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30 冗談じゃない!!

ついに勇者の登場です。

さてこれからグーダラ猫はどうなるのか楽しみにしていてください

グリモア司祭は禁書棚の出口で体を探られて、本を持っていないか門番に確かめられている。

さすがに禁書と言うだけあって持って行かれないかを確かめている。俺はすばやく足元をすり抜けグリモア司祭の部屋に戻ってベットの下で丸くなって寝ている事にした。



それから少し経つとグリモア司祭が部屋へ治療師の少年を連れて帰って来た。

この少年はグリモア司祭の権力闘争の時の失策で俺の能力を偶々知ってその時グリモア司祭のピンチを救ったのだ。その繋がりでグリモア司祭の右腕になっている。


「それは本当かね?」

「はい」

「ついに勇者が見つかったか。どこが出身地だ?」

俺は勇者と聞いて聞き耳を立てる。

「はい、数年前に魔族に滅ぼされた辺境の地出身で偶々村を離れてた所だったので助かったと」

「そうか」

グリモア司祭は気の毒そうな声で呟いた。

「はい、そして先日村を滅ばした魔族を殺したことでランクがAになったと」

「それにしても運が良かったです。治療院の巫女を臨時の治療師として送った町に勇者がいるなんて」

少年が嬉々とした声で言う。

「そうだな、このことはまだ誰も知らないな?」

グリモア司祭が確かめるように尋ねる。

「たぶん噂程度なら、ほかにも漏れていると思われますが確信には誰もいたって無いと思われます」

「そうか、なら勇者と繋がりを作っておくことしよう。これで私は教会で絶大な権力を持つことになるな」

「グリモア司祭、それなら何らかの贈り物をしたらどうでしょう?」

少年の言葉にグリモア司祭はポンッと手を打って提案した。

「そうだな、資金援助はどうだろうか?」

「噂に聞くとそこまでお金には困って無いようです」

「そうか……」

グリモア司祭は唸るようにして悩むと治療師の少年がとんでもない提案を言い出した。

「あの猫ならどうでしょう?」

「た、確かにあの猫はどんな傷も病気も治せるがしかし…」


冗談じゃない!!勇者と一緒に旅なんてのんびりできないじゃないか。


俺が心の中でそんな風に叫んでいると


「今のグリモア司祭のレベルなら大抵の物は治療が出来ます。最悪治せないと言っても今なら誰にも権力の座から落とされることは無いかと」

「そうだな、しかし」

「猫の事は勇者にしっかりと話し。 勇者との繋がりを強固にしておけば大丈夫かと」

そう言って治療院の少年はグリモア司祭を後押しする。

「そうだな、あの猫も私に恩を感じて言う事をすべて聞いてくれる。それにいざとなれば力に物を言わせて言う事を聞かせよう」

そう言ってグリモア司祭は納得してしまう。


この爺、何つけあがってるんだ。俺は美味しい物が食べれるか協力しているだけで別に恩で動いてるわけでは無い。


そんな風にグリモア司祭の勝手な思い込みに俺は頭に来て猫の咆哮でもぶっ放してやろうかと思うほど頭に来ていた。

「で勇者はいつこちらに?」

「十日後です」



俺はその時、十日以内のここから出て行くことを決めたのだった。

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