49 本
猫に転生を望んだもの >>感想一覧
投稿者: 投稿日:2014/08/14 07:49 削除
▼悪い点
悪い点を書いてくれている人には
返信しないのですか?
と言う感想が来たので、他にも感想が返っていない人はすません。
多分アンケートを実施した時に、アンケート前後で来た感想は、返すのを忘れてしまった人がいるのかもしれません。決して悪い点を書いたから返信していない訳ではありません。
本当に申し訳ありませんでした。
アイテムボックスから服を取り出すときに、本が一冊落ちた。すっかり忘れていたが、教会の禁書棚にあった本だ。
俺は風呂から出ると、執事服(上着なし)の姿になった。
昼寝をするにも、食事にすぐなってしまうだろうな。食事が来るのを待つ間、この本でも読むか。
俺はそう思って脱衣所から出ると、エルフ姉妹は出口で待っていた。最初に見たときとは違って、汚れが落ちて見違える程綺麗になっていた。執事服を着ているのが、何とも言えないな。
「行くよ」
二人のエルフの手を引いて、部屋に帰った。
「食事まで、この部屋からでなければ好きにして、構わない」
俺はそう言って窓を開けた。風呂から出たばっかなので、風が涼しく感じる。窓際に座り、本を開いた。内容は歴史だった。
魔族の土地に攻め込んで、教会の騎士団が魔族に返り討ちあったなど。現在、1700年までのことが書かれていた。俺たちの所より文明の進みが遅いのは、魔物や魔法があったことが原因なんだろうか?
その他にも、獣人の国の平和調印に来た大使を、ザスーラ国が暗殺しようとして、失敗して戦争になりかけたことやエルフの国が、所有するミスリル金属の鉱山を奪うための戦争などなど。
……地図を見たとき、特にエルフの所には山は無かったよな。考えるより、本人に聞いたほうが早いか。
「なあ、リリアナ質問なんだけどさ?」
突然、話しかけられて椅子の上で膝を抱えてたリリアナは、驚いたように顔を上げた。
「何ですか!?」
「エルフの国にミスリルの鉱山なんてあるの?」
その瞬間、いきなりリリアナが俺を襲おうと飛びかかってきた。いや、違う。俺に襲いかかってきたと言うより、俺が読んでいた本を奪おうと、飛びかかってきたと言った方が正しいかな。
俺はリリアナの足を払い、倒れたリリアナの首の辺りを踏んで、立ち上がれなくした。
「いきなりなんだ?」
俺がリリアナに目を向けると、リリアナは親の敵のように俺が持っている本を見ているだけである。
「燃やして、せ」
「命令だ。やめろ」
俺の言葉で首輪が締まり、それ以上言えなくなるが、それでも、まだ暴れるリリアナを見て、エリカが叫んだ。
「お姉ちゃん、ダメ!!」
エリカの言葉で、リリアナは暴れるのを、やっとやめた。何なんだ一体?
「お姉ちゃんから、足をどけて!!」
その言葉にカチンッと、来た俺は手を伸ばしてエリカの頬を思いっきり引張た。
こっちはいきなり飛びかかってきた奴を、動けないようにしただけなのに、しかも奴隷なのに何なんだこいつは。
「足を退けてくださいだ。分かったな」
俺は頬から手を離すと、何かを確かめるように俺を見て、そして周りを見て、再び俺を見ると怯ええたような表情をして、震えながら許しを請うように言った。
「お姉ちゃんから、足を退けてください。お願いします」
そう言って頭まで下げ始めた。何があったんだ、こいつ?
「分かった」
俺は足を退けて、本を呼んだ。特に気になることは書かれていなかった。やっぱりミスリル鉱山か。
俺が完全に本に意識が移った途端。
「エリカ、あなたは本を燃やして、私はこいつを殺す」
また、懲りずに俺に攻撃してきた。あの奴隷商人、基本の命令文を入れなかった。基本の命令文とは、主人を攻撃しない、主人の損になることはしない、自殺をしないなどだ。
「やめて、お姉ちゃん!!」
エリカがリリアナに抱きついて止めると、エリカが土下座をして俺に謝ってきた。
「すいません、ごめんなさい。私が代わりに罰を受けるから、お姉ちゃんを殺さないで!!」
「な!?」
リリアナは驚いたようにエリカの行動を見ている。
「お姉ちゃん、精霊の声を聞いて!!」
そして次の瞬間、リリアナも怯え出すが、恐怖に耐えるように歯を食いしばる。
「なんで、こんなことをしたのか教えろ」
そこで丁度、食事が来る。
「食事を持ってきました。食べ終わったら、外に置いといてください」
そう言って、さっさと部屋から出ていった。部屋の雰囲気から何かを察したのだろう。
「やっぱり良い。話は食事をしてからだ。食べろ」
俺はそう言うと、パンから食べ始めた。
俺はさっさと食べ終わると、また本を読み始めた。はっきり言って碌な事が書かれていない。人間の欲望による戦いの数々、戦争、騙し討ち、裏切り。
全く嫌になるな。
俺は本を閉じた。
エルフ姉妹は自分の食事を半分も食べていなかった。
「エルフ姉妹、命令だ。食べ終わったらお皿は外に出せ。それと食べ終わるまで俺は寝ている。食べ終わったら俺を起こせ」
俺はそれだけ言って、布団に横になった。
「起きてください」
俺は体を揺すられて、目が覚めた。
「起きた」
俺がベッドから、起き上がるとすでに外は暗かった。
「誰か光」
俺は半分、寝ぼけながら言うと光は部屋の中に溢れた。
「誰?」
エリカが恐る恐る手を上げた。俺はそれを見ると体を伸ばして、目を覚ました。
「さて、質問を始めようか」
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