謁見
更新おくれましてすみません。
今回は短いです。
王都。
そこはあらゆる人が集まる商業都市。
俺とリオはそこへやってきていた。
ここで王様に謁見し、勇者登録するためだ。
・・・が。
「ふむ。このモフモフした甘いやつとても美味しいですね」
ちょうど夏祭りとかぶっていたせいで二人して満喫していた。
最初きた時にリオが
「私達の目的は、フウトさんの勇者登録なのですから、素通りしましょう」
といっていた。
・・・お面とヨーヨーときんぎょとりんご飴を持っていたが。
「綿あめな・・・まあ、美味いけどさ
あ・・・」
「?」
「三つは食べ過ぎ」
「な!?」
すでに三本の綿あめが犠牲となっていた。
「ですがそういうフウトさんだって・・・」
「射的荒らしは鬼畜です!」
俺は両手いっぱいに賞品を抱えていた。
・・・え?屋台が見当たらないって?
まあ、店じまいを余儀なくさせられていたからねえ。
だって一つも残らなかったし?
・・・実は輪投げも荒らしまくったりした。
最後のほうとか店主泣き崩れていたし。
若干、やり過ぎた気がしなくもない。
「・・・あーーーっ!」
後悔の念に打ちひしがれていると、いきなりリオがさけんだ。
「・・・どうしたの?」
尋ねるとリオは焦ったようすで
「謁見可能時間があと十分ちょっとしかないですー!」
「ぎゃあああああああ!?」
マジかあああああああああああっ!!?
俺たちは急いで王城へと向かった。
*
「・・・で。何か言い訳はあるかの?」
「「こいつが悪いんです」」
あのあと。
お面をつけて爆走する二人が門番に通してもらえる訳もなく、咎められた。
が。
だがしかし。
殴り倒すことにより事なきを得た。
その後もわらわらと集まる雑兵を蹴散らしながらも謁見室にたどり着いたが待っていたのは山のような量のお小言だった。
その後、責任のおしつけあいになり・・・
現在にいたる。
「そもそもリオがお面を外さないから・・」
「いや、フウトさんが門番を殴ったのがいけないんです!」
「ああ?お前だって蹴っただろーが」
「フウトさんだってノリノリでお面つけてました!」
ぐぬぬぬ・・・とにらみ合う俺ら。
ぎゃーぎゃーぎゃーぎゃー。
あーだこーだ。
「ええいっ!うるさいぞお主ら!」
「「すみみません」」
あまりにもうるさかったので王様がついにキレた。
キレる三十。
「・・・おい。そっちの男のほう。いま凄く失礼なことを考えなかったか?」
「滅相もない」
なぜわかった。
ただのデブではないということか・・・。
「ふん。まあよい。面倒くさいし、そろそろ始めるぞ」
「シイヤフウト。拝命します」
「リオ・アルケイル。拝命します」
こうして謁見がはじまった。