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特訓メニューを考えよう!

結局一週間かかってる・・・スランプかあ。

めげずに頑張ります!

・・・でも、旅に出るので次週の更新はおやすみです。

俺の冥土さんことリオに筆舌に尽くし難い拷問を受けさせられ何度も死にかけた次の日。

俺たちは再び魔王の間に呼び出されていた。

俺たちが全員集まってから数分後、寝癖を付けた魔王がノソノソやってきた。


「・・・おはよう」


取りあえずといった感じで挨拶をした魔王は俺たちが揃っていることを確認し、そば付きのメイドさんに紙三枚と鉛筆一本を配らせた。

・・・?何がしたいんだ?この厨二は。

俺がそう思っていると、魔王は玉座から立ち上がり、手を叩いてからいった。


「あー、今からお前らには一ヶ月分の特訓メニューを考えて貰う。それぞれじぶんと他の二人の分を作ること。制限時間は三時間。それまでに全員が作り終えるか制限時間が来るかでメニューの発表会をし、その中でもっとも優秀だったものにする。なお、もし出来上がらなかった場合はそれなりの罰があるんであしからず。以上」


それだけを魔王はいい、玉座にすわりなおした。

・・・というか、よくよく見てみると、寝てる。

まあ、いいや。


「・・・取りあえず、始めようか」

「「ですね(にゃ)」」



三時間後。

俺たちは魔王の間に置かれた円卓(メイドさんが片手で運んできた)を囲んで特訓メニューの発表会を始めた。

まずは、リオ。


「私が考えたのは・・・これです」


そう言って出された紙を見た魔王は大きくため息をつき、


「却下だ」

「何でよ!!」


一瞬で却下した。

というかリオ、素が出てるぞ・・・。

噛み付いてきたリオに対して魔王はハア~・・・、とため息をつき、呆れたような顔をして言った


「じゃあ聞くが・・・お前、フウトを山籠りさせてどうするつもりだったんだ?」


何と俺は、危うく山籠りさせられるところだったようだ。

しかし、リオはきょとんとして言った。


「え?だって、特訓といったら山籠りじゃないですか」

「いつの時代の格闘家だよ!?」


かなり歪んだ知識を発表した。

しかし、問題はそれだけでは無かった。。


「なあ。さらに聞くが・・・」

「はい?」

「何でフィーの特訓メニューが漫才なんだ?」


フィーの特訓内容があまりにもひどかった。


「だって、ハリセンの扱いを覚えるなら漫才だと・・・」

「うん、お前は相方を何回殺す気なんだ?」


漫才のツッコミで爆発して死ぬとは相方も夢にも思わないだろう。

遺族の方に『彼は漫才で激しくつっこまれて死にました。惜しい男を亡くしたものです』とか絶対に言えないだろう。あまりにも可哀想だ。

もう既に手遅れ感がヒシヒシとするが、まだリオのターンは続く。


「最後に・・・リオ」

「はい?」


魔王は言葉を切り、顔を俯かせてプルプルと震えてから・・・言った。

それは・・・


「お前、魔王城のメイドに弟子入りしてどうすんだよ!?」


リオ自身のことだった。


「何か問題でも?」

「何でそんなに疑問そうなんだ!?大有りだよ!むしろ問題しかねえよ!戦闘能力関係無いだろこれ?!」

「え?魔王城のメイドっていざという時は魔王のために掃除用具を武器に侵入者と闘うのでは?」

「なんだその歪んだ知識は!?んなことねえよ!というか、お前の武器は掃除用具じゃなくて大鎌だろう!?」

「あ」

「あ、じゃねえよ!あ、じゃ!」


掃除用具って・・・暗殺者かよ。どこでこんな知識を仕入れてくるんだろうか・・・。


「はあ・・・。もういい。次だ次。フィーの番だ」

「わかったよー」


そう言ってフィーに提出された紙をチラリと見た魔王は・・・。


「却下」

「何でみゃっ!?」


即座に突き返していた。

疑問そうなフィーに魔王はハア、と大きく息を吐き・・・理由を告げた。


「滝行をフウトにやらせたところで意味など無いだろうが」


おいコラちょっと待てやそこのボケ猫。山二続いてこんどは滝かよ。おまえら俺を何だとおもっているんだ?

・・・いやまあ、昇○拳とか習得しようと思えば出来そうだけど。

・・・習得しないからね?絶対にしないからね!?振りじゃねえからな!!?


「うう・・・でもほら、修行といったら滝行だとボクは思うんだにゃ!」

「そんな固定概念捨ててしまえ」


全くだ。そんな固定概念はイヌにでも食わせてしまえ。


「次。何でリオに死罪人の処理をやらせようと何かしたんだ?」


でも、リオのはもっと酷かった。


「だって・・・リオは死神だよ?死ぬべき人間の処理ができるようにならないと・・・だめだと思うよ」

「要するに、精神修行だと?」

「そうみゃよ」

「却下だ。俺たちがやるのは魔物だ。人間関係じゃ、ない」

「はーい・・・」


その通りだ。人間を殺せるような心の強さは要らないだろう。

・・・まあ、確かに鎌を持ったリオのはまさしく処刑人っ!!ていう感じだけど。


「最後。フィー。お前がバカスカ魔術をうったら街が消しとぶ。やめろ」

「えー・・・」


どうやら、とにかく魔術をうって体を魔術にならそうということのようだった。

でも、確かに今のフィーが見境なしに魔術をうったら街の一つや二つは消し飛ぶだろう。


「わかったか?」

「はーい・・・」

「よし。次。フウト」


ようやく俺か。

ドキドキしながら紙を提出する。

さて、評価は・・・


「三回ほど生まれ変わってから出直してこい」


一番辛辣だった。


「何でさ!?」


俺は驚愕の念を禁じ得なかった。

それを聞いた魔王は俯いてプルプルと震え、俺をキッと睨んでから・・・


「全員分の紙にデカデカと『よく寝てよく食う!』とだけ書いて提出してOKもらえると思ったおまえの思考回路のほうがよっぽど疑問だわ!!」


と絶叫した。


「なん・・・だと・・・?ダメなのか・・・?」

「当たり前だボケィ!いまだに疑問を持てるその頭は逆にすげえよ!」

「だって、寝る子は育つっていうじゃないか!」

「食後横になると牛になるとも言うぞ!」


マジかああああああ。ダメか・・・。

俺がかるーく落ちこんだ。

はあああああああああ・・・・。

隣をふと見ると、リオとフィーも同じようにおちこんでいる。

頑張ったのにねえ・・・。はああああああ・・・。

使い物にならなくなった俺たちを見た魔王は、締めの言葉を言った。


「まったく・・・ロクなものがねえな。しゃーない。後で教育長に作らせるか」

「「「最初からそうしろおおおおおいおお!!!!」」」

結局魔王はボコボコにされましたとさ。

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