報告会とハプニング
お久しぶりです。今回は軽めです。これから、ペースをなるべく戻したいと思います。
「痛てててて・・・。ちったあ手加減しやがれってんだ・・・ったく」
「「「それは無理」」」
俺たちは魔王を鉄拳制裁したあと、首根っこをつかんで医務室へと逃げ出そうとする魔王を魔王の間に無理矢理放り込んだ。
・・・え?拉致は犯罪者じゃないのかって?あははは、やだなあ。ただの(脅迫による)任意同行だよ?ハンザイジャナイカラネ?
まあ、それはさておき。
俺たちがなぜ魔王の逃走を許さなかったかというと、魔王に旅の成果を報告するため───即ち、ダンジョン攻略が成功したことを伝えるためであった。
そのため、俺たちは懇切丁寧に、それはそれは懇切丁寧に、俺たちの恨みつらみも合わせて、冒険について語った。
それを不気味なほど静かに聞いた魔王は、全てを聞き終えて、ポツリと致命的な一言を、言った。
「・・・お前ら」
「何だよ?」
「・・・緋色の欠片は、どうした?」
「「「あ」」」
完全に忘れていた。
ササッと目配せを交わす俺とリオとフィー。
その目がこう語っていた。
【完全に忘れていた】
と。
*
あの後。
俺たち三人は魔王に散々嫌味を言われ、後日魔王の手下が緋色の欠片を破壊しに行くことに決定した。
魔王め・・・自分でやれよ。まあ、人のことを言えた義理じゃないけどな。
で、今は個別風呂に入ろう(魔王城の共同風呂があるにはあるが、スイートルームである俺の部屋の風呂のほうが気楽でいいのだ)と思って部屋に帰っているところだ。
しっかし・・・長い。何が長いって、この廊下だ。
幅は大体日本における車道ぐらい。奥行きは目測で150メートルぐらいあるように感じられる。
広くてデカイ。普通ならばいいことなのだろう。
だが、俺にとってはただの苦痛でしかなかった。
考えてもみてほしい。居住区には300の部屋があるのだ。
だというのに、居住区の階層は、地下を含めてたったの四階。
その中でも、部屋が設置されているのは三階と四階だけ。
長くなるのも、とうぜんであった。
問題は・・・
俺の部屋が最奥にあることと、魔王の間につながる魔術陣が一方通行であることだろう。
しかも、魔王の間から直接飛んで行けるのは各区の一階だけ。
そのため、毎回毎回回廊を登って行かなくてはいけないのだ。ていうか、何でわざわざスロープで作った回廊で登るんだよ。階段作れよ。
・・・お。そんなこんなを考えている内に部屋についたな。
俺は扉をあけ、中に入って───
「え?」
「え」
───生まれたままの姿の美幼女と目が合った。
「・・・」
「・・・」
思わず固まる俺とクロ。
どうしよう。この状態。
俺が焦って固まっていると、
「・・・・・ふぇ」
「え、ちょ」
「ふぇえええええええん!!」
無乳(微乳ですらない)を隠すように体を抱いて大泣きし始めてしまった。
っていうか口調崩れてるし!
やばい。本格的にどうしよう。泣かれてしまったんだが。
ああでもなんだろ、幼女の泣き顔って何かよくわかんないけど、こう・・・ちょっとそそる。ああいやでも・・・うーん。罪悪感が半端ないな・・・。
取りあえず泣き止ませたいんだけどなあ。
俺がどうしていいのかわからずにオロオロしていたその時。
「ねえ、一体どうしたの───」
「ふぇえええええええええん!お姉ちゃああああああん!」
「───ご主人様、ちょーーーっとよろしいですか?」
「は、はは・・・」
俺の処刑が決定した。
ヤバい今日が命日かもしれん。
ゆっくりとした足どりで近づいてくるリオwith大鎌。
その後ろでエグエグ泣いているクロ。
リオは俺の目の前に立ち、ゆっくりと鎌を振り上げた。
・・・願わくば、明日の朝日を拝まんことを。
フウトはロリコンではありません。変態紳士です