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43 疲れた

日刊ランキングに入りました。下の方ですけど。

読んでくださった読者の皆様ありがとうございます。

これからも頑張るのでよろしくお願いします

「お父様!!」

アリサが焦ったように私の名前を呼ぶ。稀にみる慌てようだ。

「なんだアリサ?」

「あの方をあそこに置いて来て良かったのですか?」

「そのことか」

私もそのことが気になっていたが作戦を考えた時にすでについて行かないと言っていたからな。魔族に味方しただけで殺されるだろう。だから来るように言ったが断られてしまった。残念でならない。


「私も誘ったのだが断られてしまった。それにオズワルドは私より強い」

「お父様よりですか!!」

アリサは驚いたように声を上げた。まあ、驚くだろうな。アリサは私が負けるところを見たことが無かったからな。

「お父様あの方は猫でしたよね。お父様猫に負けたのですか?」

ぐっさ、そんな音が立ちそうな感じで娘の言葉が心に刺さった。娘の純粋な瞳が私を見る。

「あ、ああ負けたよ」

私は震えながら答えた。こんなことを娘に話したくは無いのだがな。情けない父の姿のだ見せたくないのだがな。

「そうですか。………お父様確か結婚するならお父様より強い方じゃ無ければ結婚は認めないんでしたよね」

娘の言葉にびっくりする。

「アリサまさかオズワルドとけ、結婚するつもりか」

「うふふふ」

アリサは笑うだけで答えてはくれなかった。女の子は大人になるのが早いと言っていたがこんなに早いのか。

一難去ってまた一難。今度は娘の結婚相手の心配か。オズワルドめ、とんでもない爆弾を残していったな。

私はため息しか出なかった。

「私より強いだから心配はいらないだろう」







どうしよ。この魔法どう頑張っても壊せない。

「くっそ!!」

俺がそうやって悪態をつくと

「無駄だ無駄」

そう言っていやらしく笑ってくる団長が仁王立ちで俺のことを見てくる。

「これは先代勇者が作った術式で貴様のような奴には破れる訳が無い」

自信満々に言ってくる団長に頭に来るが確かにこれは俺がいくら全力で蹴ろうがゴムみたいに伸びで破れない、魔闘気で手刀を作っても切った所か再生していく。お手上げだなこりゃ。

「後は貴様が弱るまでこの結界を張っとくだけだ」

そうか、まあいいや、とりあえず。


ビリビリビリ


「…貴様何してる!?」

団長の慌てたような声が響く。

「え?何ってカーペット破いてるだけだよ」

俺はそう言ってカーペットを裏返した。こっちの方が汚れていないな、やっぱり。

「いやいや、だから何でそんな事してるんだって?!」

団長の口調が可笑しいが、それ以外でも教皇は目が点になり勇者は俺をまじまじと見てくる。

俺はカーペットを自分の身長より大きいのを二枚と適当な物を一枚作った。少し重いが使えないわけじゃ無い。

「寝ようと思って」

「「「「「は?」」」」」

全員の心が一つになった瞬間だろうな。

「何を言っているだ?」

団長の発する言葉に先ほどまでに力が無く気の抜けたような声だ。まあ、突然こんな事をされたら驚くだろうな。

「今日は頑張りすぎて、疲れただから寝る。それだけだ」

「いやいや、なんでカーペット破いてるんだよ?」

勇者がついに突っ込みを入れて来た。まあ、入れずにはいられないだろうな。

「布団だ布団、それと枕」

俺はそう言って適当な長さに切った物を丸めて枕にする。良し。

「まさか、貴様時間が経てばこの魔法が解けるとでも思っているのか?無駄だぞ交代で魔法使いを入れるから魔力が尽きることを期待しても無駄だぞ」

調子を戻した団長がそう言ってくるが俺は気にせず寝る準備。今日は頑張り過ぎた。さっさと寝よう。


「おい、寝る前に俺の質問に答えろ」

勇者がそう言って魔法ぎりぎりまで近づいてきて話掛けてくる。

「何だよ?」

やっぱり掛け布団にするには少し重いな。寝にくい。だけど久しぶりに

「お前は何で魔族に協力したんだ?」

「……何で魔族に協力してはいけないんだ?」

「それは魔族は悪だからだ。魔族は俺の家族、友達を殺したんだ」

俺はそんな言葉を鼻で笑った。

「何を持って魔族を悪だと断定する?」

俺が聞くと勇者は言いよどむ。まあ、答えられないよな。この世界では魔族は悪だと断定されていてその理由を知ろうともしないだろし。それが常識の世界だ。

「それは……魔族は俺の家族殺」

「それはその魔族の個人の悪だろ。魔族と言う種族全体をなぜ悪だと言える?」

俺は布団に入る、寝心地は最高とは言えないがまあまあだな。


「貴様、勇者様を籠絡しようとするなど。やはり貴様は魔族の仲間のようだな!!」

さらに考えを深めようとする勇者の思考を邪魔するように大声で叫ぶ団長。

「魔族は貴様のような奴を利用し、この世界をめちゃくちゃにするのだ。魔族に味方するものは人間の敵、いや世界の敵だ。貴様は」


「Zzzzz」

返事は寝息だった。

「バカにしおってーー!!」

虚しく団長の言葉が響くのだった。


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