を振って消した。少し赤くなるだけで、火傷することは無かったが。なんでだ?

「そんなんじゃ、ダメよ」

リリアナはそんな俺を、可笑しそうに見て、首を横に振った。

「なら、精霊魔法の使い方を教えてくれ」


リリアナは笑ってこんなことを言った。


「精霊魔法を教える代わりに、その本を燃やさせて」

俺は悩んだ。これをうまく利用しないと、エルフの里に行けないかもしれないからな。

「ダメだな。精霊魔法を教えたら、本の内容を見せてやる」

俺の言葉にリリアナが怒り始める。

「ふざけないでよ。それじゃ意味が」

言葉を遮って

「命令してもいいんだぞ?それに本に書いてある内容を確かめて、どれくらいの情報が、書いてあるかも確かめた方がいいんじゃないか」


リリアナは黙ってブツブツと何か言い出す。そうだ、俺にどれくらいのエルフの情報が伝わったか確かめる機会でもある。それに、最悪命令でさせることもできる。さて、どうするのかな?


「分かったわ。いいわ、それで手を打ちましょう」

「そうか、じゃあ。ほい」

俺はリリアナに本を投げ渡した。リリアナは驚いたように本を受け取った。

「…いいの先に?」

俺はそんな言葉に呆れてしまった。

「俺のほうが圧倒的に有利だ。約束を破られる確率は俺のほうが低い。俺が約束を破るんじゃないかと思って、ちゃんと教えてもらえないと困るからな」



それを読み進めていくに連れて、リリアナの様子がおかしくなった。


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