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ぐるぐる?

私は、今、とても困っている。

なぜなら・・・

「・・・魔王城って、どっちの方角にあるのかしら・・・?」

魔王城(目的地) の場所がわからなくなってしまったのだ。

私の方向音痴は元からだが、死神になってから更に酷くなったみたい。


本能が薄くなったせいかな?


帰巣本能とか。そこら辺。

閑話休題。(それはともかく)どうやって魔王城を見つけるか・・・その手段と利点と欠点を上げてみましょう。


手段その一。


『人に聞く』。

利点は、情報に絶対間違いが無いこと。

欠点は、今の私の服装がメイド服に禍々しい死神の鎌なのでお世辞にも良い印象を与えられ無いであろうこと。

最悪の場合、変質者扱いもあり得る。


手段そのニ。


『勘』。

・・・無い。利点がどうこうとかそういう次元じゃない。


手段その三。


・・・あれ?何でだろう?

有効な手段が思いつかない・・・。



という訳で。



問答無用で『人に聞く』に決定しました~。



・・・いや。

いやいや。

ちょーっと待ちなさい?


そもそも、何処に人がいるのかしら?


ここは神殿を出て少ししたところの森。

当然、周りに人間関係などいない。

・・・ま、テキトーに歩いていれば見つかるか、うん。

何とかなるわよね!





























な・・・・




何とかなる訳あるか私のどアホおおおおおおおお!!!!

あれから三日。

私は今だに雪景色の森の中を歩いていた。

私は方向音痴だ。

超の字を三つぐらいつけてもいい程の。

そのせいで、今だに人に出会えていない・・・!!

ああ、出会いが欲しい!

・・・いや、色恋沙汰の意味ではないからね?

ふう。

まあ、それはともかく。

ここは、運試しで行こうかしら。

やり方は簡単。

鎌を上に投げて、落ちた時に刃先が向いている方向に行くのよ!

・・・え?何でいきなり運試しかって?

だって・・・



勘が当てにならないし?



もはや頼れるのが運だけなのよ。

という訳で・・・

「人のいるとこどーこだっ!」

と言って私は空高く鎌を放り投げた。

ポーンと飛んでゆく鎌。

鎌はそのあと惰性で落下して・・・



さすがに絶句した。



鎌が・・・



地面に刺さっていたのだ。

何ということでしょう。もはや運だのみも効かないだなんて。

・・・ええいっ!私にはこれしか残ってないのよ!

だから・・・



結果が出るまでやり続けるわよ!



・・・。

・・・。



べっ、別にヤケクソになんかなってないんだからねっ!



さあ、どっからでもかかって来なさい!





嘘ですごめんなさいかかってこないでくださいマジすんません私チョーシこいてました。


だから・・・


次こそ・・・384回目こそ、方角を示して下さい!





結局、389回目で私からみて左を指した。

・・・なんだろう?戦ってもいないのに妙に疲れた気がする。

はあ・・・。



ま、いーか←(フウトに感化されてる)。



取り合えず進むことにした。



人に会えた。

やったね私、389回の苦労が報われたよ。

・・・あれ?なんでだろ?目から汗が・・・




と思ったら大間違いでした~。




あのさあ、人に会えた。

そのことは嬉しいんだよね、うん。

曲がりなりにも努力が実ったわけだし?

でも・・・さ。




わざわざ盗賊に襲われている荷馬車に引き合わせなくても良いんじゃなーい?




神様って絶対にサドだよね。

嫌がらせしか受けてない気がする。

もしも出会ったら絶対に一発殴ってやろう。




それはともかく、とっとと盗賊をブチ殺して早く方角を聞き出そう。



私は、隠れていた茂みから飛び出して近くにいた盗賊を縦に引き裂く。

「な!?なん――ギャアアア!!?」

「ジョニー!?どうし――グアアアア!!」

突然現れた私に驚いた盗賊を次々に切り捨てて行った。


結果。


数分後には、私を中心にして血の池が出来上がっていた。


「な・・・何ですの?これは・・・」

少女の怯えた声が荷馬車から聞こえた。

荷馬車に乗っていた娘らしい。

えーっと、こういう時はどうすればいいんだっけ?

・・・よし!先ずは自己紹介ね、うん。



「どうもー。死神でぇーす」



私がそう言うと、その子はフッと気絶してしまった。

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