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37 魔族の目的

何だかんだで魔族を倒した俺だが


「まだだ、私は倒れるわけには」

倒しただけで、殺していないので血だらけ魔族は刀を地面に突き刺し、まだ立ち上がろうする。


「あのさ、帰ってくんない。その状態から俺に勝つのは無理でしょ?」


「それでも、」


何がこの魔族にこの状態で戦わせようとしているんだ?そういえばこいつの目的って何なんだ?

「魔族、あんたのここに来た目的って何なの?」

俺が聞くと魔族は俺に目を向けてこう言い放った。

「貴様らの国を滅ぼすために」

俺はその言葉を遮った。

「嘘だな、じゃあなんで勇者を殺さなかった?}

俺の言葉に言葉に詰まったが表情は変えなかった。

「…どういう意味だ?」


俺はいちいち隠しだてするのがめんどくさくてさっさと種明かしをした。


「俺は他人のステータスが見れる能力を持ってるんだよ。それだとあんたの方が勇者をより強くてレベルも高いんだよね。ビイル・グレモリーさん」


俺が魔族の名前を呼ぶと驚いたような顔をして質問して来る。

「どうして私の名前を?」


「ステータスには名前も載っている。でここに来た目的は?」

俺の言葉に顔を下げ、そして観念したように頭を上げ俺を見た。


「…私の娘を人間が攫って行った。それを取り戻すためにここに来たのだ」

話しを聞くとなんでも外に遊びに出ていた娘が二日たっても帰ってこないので探していたら人間が攫ったと言う情報を魔物から聞き、ここに来たのだそうだ。


「なら魔物の大群がこの街を襲っているんだ?別にこの街を魔物に襲わせなくてもいいんじゃないか?」

「基本的に勇者が生まれてからは、魔王様の命令以外では人間界に来てはいけないと言う命令が出ているのだ。そして勇者と交戦するのも禁止されている」


「だが現にここにお前は娘を取り返しに来ているが?」

ビイルは申し訳なさそうな顔をして俺の質問に答えてくれた。

「魔王様は私の娘が攫われたと聞き、人間の戦力を削る事を命令し、娘を助けに行くことを出来るようにしてくださったのだ。そして人間界に来て名目とは言え命令を守らなければいけないこともあって私は魔物に人間の街を襲わせている間に娘を助けだして帰ろうと思っていたのだが」


「運悪く勇者に見つかって戦闘になったと、でどうやって帰るつもりだったんだ?」

ビイルは自分の影に腕を突っ込むと透明なクリスタルを出した。

「これに魔力を籠めることで一瞬で帰ることが出来るだ」


「そうかなら娘が取り返せるならさっさと帰るんだな?」

俺の言葉に驚きながらビイルは頷いた。

「あ、ああ、そうだが」

「なら手伝ってやる」


そこで初めて警戒した顔を浮かべた。

「人間の貴様にそんなことをして何のメリットがある?」


「悪いな、俺のは人間じゃないのさ」

俺は人化を解いて猫の姿になった。

「これが俺の正体だ」


1秒、2秒、3秒と時間が経過して


「猫ーーーーーー!!」


魔族ビイル・グレモリーの声が草原に響くのだった。



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