表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/38

魔術講座

「つ・・・疲れたよ・・・」

魔術の授業の休み時間。

ボクはそこで、ぐてーっとしていた。

だって・・・疲れたんだもん。

「言っておきますけれど、あと三分と二十五秒後には再開しますからね?」

そんな事を言ってボクの精神力をガリガリ削っているのは鬼教師のナターシャだ。

腕を組んでいるので、タダでさえ大きい胸が更に強調されている。羨ましい事この上ない。

・・・年増のくせに。

「・・・何かイラつきますね・・・。宿題を倍にしましょうか?」

「イエ、ゴエンリョヲモウシアゲマス」

思わず片言になっちゃった。恥ずかしいよ・・・。

でも、宿題を倍にするのは本当にやめて欲しい。死ねるから。あの量の倍は。

「ふむ・・・。では、『やさしくて若々しいナターシャ様、どうかボクの宿題を増やさないでください』と言ってください」

ニヤニヤ笑いながらナターシャは言った。

・・・この人・・・ゼッタイに調子に乗っているよね。

いいよ。言うよ。言うだけならタダだし。

優しくて若々しい(うるさい年増)ナターシャ様どうかボクの宿題を増やさないで下さい(黙って減らせ)

「・・・今、心の声が聞こえた気がしました」

「な、ナンノコトヤラ~・・・」

きっと気のせいだと思うな。うん。

「・・・はあ。まったく。宿題の代わりに授業再開をしたら先ずはおさらいクイズをやってもらいますね。

「え~、面倒───クサクナイデス。ハイ」

途中から片言になったのは、ナターシャが鞭を取り出したからだ。

・・・ナターシャって、魔術をおしえる時に文字通り『教鞭を振るう』んだよね。

「魔術講座の二時間目を開始します。早速ですが、フィーさん。おさらいクイズです」

・・・おさらいクイズかあ。

面倒くさっ!!

そんなボクの思いを他所に、ナターシャはクイズを始めた。

「第一問」

チャラン、と何処からか響いて来る効果音。

本当、何処から鳴ってるんだろう?

「詠唱は、何のために存在するでしょうか?」

いきなり難易度高くないかな!?

え、えーっと。確か・・・

「魔力の流れを整理して、魔術を行なうのに最低限度ひつような量の魔力を抽出するため?」

「疑問系なのはいただけませんが、正解です。また、これを無詠唱で行える人は、卓越した魔術の才能を持った人のみです」

・・・ふう。何とか助かっ

「では、次の問題です」

て無かったね、うん。

チャラン。

「魔術の全属性とその関係を答えよ」

・・・また地味に難しい問題を出して・・・。

まあ、わかるけど。

「火、水、氷、雷、風、地、闇、光の八属性です。関係性は、火が水に弱く、水が雷に弱く、雷が地に弱く、地が風に弱く、風が氷に弱く、氷が火に弱い。光と闇はお互いが弱点となっています」

「満点の回答です」

よかった。あっていた。

「最後の問題です」

やっと最後かあ・・・

でも、どんな難問なんだろう?

最後だから、それはそれはエグい奴を出すに違いない。

ボクは緊張してナターシャの言葉を待った。


「魔術における階級を言いなさい」


メチャクチャ簡単じゃないかあああああああああああああああ!?!?!?

ボクの最初の苦労は何だったのさ!?

「初級、中級、上級、禁術級の四つです」

「正解です。では、続きから入って行きましょうか。魔術において何故詠唱を使うかまではわかりましたね?今日は、魔術の威力の調節に関してです」

威力の調節?

「魔術は、一つの魔術につぎ込む魔力量が多くなれば多くなるほど威力が上がります。しかし、魔術によって個別に入れられる魔力の最大量が決まっているので、天井知らずというわけには行きません。また、魔力の最大量は魔術の階級が上がれば上がるほど増えます」

へえ・・・。この法則があるから、魔王は無限の魔力を持っていても威力が無限にならないんだね。

「もしもこの上限をこえて魔力を入れると、魔術が暴走して大量の閃光と共に爆発します」

・・・失敗したら、命は無いみたいだ。

取り合えず、どうなるのか聞いてみよう。

「爆発すると、術者は「死にます」そうですか」

早い。切り返しが早すぎるよ。

「具体的には、内側から弾けます」

・・・言わなくて良いのに。

「取り合えず、そんな訳で威力の調節をやってみましょう」

「今日はここまでにします。おつかれさまでした」

そう言うと、ナターシャは外に出て行った。

・・・え?ボク?ボクは今・・・


「(ぷしゅ~・・・)」


絶賛燃え尽き中です☆

辛かった。あの死と隣り合わせの授業は本当に辛かった・・・。

この魔術講座、何が辛いって実際にやらされることなんだよね。

ボクはそう思いながら、家路に着いた。

ちなみに、今ボクはツリーハウスに住んでいる。

そのため、帰るときは梯子を登らないといけないんだよね・・・疲れるなあ。

ボクは何とか梯子を登りきり、家に入るとベッドに直行。

そのままダイブして泥のように眠りについた。

ボクは、森の奥深くにある小さな里に住んでいた。

家族は両親とボクだけだ。

ある日、ボクはお父さんと喧嘩をして家出した。

原因はもう、覚えていない。

二日程経って頭が冷えてから、家にかえった。

里に近づくと、異臭がした。

そう───錆びた鉄のような臭いが。

あわてて里に入ると、そこには・・・


住民をクチャクチャと食べている熊のような魔物がいた。

「・・・ん・・・?朝・・・?」

ボクは朝日で目を覚ました。

むくりと起き上がり、辺りを見回す。

うん、いつものツリーハウスだ。

何も異常はない。

・・・・久しぶりに過去の夢を見た。

フウトと出会ってからは見なかった夢だ。

・・・。

・・・。

・・・フウトに、早く会いたいな・・・。

ルビが上手くふれなかったので、試行錯誤していました。

度重なる変更すみません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