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38 娘奪還作戦

ビイルにお願いして町を襲っていた魔物を撤退させて貰った。ビイルにどうやったかと聞くと

「影魔法で魔物の精神に直接お願いするんだ。頼みを聞いてくれない奴もいるし気が荒い奴もいるから中々うまくいかないもんだけどな」

「そうなんだ。直接精神を乗っ取るみたいな事は出来ないのか?」

ビイルは首を横に振って

「無理だ。そんなことをしたら精神が崩壊してしまう。それにそんなことが出来るのは魔王様レベルで暗黒魔法を使うものだけだ」


ちなみに猫の癒しを使ってお互いの怪我を治した。魔族は体をペタペタと触って驚い俺に向かって

「お前何者だ?」

「ただの猫だよ」

俺の言葉に顔をヒクヒクとさせながら

「お前がただの猫なら猫と戦争をした国は滅ぶかもしれんな」



今更だが気づいたんだが俺がビイルから感じた気配は聖騎士団が隠れながら連れて行った何かの気配だった。たぶん魔族特有か血縁が理由で感じた気配が似ていたんだろう。そして俺たちは町にビイルと一緒に町に向かっているのだが



「そういえば人間界に来てはいけないって言っていたらしいけど魔族が来たらしいぞ。しかも勇者が居た村を襲たらしいぞ」

「なんだと?!」

魔族は俺の発言に驚いたように声を上げる。

「どうなったその魔族は?」

「ん?勇者が倒したって言ってた」

こいつの様子を見る限り魔王の命令で行っていたと言うわけでは無いらしいな。

「魔王の命令は絶対じゃないのか?」

「絶対ではあるが、人間でもゴロツキみたいな奴は言う事を聞かないこともあるだろう。それと同じだ。だから弱くて勇者にも倒されたのだろう」

「弱い奴は言う事を聞かないのか?」

俺が気になって聞くと

「強者は強者を知る。魔王様は穏やかの人だがある程度の強者なら強さに気づいて逆らう事さえ怖くて出来ないだろう」

話を聞いていると魔族も人間も大差ないらしいな。


それから数十分経ち。

「おい」

「なんだよ?」

「俺はいつまでこんな恰好でいなきゃならないんだ」

魔族の言葉に俺は言葉を返した。

「町まで仲良く隣を歩いていたら作戦がダメになるだろう。諦めろ」

俺の言葉に魔族は苦虫を噛み潰したような顔をして

「誇り高き魔族がこの様な」

「確かに誇り高い魔族だな猫に負けた」

「うっ」

魔族は言葉に詰まる。

「このような事態じゃなかったなら」

「まさに猫の手も借りたい事態だろう。諦めろ」

俺はそう言って笑った。

「荷物の様に担ぐのはやめて欲しいのだが」

「魔族をおんぶやお姫様抱っこで連れて行くわけには行かない、ある程度乱暴に扱わないと」

「しかしだな」

「ほら、町が見えて来た傷ついて倒れている振りしろ」

俺は横に抱えている魔族の言葉を遮って話すのを止めた。俺は今魔族を荷物を持つように胴体を抱えているのだ。魔族は荷物の様に抱えられるのには難色を示したが娘を助けるためと言って諦めさせた。

街の方を見ると周りには魔物のしたいと人間の死体が転がっていた。それなりの激戦だったのだろうあたりの戦いの爪痕から想像できた。



街の入口付近に付くと門番のような男がピリピリしながら怒鳴って来た。

「動くな貴様、何者だ!!」

さすがに魔物との戦いの後で精神が高ぶっているようだった。それにいきなり魔物が引いたのだある程度警戒をしていてもおかしくない。

「簡単言うと今回の事件の首謀者の魔族を倒したものだ。ほれ証拠だってここに」

俺はそう言って抱えている魔族を見せた。俺と魔族の姿を見たらお互い血だらけのままの服を着ているので激戦だったことが見て取れるだろう。さっさとフレッシュ使って綺麗になりたいものだ。


「貴様、ウソを付いているのではないか!!」

そんな門番の言葉に俺が何か言おうとした時

「確かにその人は魔族と戦っていたぞ」

それを言ったのは最初に食った屋台のおっちゃんだった。

「おっちゃん!!」

「まさか坊主がそこまで強かったとは知らなかったがな。…確かに坊主は魔族と戦っていたぞ」

おっちゃんに続くようにそこに居た人たちは

「俺も見たぞ!!」

「あたしも!!」


その言葉に門番は押し切られてあっさりと折れた。

「わ、分かった。信じよう」

俺はそれであっさりと町に入ることが出来た。中に入ると冒険者と思われる人たちが笑顔で近づいてきて俺の肩を叩き、

「ありがと。あんたがいなかったら死んでいたよ」

「スゲーな、魔族に勝つなんて良かったらうちのパーティーに入らないか?」

「な、ずるいぞ抜け駆けは!!」

「ありがとうな、ボウズ」


外の会話に耳を傾けていたのか冒険者は口々にお礼を言う。何だが罪悪感が


そこに罪悪感なんて感じる必要のない奴らが来る。

「退け、冒険者ども!!」

そこに聖騎士団と勇者の登場だ。


「貴様あの時の」

勇者を粗末に扱ったことがかなり頭にきているらしい、まだ怒ってるよ、それとも手柄を取れれたことかな。まあ、どっちでもいいや。

「何?」

俺の態度がますます気に入らないらしく、団長と思われるものは青筋を浮かべて何かを言いたそうだったが堪えて信じられない言葉を吐いた。

「さっきの事は不問にしておいてやる。その魔族の死体をさっさと渡せ!!」

何言ってんだこいつは?まあ、何事も理由ぐらいは聞いてやることも必要だ。

「どうする気だ」

「何心配するな、勇者の手柄として説明するだけだ。勇者の出助けができるのださぞ光栄だろう」

周りがざわめく、そして冒険者から非難のまなざし。そりゃそうだ。


「さあ、渡せ」

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