新たな仲間
「すみませんでした」
THE・土下座。
俺は現在全力で土下座していた。
「ボクもう・・・お嫁にいけません・・・」
といってシクシク泣いているフィーに対してである。
「すみません。女の子だと思わなかったです。顔が見えなかったんでてっきり男だと・・・」
「女の子に見えなかったんだ・・・胸ちっちゃいから・・・」
「いやそんなことは・・・」
どうみてもCぐらいはある。
ただ単にブカブカのパーカーを着ていたので、気づかなかっただけだ。
「いいんだ・・・女の子っぽく無いのはわかってたもん・・・」
「いや、まさかボクッ娘だとは・・・」
「シクシク・・・」
えーっと・・・どうすりゃいいんだ?
・・・そういえば、お腹減ってるっていってたな・・・
魚買ってくるか。
*
俺は魚を買って来た。
「おーい」
「シクシク・・・」
「いいものあげるから・・・許して下さい」
「・・・コンドームですか?」
「うん、フィーのなかでの俺の評価は酷いみたいだな。ちがうぞ?食い物だぞ?」
「食べ物!?」
食べ物と聞いた瞬間目が輝いた。
どんだけ飢えてんだよ。
俺は魚を取り出し「魚にゃぁぁぁぁぁ!!」瞬時に奪い去られた。
フィーはそのまましばらく魚を頭上に掲げて走りまわっていたが、途中で俺の愛でる視線に気づいて赤面して「・・・取り乱しました」といった。
取り乱すと猫語になるらしい。
「別にいいよ。食べ「ご馳走様にゃー!」早くない?ねえ早くない?」
何時の間にか食べ終わっていたようだ。
フィー、恐ろしい娘!
「・・・美味しかったです。疑ってすみませんでした」
「そか。じゃあそろそろ風呂「イヤにゃ」猫語になるほどイヤなのかよ!?」
早い!まだ風呂しか言ってない!
猫語になるほどイヤらしい。
「ボクのニオイが消えるからイヤです!」
「理由がTHE・猫だよな・・・」
「猫じゃないです!獣人ですよボクは!」
「一緒じゃん?」
「一応、人ですーーー!!」
「じゃあ、文化的生活を送るためにも風呂に入ろうか」
ふっふっふ。追い詰めたぞ。
「う。でもでもっ」
「なんだよ?」
「絶対覗きにきますよね!?」
なん・・・だと・・・?
そんなの・・・
「当たり前じゃないか!」
「潔い!?」
「猫耳ボクっ娘美少女の入浴だぞ!?これで覗かない奴は男じゃない!」
「凄い!言ってることはただの欲望のカミングアウトなのに何故か男らしい!?でも却下です!」
「何故!?」
「見られるのわかってて入る人はいませんよ!」
結局、近場の銭湯にフィーが入ってくることで決着した。
*
「ただいまですー」
「おかえりー」
フィーが銭湯から戻ってきたので、明日からの話し合いをする。
「フィーってさ、何才なの?」
「16ですよ?」
「同い年かあ・・・」
「嘘っ!?同い年だったの!?」
「ああ。タメ口で構わない」
「へえ・・・年上かと思ってたよ」
「なんで?」
「スケベだから」
「返す言葉もございません」
「フウトはエッチだよ!」
「男の性だ!」
「むう・・・」
「ところでさ」
「なに?」
「明日から勇者ギルドで以来受けてくるけど・・・勇者カードもってる?」
姿がこの世界の人間と違う。
ならば、もしかしたら・・・勇者かと思ったのだ。
「もってるよ?」
「フィーも異世界人か・・・」
「え?違うよ?」
「へ?」
「異世界から連れてくる勇者は規格外だけど、ふつうの人だって申請すれば登録出来るじゃん?」
「そうなの!?」
「っていうか・・・異世界からフウトはきたの?」
「そうだ」
「じゃあ強いんだ?ランクは?」
「F」
「うそ!?」
「何故か鳴らなかった」
「スキルは?」
「アンリミテッド」
「なにそれ?」
「限界が無くなる」
「え。強いじゃん」
「そうなんだよなあ・・・」
「・・・故障してたのかな?」
「だよな・・・」
「じゃあ、ボクとパーティーを組もう」
「ああ。ランクは?」
「D」
「あんまり強く無いんだな・・・」
「スキルはナイトウォーカーだった」
「そのまんまか・・・」
こうして、新たな仲間が増えた。