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特訓その1vr,フウト

新作投稿の関係でとてつもなく遅れました・・・。


特訓メニュー考案会の次の日。

俺ことフウトは・・・



「そこっ!甘い!!」

「ごふぉお!?」



講師役のお姉さん・・・エリ・スカーレットにでっかい戦鎚でしばき倒されていた。



ことの起こりは今朝に遡る。

魔王曰く俺にたりないのは技術ならしい。

確かに俺は今までずっと力まかせに戦ってきたからね。

そのため、俺の特訓内容は


「ふん。お前が勇者か。軟弱そうなやつだ」


赤い髪に勝ち気なつり目。体型はボンキュッボンな鎚の教師、エリ・スカーレットさんに任されたのだ。任されたというよりは丸投げといった感じだが。

・・・あ、ちなみにスカーレットさんは戦闘のエキスパート、鬼神族だ。頭に角が一本生えている。

スカーレットさん(以下師匠とする)は俺のことをみるといきなり、


「10周」

「へ?」


10周といった。

意味が分からないでいると、


「根性が足りん顔をしている。魔王城城下町を岩を背負って10周してこい」


と言った。

まあ、大丈夫だろう。

筋力は限界突破しているし。



甘かったと言わざるを得ない。

・・・いや、勘違いしないで欲しいんだけど、岩くらいなら全く問題ないし、10周くらい目も瞑っていても出来るよ?

でもなあ・・・


「なんでこんなに尖った岩を持たせるんですか!!」


なんか岩の形がウニみたいなんだよなあ。

これ、ぜったい痛いよね?食い込みまくるよね?

これ、筋力関係なく痛いよね?


「気合でがんばれ」

「無理です!」

「・・・(ニッコリ)」

「拒否権無しですか!?」


くそう!かくなるうえはとっとと終わらせてやる・・・!

俺のスピードを舐めるな!


「あ、そうそう。その岩は鍛錬用に持ち主の力に合わせて重量が上がる魔道具だからな」

「あんたは鬼かああああああ!!」

「そうだが?」

「そうだった!」


心も体も鬼だった!

・・・まあ、鬼に『鬼かっ!』って言っても仕方がない。

根性で頑張ろう。

俺は岩(のような魔道具)を持ち上げた。

よっこらせ。

・・・。

・・・。

・・・。


「・・・師匠」

「なんだ?」

「これは何の拷問ですか?」

「?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・棘が刺さって血がドバドバ出ている気がするんですが?」


「気のせいだ」


「嘘だっ!」

「ほれほれ、喋ってていいのか?放っておいたら失血死するぞ?」

「悪魔かっ!」

「え?ああ、ありがとう」


ダメだ。何を言っても効果が無い・・・。

もう、意見いうの辞めようかな・・・。


「帰ってきたら滝行な」

「せめて飯は食わせて下さいっ!」


・・・やっぱり意見はどんどん言おう。うん。でないと命に関わりそうだ。



朝飯を食い、(フィーとリオは起きたばかりだった。・・・理不尽だ)鍛錬場へ。

鍛錬場に着くと、そこには師匠と魔王がいた。

・・・嫌な予感がする。


「魔王様。お願いします」

「よし。わかった。転移」

「へ?」


次の瞬間、襲いくる浮遊感。


「ぬああああああ!?」


しばらくして俺は洗濯機に入れられた洗濯物のようにかき回され、ぽいっと穴から出された。


「ぐふ・・・」

「まったく・・・軟弱なやつだ」

「せめて一言・・・欲しかった・・・」


俺はそう言ってカクッと気絶した。



気がつくと日はすでに高い・・・どころか、西に傾いていてそのうえ何時の間にか滝に打たれていた。

・・・何故か縄に縛られた状態で。


「!?」

「やっと起きたか。縛られたまま滝に打たれても眠り続けるとかある意味すごい集中力だな」


あきれ顔でそう師匠(元凶)は言った。

・・・いやいや、師匠のせいだからね?


「・・・なんか文句でもあるのか?」

「いいえ、滅相もない」


嘘だけどね。

むしろ文句しかない。


「・・・まあ、いい。とりあえず、滝行を本格的に始めるぞ」


師匠はそういって、俺の縄を解いた。


「いいか?考えるんじゃない。感じるんだ」

「さらっと難しいことを要求しますね・・・」

「これが出来ないと闘気を纏えないからな」


この人は俺を何にしようとしているんだ・・・。

世紀末覇者にでもする気か?

とりあえず、俺は無心で滝に打たれて見ることにした。

・・・。

・・・。

・・・。

・・・。

・・・。


「寝るな馬鹿者」

「あべしっ!?」


眼を閉じて瞑想していたらハンマーで殴られた。酷い。

ただ単にちょこっと意識が飛んでいただけなのに!


「・・・」(スッ)

「ごめんなさい私が悪うございました」


俺の感情が顔に出ていたのか、師匠が俺の表情を見て目を細め、ハンマーを腰だめに構えたので速攻で土下座した。


「わかればいい。とっとと再開しろ」

「はぁーい・・・ふぁああ・・・」

「・・・やはり一回活を入れなければならなさそうだな・・・」

「すみません真面目にやるんで許してください」


早く始めよう。俺の命がある内に。



「お前はあれだな。才能が皆無だな」


泣きたい。というか、泣いていいですか?

あれからうんうんと唸り続けること早2時間。

いまだに俺は感覚を掴めずにいた。

・・・まあ、俺の戦闘センスは一般人レベルなんだろうなあ。

日本っていう戦いとは無縁の国から来たからねえ。


「凡人だってもう少しマシなもんだが・・・」


もっと酷かった。


「・・・そんなに酷いんですか?防御に不安があるんで覚えたいのですが・・・」

「ああ。正直、闘気を纏うのに最低でもあと14、5年は必要だろうな。それでも良いというならば・・・」

「諦めます!」


俺は闘気の習得を諦めた。



その後、魔王場の鍛錬場に戻って晩飯を食い、ステータスを一定に揃える腕輪をして模擬戦をやって・・・


現在にいたる。


もう、あれだな。こりゃあ、鍛錬じゃないな。一方的な蹂躙だな、うん。


や、そりゃ俺には自動回復のスキルだあるから良いけど、普通の人なら5、6回は死んでるだろうし、俺だって死なないだけで充分すぎるくらいに痛い。


「ほれほれ、避けないと頭がグチャグチャになるぞ?」

「既に四回ぐらいなっています!」

「知らん。死にたくなきゃ逃げろ」


ダメだ!やはりなにを言っても無駄だ!


眼の前に居る師匠がその巨体からは想像も出来ないようなスピードで動く。

鈍重なはずのハンマーは師匠の技量のせいか、全く動きを止めずに縦横無尽に暴れまわり、破壊を撒き散らす。

多分コツか何かがあるのだろう。

だが、俺には鍛錬中にそれに気づくことは出来なかった。


その後、俺は部屋に帰って死んだように眠りについた。

こうして、俺の鍛錬一日目が終了した。

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