20 俺の治療魔法は万能です
今回も少し少ないです。
俺は馬車の中でグリモア司祭の足元に目立たないように寝転がり、到着まで待った。
「気になったのですがグリモア司祭、何で猫を?」
グリモア司祭は適当に誤魔化すように
「そ、そうですね。まあ、召喚獣みたいなものと思ってくれれば……」
「そうですか」
ザーン侯爵はそこで俺に興味を無くしたらしい、この世界には召喚獣がいるとこの時初めて知った。
そう言えば俺は魔法やその当たりは全く興味が無くて調べなかったな。まあ、そのうち調べてみるか
俺がそんな風に思っていると屋敷にたどり着いく。俺はグリモア司祭の足元から退いて、ドアが開くといち早くそこから出て、グリモア司祭が出るのに邪魔にならないようにした。グリモア司祭が馬車から出れると俺はグリモア司祭の後ろについて行く。屋敷は全体的にレンガで出来ていて、余りにも緑が少ないので、自然が欲しくなる。
俺はグリモア司祭と共に屋敷に入ると、ここの主人の貴族が挨拶して来た。
「私の名前はロビン・アーノン侯爵だ。ザーン侯爵とは軍事学校以来の友達でね。まずは私の友ザーンを助けてくれてありがとう」
そう言ってロビン侯爵は頭を下げた。軍事学校と言うだけあって体はザーン侯爵と同じようにがっしりとしていた。
「いえいえ、そんなことより。奥さんを」
そう言ってグリモア司祭はロビン侯爵をせかした。
「そうか。すぐに部屋に案内する、妻をリリーナを助けてくれ」
そう言ってロビン侯爵は早足で奥さんがいる部屋まで案内する。すぐにでも見てほしかったのだろうが、いきなり治療を頼むのも失礼だと思って我慢していたのだろう。
俺はグリモア司祭と共にロビン侯爵の後について行った。部屋に入ると何とも言えない匂いが漂ってくる。俺たちはベットを見ると奥さんが寝ている。きれいな奥さんだ。聞いてた話とは違い、足以外に腕から肩まで壊死が進んでいた。これが胸にまで達したら手遅れだっただろう。
グリモア司祭は腕をロビン侯爵の奥さんにかざして
「光よ、この者の傷を治したまえ」
グリモア司祭の手が輝くが、やはり力が足りないようだ。
そう言えば俺の猫の癒しって病気に対して効果があるのか?まあ、当たって砕けろだ。
俺は足元に歩いて行き
「にゃ~おん(猫の癒し)」
俺はグリモア司祭の治療の光と紛れるようにして、リリーナを治療した。
結果は………
全て元どうりに治った。グリモア司祭に手を握り、ロビン侯爵は泣きながら礼を言っている。
「ありがとう、ありがとう。グリモア司祭」
「待ってください。まだ意識が戻っていません」
そう言ってグリモア司祭はロビン伯爵を落ち着かせ、リリーナの様子を見る。
「……ここは?」
リリーナは問題なく起きた。その途端みんなは騒ぎ、抱き合い、喜び合った。
「今夜はお祝いのパーティーだ。グリモア司祭も参加してくれよ」
そう言ってロビン侯爵はグリモア司祭の肩を叩いた。
俺の魔法『猫の癒し』は病気にまで効くらしい。万能だな。
今日は騒がしくなりそうだ。俺は黙って部屋から出て行った。
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