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18 猫の恩返し

教会での俺の一日は朝早く起きて朝食が終わるまで教会の屋根で日に当たりながら眠ることだ。朝は子供が起きて騒がしく、ちょっかいも出されることも多いので俺は朝食の時間が終わるまで教会の中には入らない。


子供たちが朝食を食べ終わる頃、俺は教会に中に入ってご飯を貰う。俺は食べ終わるとすぐに屋根に上り二度寝をする。そしてお昼は貴族の住居区から抜けて、屋台のおこぼれを貰うのだが肉料理がいいにおいをしてるが、猫状態だとお金が払えないから店主がケチでくれないのだ。


いつか食ってやる


俺はそんな野望を胸にお昼を食べ終わり、俺は貴族の住居区に戻り教会の屋根で日が落ちるまで昼寝をする。


そして夜、俺は子供たちを避けて子供たちより先に晩御飯を貰い、シスターイザベラのベットの下で眠る。これが教会に来てからの俺の生活リズムだ。三食と昼寝付の生活だ。素晴らしく理想的な生活をしている。


俺はそんな生活が続くと思っていたが、事件が起こる。グリモア司祭が光魔法で治療した貴族の容態が悪化したらしく使者が来て文句を言いに来た。話を聞く限り三日後に来るまでに治療が出来なかったら孤児院を潰すと言ってるらしい。


「待ってください。子供たちには何の非も」

「うるさい、そんなに大切ならご自慢の光魔法でどうにかしてみろ!!」

そう言って貴族の使者は去って行った。


「グリモア司祭……」

シスターイザベラが心配そうにグリモア司祭を見つめる。グリモア司祭は心配が無い様に微笑み

「大丈夫だよ、心配しなさんな」

そう言ってシスターイザベラの肩を叩く。そしてグリモア司祭は自分の部屋に入っていった。三日三晩飲まず食わずでグリモア司祭は光魔法の修行をしていた。


そして三日後、俺はグリモア司祭のステータスを覗き見ると



グリモア・アルフレッド

レベル20

HP1500(-500) 

MP2800


STR(攻撃力):694(-123)

DEF(防御力):754(-53)

INT(賢さ):1000(ー200)

AGL(素早さ):325(ー35)

DEX(器用さ):250(-32)


所持スキル


棒術2

生活魔法

光魔法4

料理2

祈祷2


こんな感じになっていた。三日三晩頑張ったかいがあったかは知らないが光魔法は4になっていた。ステータスにマイナスが入っているのはたぶん、疲労と年齢だろう。


そして噂の貴族が来た。体は意外とがっしりしているが、顔は苦痛に歪んでいた。腕と足が膿んでいて素人目で見てみてもかなり危険な状態だと見て取れる。


グリモア司祭はその男をベットの上に乗せると

「さあ、直してくれ」

従者がそう言ってグリモア司祭に迫る。グリモア司祭は静かに深呼吸して患部に手をかざし呪文を唱えた。

「光よ、この者の傷を治したまえ」

グリモア司祭に手に光が宿り患部を癒すが、完治することは出来ないみたいだ。それでも少しずつだが治っていくが、たぶん腕の患部を治したところで魔力が尽きるだろう。グリモア司祭は額に汗を浮かべて顔を苦しそうに歪めていた。このままでは


「グリモア司祭、治せなかったら孤児院の援助金は無くなるからな」

グリモア司祭の魔力が0になったが、まだ光魔法が続く。体力ゲージが減りだした。


まずい、このままじゃ死ぬぞ


おせっかいとは言え怪我を治療してもらい、ここに住まわせてもらってるんだ。このまま見捨てるの昼寝の目覚めが悪くなる。俺はグリモア司祭の肩に飛び乗り、


「にゃ~おん(猫に癒し)」


その瞬間貴族の傷が全て消えた。


「これは……」


グリモア司祭は呆然と直した貴族を見て、そして俺を見た。

「おおありがとう、グリモア司祭!!」

そう言って従者はさっきとは違ってグリモア司祭にキスをしかねない勢いでお礼を言う。どうやら、この従者は別段悪い奴ではなく、ただ単にこの貴族を慕っていたみたいだ。その思いが暴走したのだろう。


従者は貴族を連れて帰って行った。これ一件落着かと思った。



次の日もう一度あの貴族が訪ねてきたのだ。

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