36 ボコボコにしてやんよ
私は魔力を帰るために温存しておきたかったが、時間をかけていたらこちらが負けると思い思い切って魔法を使った。銀髪少年は私と戦っている間、疲れた様子は無くむしろ速くなってきている。しかも剣をことごとく防ぎ、少ない魔力で影魔法を使い剣の大きさを錯覚させている事にさえ気づく始末だ。最初は戦い慣れしていなかった少年だがだんだんと戦いの中で強くなっていることが分かる。それが分かるほどに強いのだ。
そして私は炎魔法を使い少年を焼き尽くすつもりで八つのフレイムシュートを放つ。私はこれでも魔族の中で幹部に匹敵するほどの強さだ。さすがにこれで倒せただろう。
私がそう思うって煙がもくもくと立つ中に平然と立っている少年の姿に俺は驚いた。
やっべー死ぬかと思った。俺は内心冷や汗をかきながら思った。いきなり八つも火の玉が飛んでくるなんて思わなくて、魔力で体を覆うようにして火の玉から体を守ったのだ。
あんまり使いたくなかったんだよな~
スキル魔力操作で無理やり外に魔量を放出させて体を守ったのだが、これを前回使ったときに良い気になって使っていたらあっという間に魔力を使いはたして気分が悪くなったのだ。簡単に言うと二日酔いから船酔いまでの全ての酔いになったみたいなものだ。あれから俺は使わないようにしていたんだけど。
まあいいや、使ちゃったし本気出すか。
俺は拳を魔力で覆いさっきのお返しとばかりに拳を振るった。魔族は呆けていたが俺の拳に気づくと俺の拳が届かないように下がるが
「がはっ」
魔族は殴られたように吹っ飛ばされる。
自分の口を拭って血が付いていたことに驚きを顕わにした。そりゃそうだかわしたと思った拳に殴られていたんだからな。
「?!」
今度は俺は魔族に向かって蹴りを放つが殴られて遠くにいて魔族には当たらないはずの蹴りだ。
だが、
「ゴッホ」
魔族の鳩尾がへこみ魔族は鳩尾を押さえながら地面に膝を付く。魔族は俺が何をやったのか分かっていないだろう。
俺がやったことは実に簡単だ。拳の射程を伸ばしたのだ魔力で。魔力操作で腕に魔力を集めて拳の先から魔力の塊を伸ばしているだけだ。某忍者漫画の仙人モードみたいな感じだ。だがあれとは違い伸びるのだが。
最初にやった時はいい気になってゴムゴムのガト〇ングみたいなゴム人間の真似していたらあっという間に魔力切れを起こしたのだ。
今回はそうなら無い様にすぐに決着を付けることにする。
そこからは一方的だった。拳さえ届けばAGL頼みにラッシュを決めて魔法さえ唱える暇は与えなかった。
そこには血だらけの物体が残るだけだった。
注)魔族は生きてます




