16 俺は教会の猫になる
俺は体が温まるのを感じて目が覚める。まだ、朝日が昇ったばっかで起きている人は少ないみたいだ。俺は屋根から飛び降りると朝ごはんをどうするか考えた。
ここじゃ、野良猫にえさを与えている人はいなさそうだしな。さてどうするか……人間の姿になって買うのが一番手っ取り早いかな。
俺がそんな風に考えていると猛スピードで走っている馬車がいたので俺は壁際に走って避る。
全くなんて速さで街中を走ってるんだ
と思った瞬間俺に向かって石が飛んできた。馬車の車輪が石を弾いたのだ。俺はそんな事には気づかず石が俺の頭に直撃する。
「にゃ~~(いって~)」
俺は思わず叫んでしまった。普通の猫なら即死だ。見た目は軽くかすり傷程度だ。俺がステータスを開いて自分の状態を確かめる。
久我 黒彦 (オズワルド)
レベル70
HP343000/345000
MP456000
STR(攻撃力):3500
DEF(防御力):8750
INT(賢さ):23487
AGL(素早さ):496200
DEX(器用さ):2500
猫の咆哮
猫の癒し
寿命延長
異世界言語
異世界言語(人)
異世界文字(人)
鑑定
暗視3→4
気配遮断3→4
気配察知2→4
速さ成長値上昇1→3
本能1→3
隠蔽5
アイテムボックス5
危険察知5
毒耐性5
フレッシュ
魔力操作1→3
人化
久しぶりに見るステータスはマイナスがいつの間にか取れて、レベルとスキルが上がっていた。さっきの石で2000ダメージ受けたようだ。まあ、そりゃそうだ石が人の体にあのスピードでぶつかったら当たり所が悪かったら死んでいたな。
俺はどっかの路地裏に入って猫の癒しを使おうとしたが誰かにひょいっと持ち上げられる。
なんだ?!
俺が後ろを振り向くと白い服を着た初老のおじさんがいた。おじさんは俺を抱き上げ傷口に手を当てて
「光よ、この者の傷を治したまえ」
その瞬間俺の傷が無くなった。魔法だ。初老のおじさんは俺を抱えて教会に入っていった。
「まあ、どうしたんですか。その血だらけの猫は?」
そう言ったのは金髪でシスター服に体を包んだ二十代の女性だ。
「シスターイザベラ、この猫の傷は私の光魔法で治したから大丈夫だ。血を流すために水を持って来てくれないか。それとこの猫のエサと寝かせる場所を用意してくれ」
「はい、分かりました。グリモア司祭」
そう言ってシスターイザベラは出て行った。
見つかった。あまり騒がしくなくて静かで三食昼寝付のところと、それは教会だ。俺は教会で暮らすことに決めたのだった。