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27 堕ちた

次の日無事子供は保護された。まあ、簡単に言うとゴロツキの一人が食べ物の買い出しに出た時に睡眠薬が入った食べ物を売ってゴロツキが寝るのを待って待機。寝た後は堂々と小屋に入って無事保護ってところだ。

ミザベル・コロミと愉快な取り巻きたちは、その後すぐに聖騎士団に捕えられ教皇自ら出向いて不正の証拠を見せられことで抵抗なく諦めてこの事件はすぐに終わった。


案外ことが簡単に進んでいくので俺は安心した。これでグリモア司祭が治療院の頭を辞める事は無くなって美味しいご飯が続けることができる。




「今回の事はありがとうございます。教皇様、ザーン侯爵、ロビン侯爵」

そう言ってグリモア司祭は頭を思いっきり下げる。

「いやいや」

「グリモア司祭、あなたは私に妻を助けてくれた。それの恩返しですよ」

そう言ってザーン侯爵とロビン侯爵は首を振って笑った。

一通り感謝の言葉が済むと教皇がグリモア司祭に尋ねた。

「グリモア司祭、あなたの知り合いに銀色髪の少年がいますか?」

やはり俺の事を聞くか、だが俺のことを知っている訳がない。聞くだけ無駄だ。俺はひそかに心の中で笑みを浮かべて何食わぬ顔でグリモア司祭の足元で寝転がっている。

「いいえ、いませんが。その少年が何か?」

「実は私の所にその少年がグリモア司祭を助けるように言ってきました。今回子供の居場所を教えてくれたのはその少年です。ザーン侯爵とロビン侯爵のところにも行っていますよね」

「ああ」

「来たぞ」

ザーン侯爵とロビン侯爵は返事をして椅子に座りなおし、教皇が質問を続ける。

「本当に知りませんか?今までの孤児院の出身でもいませんか?」

グリモア司祭は頭を傾げて

「ん~銀髪の少年なんていませんでしたね」

「そうですか」

教皇はそれで質問を切り上げ別の話を始めた。


「グリモア司祭、あなたは権力を持つべきだ」

「いきなりどうしたんですか。教皇様」

グリモア司祭は目を白黒させんがら聞き返しす。

「今回のことで分かるように、あなたのことを疎ましく思う者がいます。今回それが手を出してきました。これで全員が居なくなった訳ではありません。同じことがまたあるかもしれません。子供たちのことを守るためにもある程度権力を持つべきです。」

教皇の言葉に何か思ったことがあるのだろう。黙って教皇の言葉に耳を傾ける。

「有力な貴族と関係を持って後ろ盾を持つべきです」

「…努力はしてみます」

グリモア司祭はそう答えた。

「幸いあなたは治療院の頭です。有力な貴族と関係を持つ機会は多いでしょう。私たちもいつでも守れるわけではありませんから」

その言葉を最後に会話は終わった。



それからのグリモア司祭はすごかった。光魔法のレベルを上げ、色々な治療の仕事を受け貴族との人脈を作っていった。


そして五年後、グリモア司祭は子供たちを守れるだけの権力を持つことができ孤児院の子供たちを幸せに暮らしましためでたし、めでたし




にはならなかった。



グリモア司祭は権力の甘い蜜にやられ、堕ちた。簡単に言うと酒と女と権力に溺れた。お金は孤児院に送っているがグリモア司祭は孤児院に長い間帰っていない。


人間って欲望に弱いな。


ちなみにグリモア司祭は光魔法を聖魔法までレベルを上げ、俺が居なくても大抵の怪我や病気を治せるようになっていた。

ちなみに俺はグリモア司祭の近くで甘い蜜ならぬおいしい魚を食べている。ほとんど寝て一日を過ごしているいやはや理想の生活。





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