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樹海に落ちた時に枝や葉によって落ちる衝撃はそこまで無かったので怪我をすることも気を失うことは無かった。俺すぐに鳥の足から逃げ出した。なぜならー
ガアアアアアアアアアアア!!
背後からドラゴンが追ってきていたからだ。ほかの鳥は上空を飛び続けて落ちたのはこの鳥一匹だけだ。群れから離れた一匹を狙うのは動物の狩りの様子でよく見られる。背後の木々がガサガサと音を立て突風が吹によってさらに木々が騒ぐ。それと同時に背後から鳥の姿と鳴き声が遠くなる。ドラゴンに連れてかれたのだろう。可哀想に夜にはドラゴンのお腹の中だろう。
木々を伝って俺は急いでその場から離れる。鳥と一緒にドラゴンの晩ご飯になるのはゴメンだからな。
さて、俺は街へと行くか。まだ山を超えたばかりなので、たぶん山の中にいると断言してもいいだろう。俺は街までの遠い道のりを考えると憂鬱になる。
ドラゴンから早々に逃げた俺に何かが襲いかかってくる。別に枝に飛び移りことによってそれをかわした。
くっそ、今度は何だ?!
心の中でそんな風に悪態をついて、先程まで俺が居た枝に体を巻きつけて俺の事を見つめている蛇がいる。太さは俺の体の二倍くらいありそだ。長さがどれくらいあるかが分からないが、かなり長いだろ。蛇の口がカエルのように横に少し膨らみ、何かが吐き出される。吐き出されるのには予備動作があるので、それを見てから避けるのは余裕だった。
予備動作を見てから避けるのは余裕だ。
さっきと同じように跳んで避ける、出来るだけ滞空時間を短くするために後ろに低く飛んで別の木に飛び移る。さっきまで俺がいた木が溶ける。胃酸を強力にして吐き出しているんだろうか、あれは。
あれ?蛇は? いない、どこ?ん?!
蛇が吐いた毒液に気を取られてるうちに背後に回り込まれ、俺の体に蛇の体が巻きついてきた。
「ニャアア(ぐ、ぐるじい~)」
蛇が俺の体を締めてくる。俺だからこれで済んでいるだろう。普通の猫なら骨が粉々で内蔵が潰れて口から血を噴き出してとっくに絶命してる。
メキメキ。
体の骨が音を軋む。このままだと俺も圧死してしまう。だがその前に………
蛇が俺を丸呑みにしようと口を大きく開けて近づいてくる。蛇があんなに大きく口を開けられるのは二段階顎を外してるだからそうだ。こんなに大きく口を開けられたら圧死する前に丸呑みにされちゃうだろう。体をバタつかせて締めつけから逃げようとするが、さらに強く締まるだけだ。
「ニャア(くっそ。)精霊よ、この蛇を燃やせ!!」
精霊魔法で蛇を攻撃したが、蛇は一瞬驚いただけで大したダメージが入ってない。俺の精霊魔法のレベルじゃダメージを与えられないようだ。
「にゃ?!にゃあああああああああ!!」
さっきの攻撃が煩わしかったのか、蛇はこれ以上小賢しいことが出来ないようにさらに体の締めつけを強くする。俺は苦痛のため悲鳴が上がる。
ボキッ!?
そんな音が俺から鳴り響く胴回りの骨が折れた音だ。痛みの余り暴れているとほぼ目の前と言っていいほど蛇の口が近づいていた。痛みを堪えて俺は蛇に攻撃を放った。
「にゃああああ(猫の咆哮)」
目の前から蛇の頭が消え去る。自分の体を締め付けていた蛇の体を前足で押しのけて隙間を作っり体を引きずるようにして蛇から抜け出し、蛇の体を伝って地面に転がり落ちる。
「いつ~はぁはぁ。にゃ~おん(猫の癒し)」
体が光に包まれ、折れた骨が元通りなる。
急いでここから離れなくちゃ。
俺は肋骨が折れた痛み余韻を無視して、その場からすぐに動いた。俺が先ほど猫の咆哮で吹き飛ばした蛇の体から血が噴き出し地面を真っ赤に染めている。この前の森で見つけた血を吸うコケは無いが、血の匂いに誘われて何が来るか分かったもんじゃない。ここにいる魔物は随分と強い、すぐにその場から離れる。
自分の体がこんなふうに傷つけられるとは思っても見なかった。ここにいる生物の強さは異常だぞ。一体レベルいくつだよ。辺りが暗くなってきている下手に動くことはやめて、俺は地面にいるのをやめて木々上って体を隠すことに決めた。このまま暗い中を歩いても危険しかない。
俺はそこで寝ることを決めた、しかし………
「くっそ」
俺は森の中に姿を隠しながら、逃げ回っていた。夜は夜はで別の魔物に追われている、フクロウのようなものからネズミまで襲いかかってくる。夜に姿を隠ししても意味が無いようだ。そしてネズミといっても普通のねずみではない。群れで数百匹単位で襲いかかってくる、この島を沈める気でやれば倒せなくてもないが、島を沈めるのは避けたい。威力調整が出来ないのがここまで大変なことになるとは思いもよらなかった。今も眠ることも出来ずに森の中を逃げ回っている、もうどっちに向かえばいいかも把握できていない。
