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王都へ

土木工事(笑)をした帰り道。

俺は凄い勢いで近づいてくる物に気がつき、思わず足を止めた。

理由?

それは・・・その。なんというか・・・

殺気のレベルが・・・ね。



鬼とか龍のレベルなんだよね。



虫くらいならあびるだけでしにそうなレベルの殺気を放つ『それ』は、真っ直ぐ俺に向かって突き進んできた。

まあ。


つまるところ。



リオなんだけどな。



「正座」

やってきたリオはいきなりそういった。

「え。いや下・・・岩なんだけど?」

下には服くらい貫きそうな鋭利な岩がゴロゴロしていて、正座などとてもじゃないができやしない。できやしないんだけど・・・

「正座」

しかし相手はリオver.バーサクだ。

正論は通用しない。

「いや・・・だから・・・・」

諦めずに食い下がるが

「正座」

無言の重圧が半端じゃねぇ。

「・・・・・」

逃げていいすか?

「正・座」

「・・正座・・・します・・・」

俺は耐え兼ねて、正座した。

岩のトゲトゲが新手の拷問器具となっているような気がしなくもない。

「な・・・何を・・・?」

尋ねると、リオは笑いながら言った



「石畳みって知ってます?」



俺は恐怖で凍りついた。


数時間後。

俺は痛む足をさすりながら道を歩いていた。

王都へと向かうためだ。

あのあと。

ひとしきり拷問を受けたあと、今回の働きによって手に入れた金で村を出発した。

・・・え?何で金が手に入ったのにおこられたのかって?

それは・・・



あそこって固有種の魔物(害無し)がいたらしいんだけど・・・絶滅しちゃったっぽい。

主に俺のせいで。



「何気軽に生態系いじっちゃってくれてんですか!?馬鹿ですよねアホですよね間抜けですよねそうですよねそうなんですよねゼッタイ!!」

と酷くなじられるのも仕方ないレベルである。


「ところでリオ」

「なんですか?」

ずっと聞きたかったことなのだが・・・

「魔法ってないの?」

この世界にきてからというもの、魔法をひとつもみていないのだ。

異世界なのにである。

「魔法?魔術のことですか?」

・・・どうもこの世界において魔法は魔術と呼ばれているようだ。

「そうそう。魔術。魔術ってどうやるんだ?」

「呪文を唱えるんですよ」

なるほど。だいたいイメージ通り。

「魔術についてくわしく教えてくれないか?」

そういうと、とたんにリオが胡散臭そうな目を向けてきた。

「・・・フウトさんが自らなにかやろうとしているだなんて・・・なにをたくらんでいるんですか?」

そこまで言うか・・・?

がしかし、たくらんでいるのは事実だ。

「魔術つかって楽に魔物倒したい」

「無理だとおもいます」

「なんで!?」

「邪念のある人には使えないので」

「えー・・・」

駄目じゃん魔術。つかえねー。

じゃあもう一個。

「スキルってあるの?」

「ありますよ?」

よっしゃ!

「どうやれば確認できるんだ?」

俺は気になって聞いてみる。

「王都に行って、鑑定を受ければ見られます」

「誰でも見れるわけじゃないのか・・・」

「一般スキル『鑑定』があれば見れますけどね。持っている人はほとんどいませんから」

「一般スキル?」

「はい。スキルには二種類あります。一つは誰でも持っている可能性のある『一般スキル』。もう一つはその人個人しか持てない『ユニークスキル』。基本的には一人につきそれぞれのスキル一つずつ計二つのスキルを持っています」

「基本的には・・・ってことは例外があるのか?」

「はい。勇者の内の数人は一般スキルが複数ある場合がありました」

へえ・・・そうなのか。

・・・ん?ちょっとまて。

「勇者ってたくさんいるのか!?」

「はい。毎年一人異世界から召喚されます。そして王都にある勇者ギルドで勇者ライセンスをもらうんです」

「じゃあリオは・・・」

「勇者登録をするまでの付き合いですね」

なんてこった。いつまでもいてくれるわけじゃなかったのか。

「そうか・・・さみしくなるな・・・」

「そ、そうですか?」

「ああ。なんだかんだ助けてもらったしなあ・・・」

怖いときもたまに・・・いや、結構あったけど。

「大丈夫です!死ななきゃまた会えます!」

「・・・そっか。そうだよな・・・」

その後はなんだかしんみりしてしまって二人してだまって歩いていた。

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