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130 森の中

俺はハット目が覚める。月の優しい光が降り注いでいた。体の節々が痛い。その痛みで俺は現状を意識する。

そうか、俺は船を投げ出されて海に……よく生き残ったものだ。普通なら溺死だぞ。

ゆっくりと体を動かしてあたりを見回す。近くには木々がそびえ立つ森がある。確かにエルフの村にも森があったが、あれとは違い暗い森だ。ジメジメしていて入るのははばかれる。

取り敢えず、体の痛みを無くすために猫の癒しを使った。



「さて、これからどうするか……」


ぐぅ~


その俺の質問に答えるように俺のお腹が鳴る。辺りが夜なののを見ると最低でも八時間は何も食べていないことになる。


「確かアイテムボックスにまだ食物があったはずだ」


俺は地面にアイテムボックスを展開させると、前足を突っ込んで俺は何かを出した。俺が出したのは鳥だった。たぶんこれはエルフの森で取った鳥の残りだ。


「今日の晩御飯はこれだな」


俺は砂浜近くの適当な岩の上に鳥を置くと生のまま鳥を食べ始めた。火を使ってもいいのでが、森から何を呼び寄せるか分かったものではなかったからだ。スキル気配察知で森の中から多くの生物の気配を感じる。

倒せないとは思わないが食事中に来られては迷惑だ。


俺は邪魔な毛を口で取って地肌に食らいつく。アイテムボックスに入れておいたことで、取ったままの状態が保たれているから、生暖かい血が俺の喉の渇きを癒す。そこで初めて自分が喉が渇いていたことに気づく。俺はそこから吸血鬼のように血を吸い出す。


「ぷはぁ~………まず探すのは水だな。水分が無ければ1日生きられるかどうかの話になってくる。いや最悪精霊魔法で水は出せるか……なら川だな川の付近には生き物がいるはずだ」


俺は一旦鳥から口を離して、自分の思考をまとめるために口を出す。


「川の付近なら集落もあるはずだ」


俺はそこで肉を口にする。胃にお肉を送込む。


「そこから船で魔族の国かどこかへ移動するか、それとも……」

俺は残っていた全部のお肉を口に含むと同時に考えることをやめた。

「考えるのはやめだ、もう寝よう。体力を使いすぎた」

腹を満たしたことで、眠気が襲ってきたのだ。これ以上思考してもまともな思考は難しい。俺はそのまま移動せず眠りについた。



翌日目が覚める。俺は改めて周りの状況確認する。明るい太陽の光があたりを照らす。海を見渡しても近くに船や島のような物はどこにも見えない。


「となると森の中を行くしかないか………」


俺は森の方を見た。いかにもジメジメしていて、不気味な森が出来ていた。木々が生い茂って地面に太陽の光が届かない。正直このジメジメした所は入りたくないな。外を回って行くのも考えたけど……


「問題はこの島の大きさだ。島が大きすぎて外回って行くのに時間がかかる。やっぱり川を見つけ出してそれを辿るか」


俺は砂浜に沿って歩き川を探した。途中精霊魔法で水を生成して、喉を潤しながら川を探す。歩いて一時間ほどで川を見つける。正直このまま1日見つからなかったどうしようかと思っていたところだった。


俺は川に沿って暗い森の中に入っていった。砂浜とは違い太陽が殆ど入らない森は涼しかった。地面は思ったよりジメジメはしていなく、コケが地面を覆っていて、ふさふさと歩くたびに音を立てるのだった。森の中を歩いて人の痕跡を探す。そんなことをしていたらお腹がなる。朝ごはんを食べずにこんな時間まで歩いていたらお腹をなるだろう。俺は川を覗き込んで魚を探した。川は澄んでいてすぐに魚の姿を見つけることができた。俺は慎重に川の中に入ると浅瀬で魚が前足に届く距離まで近づいてくるのを待つ。最初は俺が入ったことに驚いて逃げていた魚が戻ってくる。俺は自分に一番近くの魚に目をつけて、ゆっくりと待つ。


よし、この距離なら俺は前足を魚で弾く。魚は綺麗な弧を描きながら川から姿を出すと地面に落ちた。俺は地面でピチピチと跳ねている魚を俺は口で咥える。その時俺が噛んだ事で魚に傷が出来たのか、地面に血が一滴垂れる。