「ハァハァ」
まともに食事も出来ず、一日中走り回って体力がどんどん削れてくる。俺が求めていた日々から随分とかけ離れた状態になったもんだ。そんな風に心の名で苦笑しながら襲いかかってくる魔物から逃げたり倒したりした。空を飛んでいる敵なら空に向けて猫の咆哮を放てるから、排除する楽な敵だ。だが地面にいる敵はそうも行かない特に敵が広範囲で広がっている場合この島を沈める覚悟でやることになる。
海に落ちるよりは地に足が付いてるほうがいい。
この森の中にはモンスターの種類によっては俺より早いスピードの奴までいる、とんだ化物の巣に落ちたよ。
いくつかのモンスターを倒したことでレベルが上がったのだが、それでも戦うにはレベルが足りない。レベル上げをするために足を止めたらネズミに囲まれて殺されるだろう。常に走り回らなければいけない状況に追い込まれてる。俺は朝が来るまで走り回ることになった。朝になるとさすがに俺を追いかけるのをやめて、ねずみはどこかに消えてくれた。さすがにあんなのにこのままずっと追い回された死ぬ。すでに寝不足で少し思考が鈍る。俺は眠気覚ましと体力回復のために精霊魔法で水を生成すると自分の口に流し込んだ。
「生き返る~」
水で口を潤すと腹を満たすために食物を探した。何か動物を捉えようかと探したが魔物しかいない。木の実、果物を探したがそんなものが木になっていない。最悪毒物でも毒耐性があるから毒ごと食べて問題は全くない。しかし食うものも無いとは。後、街を確認して出来るだけそっちに逃げるようにしなきゃ。たぶん山と太陽の位置を考えるとこちらに行けばいいと思う。俺は進むべき方向を確認すると、魚を求めて木の上から魚を探した。だが見つけることは出来なかった。早めに食べ物を見つけなければ、まだお腹に少し余裕があるが食べなくて大丈夫なのは一週間ぐらいだろう。
俺の見通しは甘く。二日目で体が動きが鈍くなる。この小さな猫の体では蓄えられるエネルギーが少ないようだ。体が小さいんだから消費するエネルギーも少ないと思うんだけど、やっぱり動き回ってるからか?寝たきりの時は少し余裕があったんだけどな。あっちの方は寝ている分ましかな?眠気で意識が朦朧として判断速度が鈍っているし。
そんな俺に幸運が訪れる。瀕死の狼のような魔物に出会う。俺はやっと会えた食べ物に目が冴える。俺はすぐに狼のような魔物に食らいつく。食らいつくと狼のような魔物は暴れだすが俺は無視して肉を食いちぎる。俺はもう一口食いちぎる。
ガクンッ!
一段狼の高さが下がる丁度前足がなくなったみたいな感じだ。俺は一瞬このまま肉を食おうとしていたが、口を止めて何があったか見た。
見ると狼のような魔物の足が無くなっていた。別に無くなっていただけなら問題がない。黒い何かが狼のような魔物の体を覆っている。しかもすごい勢いで侵食している。俺がいる所まで黒い何かが迫ってくる。よくよく見るとそれは虫だ。大量の虫が狼のような魔物に食らいついていた。足が無くなったのはこの虫に食われたからだ。俺はすぐにその狼のような魔物からすぐに離れたが、時遅し。俺の後ろ足にくっついてしまった。後ろ足の虫を伝って俺の足へと登ってくる。
「うにゃああああああああああああああああああああ」
足先から虫に食われてくることが分かる。俺は痛みのあまり悲鳴を上げる。生きたまま食べられることがここまでの苦痛とは思わなかった。すでに俺の太ももまで食べられ始められてる。このままじゃ俺の体を全部食われることは明白だ。痛みと自分が生きたまま食べられていく恐怖と混乱の中俺は猫の咆哮を放った、自分の食われてる足に向けて。
「ッーーーーーー!」
声にならない悲鳴を上げながら体を地面に落とし転がりまわる。あのままだと俺の体は足から全部食われて死んでしまう。もう手遅れな足ごと捨てるしか方法が思いつか無かった。足を捨てても猫の癒やしで元通りにする事ができる。あの刹那の時で判断して実行したのだった。
「にゃぁ、にゃぁおおおおおん(猫の癒し)」
猫の癒やしで足が元通りになるが、痛みは消えず悶絶していた。
「こ、これなら痛み耐性も取っておくべきだったかな」
俺は笑にならない笑みを浮かべて、足を引きずってその場から急いで移動する。痛みのあまり後ろ後ろ足がまともに動かなかったから、木に飛び移ることも出来ずに地面を歩いていた。
どれくらい歩いたのだろうか、いつの間にか山を下っており樹海に移動していた。俺は山を下りれたことで気が抜けたのが原因なのか意識が遠のいていく。足の痛みと飢えそれと寝不足が原因だろうか?
もう、ダメだ
意識が遠のく俺の耳に何かが近づいて来る音が最後に届いた。




