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26 そして翌日

俺は夜中のうちに猫に情報収集させるために、猫達に動くように頼んでおいた。たぶんここのボス猫に頼んだから、ここ一帯の猫が動くことになる。明日にはそれなりに有力な情報が集まっているだろうな。



朝になってグリモア司祭は教皇に治療院の頭を止めると言い、ひともんちゃくあるだろうから今日は治療は休みだ。俺は猫の報告が来るまでは昼寝だな。俺は久しぶりに屋根に上がってお昼寝だ。


そして夜、猫の報告を聞くと平民地区のスラム街の小屋に誘拐された子供がいるらしい。俺は実際に見に行って確かめる事にした。


猫の姿のまま俺は屋根をジャンプして……すでに飛んでいるなこれは…


俺の本気にジャンプで貴族住居区から、平民地区まで一っ跳びでたどり着いく。俺は猫に聞いた通りスラム街の小屋を覗いてみるとゴロツキ五人と少年一人が小屋の中にいた。


ビンゴ!!


俺は道を覚えると、その場から去りこの場所を教皇様、ザーン侯爵、ロビン侯爵へと伝えに行った。


そこから一番近いザーン侯爵家に着くと、俺は人化し、執事服を着ると仮面をつけた。俺はこの前来たように窓から侵入することにした。


俺は窓の縁に飛び降りるとザーン侯爵は剣を抜いて俺に向けていた。さすがだな、スキルを使ってないとは言え気づくなんて。


「なんだ、貴様か」

そう言ってザーン侯爵は剣を鞘に納めた。軍人と言うだけあって教会では見せなかった軍人の顔を見せる。


「見つけたよ、子供の居場所」


「どこだ?」


俺は机の上の紙とペンを拝借して地図を書きながら、

「平民住居区のスラムの小屋、ゴロツキが五人いたよ。はい、これ地図」

俺はそう言って書き終わった地図をザーン侯爵に渡し窓に向かって歩いて行く。

「それでは良い夢を」

「…貴様は何者なんだ。前回来たときは私を簡単に取り押さえ、話を聞く限り教皇様の所にまで護衛に気づかれず侵入しているようだが」

前回来たとき、いきなり切り付けられたから軽く倒したんだけどそれで、かなり警戒されている。


まあ、仕方ないな。殺そうと思えばどんなに警戒していても問題なく部屋に入り殺せる実力者がいれば警戒もするだろうな。


「気にしないで、グリモア司祭を助けることに集中してよ」

「貴様が助ければ」

「前回来た時も言ったよ。目立つのが嫌なんだって」

俺はそう言ってため息を付いて出て行った。これがもう一軒あると思うと憂鬱になる。


ロビン侯爵も前回来た時戦闘になったので軽く取り押さえたのだが、まあ類は友を呼ぶってことで二人とも対応がよく似ている。同じことをロビン侯爵に伝えると俺はさっさとそこから出て行った。


教皇の所に行くと、教皇は何かの書類を書いていた。


「こんばんは教皇様」

俺はそう言って窓から部屋に入った。

「こんばんは、仮面の使者さん」

「…なんだそれは?」

俺が聞くと

「あなたの名前を知らなかったもので適当に呼ばせていただきました」

そう言ってニカっ笑う教皇その笑顔は四十代男性が見せる物では無く、十代のいたずらっ子が見せるような笑顔だ。


俺はスルーして教皇が書いている書類に目を向け

「それは?」

「これですか、教会の膿みを排除するためのナイフですね」

そう言って書類をひらひらさせる。

「これによって今回の誘拐の主犯であるミザベル・コロミとその取り巻き連中を一掃します」

「お前最初っから分かっていて、そいつらを排除するのが目的なんじゃなかったのか?」

俺が尋ねると口の端を上げ笑って、肯定も否定もしないがたぶん肯定だな。

「だが、ゴロツキが捕まった所で切られるだけじゃないのか?」

俺に質問に教皇は

「だいじょぶです、脅迫状を送った者をつけさせて証拠は押さえましたから。それに」


こいつ最初からグリモア司祭をエサにするつもりだったな。じゃなきゃ脅迫状を送った奴の後をつけられる訳ない。俺が教皇に報告したのは送られた後だ。とんだタヌキだな


教皇は机を開けると書類を出していく。

「それは?」

「ミザベルと愉快な取り巻き連中の不正に対する書類です。これで退場をしてもらおうと思いまして」

「準備万端だな。嫌になるぜ」

「これくらい出来ないとここでは生き残れないので」

俺は白紙の紙にペンで地図を書き、教皇に渡した。

「ここの子供が捕えられている」

俺は言い終わると窓から外に出た。これでひとまずは安心だ。



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