ポタっ



その瞬間地面がめくれ上がり触手が襲いかかってくる、俺は驚いて魚を口から落としながら地面を蹴って木に飛び乗った。触手は血が滴る傷口へと突き刺さる。驚きの余り言葉も出なかった。



ゴクゴク 


実際そのような音はたっていないが、そのような音が聞こえるような風景が目の前にあるのだ。触手だと思ってみたものは植物のつるだった。一定の広さのコケがめくれて、その下からつるが出ているのだ。

魚はビチビチと抵抗するが丘に上がっているので、抵抗も虚しく血をどんどん吸われていく。五分も経つと魚は動かなくなる。コケは自分の上で動かなくなった魚をツルで自分の中へと引きずる込んでいく。その光景を黙って見ていることしか出来なかった。



「……これは下手に植物にも触れないな」


恐る恐る俺はさっきのコケの上に降りた。このコケは自分に落ちた血に反応しているみたいだから、血さえ落とさなければ大丈夫だと言うことは、さっきのことで分かった。さっきと同じように魚を取ると、俺は木の上に飛び移って食べた。木に血が付いたとき、コケのように木も襲って来るかと構えていたが、そんなことなく、何も無かった。木の上で魚を食べ終わると自分の体にフレッシュの魔法をかける。魚の血が自分の体に付着して、それが垂れたとことでコケに襲われるたなんて事になったら冗談にもならない。


俺はコケの上に降り立つと川に沿って登っていく。森は砂浜から遠くになるにつれて森から樹海になっていく。森が樹海に完全に変わった瞬間、空気が変わったことが肌で伝わる。ここからは何かが変わる、俺は確信して思えた。正直夜通し歩いていたかったが、この空気で歩く気にはならず木の上で寝ることにした。俺はお昼と同じように魚を取ろうと川に手を前足を伸ばした。その途端川から何かが飛び出す。俺は腕だけでなく体まで川からすぐに遠ざけた。出てきたのは頭が鋭く尖ったワニのような顔と牙そして体。ワニと似たような体と言うことは、陸でも動けるということだ。このワニみたいなのは俺を食べることを諦めていなく、襲いかかってくる。確かのこのワニみたいな体なら陸には上がってこれるだろう。だけど



ポンッ!


木の上には登ってこれないだろう。俺は総考え地面を蹴って木の上に登ったのだ。さすがにあの短い足では木には登ってこれないようで、俺がさっきまでいた地面に突き刺していた鼻を抜いて木を登ろうとしていたが、無理なことが分かるとワニもどきは川の中へと戻っていた。


「そんなに警戒することは無かったかな」


気を抜いた瞬間、水からすごい勢いで何が俺飛び出てくる。咄嗟に木から飛び降りた。背後には先ほどのワニもどきが、俺が乗っていた枝を折って木に鼻を突き刺していた。


「水の中で勢い付けて飛んでくるとは思わなかった。けど……」

俺は笑みを浮かべてワニもどきの有様をみた。ワニもどきは鼻が木に刺さりっぱなしで、抜くことができずどうにか抜こうと暴れまわっていた。俺は地面のコケを火の精霊で一掃すると、ワニもどきの所までジャンプで上がると前足で地面に叩きつける勢いで殴った。地面は綺麗に赤く染まる、ワニもどきの血だ。俺はこの血のためにあらかじめコケを燃やしておいたのだ。

「今夜の食事はワニもどきの肉だな、一体どのような味……」

俺はワニもどきのお腹に食らいつくと、ゴムのような感触に鳥の胸肉のような味が口の中に広がった。正直お肉は魚より美味しいとは言えなかったが、贅沢は言えない。俺は肉を食いちぎり腹に放り込む。

取り敢えず、腹に入ればなんでもいいや。俺は味を考えずに腹を満たすことだけを考えた。






食い終わると俺はすぐにワニの死体から離れた。血の匂いで何が来るか分からないからだ。俺はそこからかなり遠くまで歩いたところで俺は眠りに入った。









これからどんどん主人公不幸になります (((・ω・)))

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