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邪神と魔人と勇者のはじまり

「「「邪神?」」」

邪神って・・・あれか?

某ニャルラトホテプのニャ○子さん的な奴か?

・・・いや、絶対違うだろうけどな。

でも、俺の中の邪神についての知識なんてそれぐらいしかない。

だがフィーとリオは違ったようで、物凄くビックリしている。

「邪神って・・・童話に出てくるあれ・・・?」

特にリオは、童話か何かで知っているようで酷く怯えている。

一方、フィーはと言うと・・・

「へえ・・・。実在したんだ・・・」

とつぶやいている。

・・・マズイ。俺だけ何の知識も無い。

このままでは、置いてかれてしまう!

「と、取り敢えず・・・邪神って何だ?」

俺は魔王から話を聞くことにした。

すると魔王は、信じてもらえたのが嬉しかったのか喜喜として話し始めた。

この国の始まりと、災厄と、勇者と魔王について。

「邪神っていうのは、大昔に何処からともなく現れて、世界を大混乱に陥れた最悪の敵だ。そいつはある日突然遥か北の山脈に現れて、魔物を生み出し始めた。世界は大混乱に陥り、北の国々・・・つまり今の魔界のあるところは半年を待たずに滅亡した。

当時はまだ統一されておらず、大小様々な国々だったこの地は領地争いを一時停止し、精鋭を集めて魔物を相手に果敢に戦った。

だが、相手は無限に湧き出て来る魔物たち。

当然、苦戦を強いられた。

このままでは消耗して滅亡するのを待つばかり・・・。

そんな中である日、とある魔術師が使役獣の召喚に失敗し、人間を召喚してしまった。

しかし、その人間はとてつも無く強かった。

その人間にあるまじき強さに疑問を感じた魔術師が召喚された人間を調べた結果・・・驚くべきことが判明した。

その人間は、異世界からやってきた人間で、あらゆる身体能力が強化されていたのだ。

それが、異世界からの勇者召喚の始まりだった。

国々は狂喜し、異世界から勇者をどんどん召喚していった。

それと同時に魔物はどんどん減っていった。

だが、程無くして問題が幾つか生じた。

一つは、勇者達の横暴だった。

勇者達は全てが全て善人という訳では無かった。

むしろ、悪人のほうが多かった。

そのため、治安は乱れに乱れた。

山賊や海賊になる者、村を救ったことを恩にきせて暴利を貪る者。

その様な輩の対処に国々は明け暮れた。

なぜこの様な事が起きたのか・・・魔術師達が召喚陣を調べたところ、ある事実が発覚した。

召喚陣の中に人柄の指定項目があり、その部分が度重なる召喚陣の使用によって悪人が出やすくなっていたのだ。

あわててその部分を修正しようとしたが、どうも一度使用すると人柄パラメータが一定量減る仕組みのようでそれが最低値になってしまっていたのだ。

人柄パラメータが元通りになるためには十年近くかかる。

新たに召喚陣を作ろうにも、元々怪我の功名で出来た偶然の産物。

こうして、国々は勇者をおいそれと呼べなくなった。

二つ目の問題は食料品だ。

勇者召喚により一気に人口が増え、食糧難に陥ったのだ。

農民達は作れど作れど足りなくなる食料に、一部の心無い勇者による搾取、横領に不満を募らせていった。

そしてついに、とある村の農民達が反乱を起こした。

すぐに鎮圧されたがこの事が刺激となって、勇者達はより一層邪神討伐に力を注いだ。

だが、強くなったとはいえやはり人間。

邪神を弱らせる事は出来たが、討伐は出来なかった。

そんな時だ。

彼らが生まれたのは。

ある日、北に近い国が国々・・・その時にはすでに連合国となっていたか・・・そこの代表者にとある連絡をよこした。

曰く、滅ぼされた北の大地にまだ人が居ると。

連合国はすぐさま調査団を派遣した。

数年の時と沢山の犠牲を払って着いた調査団は、驚くべきものを見た。

人でありながら、人ではない。

魔物のようで、魔物ではない。

そんな生物を発見したのだ。

それらは人間の数倍の力を持ち、何より魔力の平均値が2万もあった。

普通の人間は百ぐらいで、大魔術師との誉れ高かったものでも千五百がせいぜい。

当然、人間は彼らを恐れた。

だから、彼らは恐れを込めてこう呼ばれた。

魔人、と。

だが、魔人は非常に戦力として優秀だった。

魔人のほうもそれは自覚していたので、邪神討伐に精力的に参加した。

結果、八つある邪神の力の元のうち二つを断ち切り邪神を消滅させる事は出来なかったが、封印する事に成功した。

しかし、それでもまだ魔物を生み出す力を完全に封印する事は出来なかった。

だが、格段に少なくなったので人々の豊かな生活が戻り始めた。

また、魔物を定期的に狩るために勇者ギルドが発足し、連合国と周辺の国々は一つの巨大な国家となった。

魔人は魔人がいる必要性はなくなったために国から追い出され、北の大地へと帰っていった。

こうして一連の事態は終わりを告げ、魔人の間には邪神の伝承ができた。

・・・と、いう訳だ。わかったか?」

・・・何というか、魔王についてはまったく語られなかったが・・・取り敢えず。

俺は一言だけ言わせてもらった。


「話し、長すぎだろ!俺以外みんな寝ちまったよ!!」


フィーとリオは既に夢の世界の住人となってしまっていた。

魔王の話しが余りにも長かったために途中で寝てしまったのだろう。

「仕方ないだろう?これでも縮めた方なんだぞ?」

「縮めたうちに入らねえだろ!」

何でこんな無駄に壮大っぽい話しを俺は聞かされてるのか途中でわからなくなったじゃねえか!

・・・あれ?何でだっけ?

ああ、そうそう。邪神についての情報だ。

あの無駄に長い話しで邪神に関する有益な情報は・・・

1.魔物を自由自在に生み出せる

2.力の源が八つあり、うち二本を断ち切られている。

3.本体が直接動くことは出来ないように封印されている

・・・こんなところか?

以外と情報少ないな。

・・・もちっと詳しく聞いてみるか。

「なあ、魔王。邪神の力の源ってどういうのだ?」

俺は、恐らく邪神討伐に置ける要になりそうな事を問いただした。

「ああ・・・それか。実は世界中に地下迷宮として存在していて、ダンジョンボスが守っている『緋色の欠片』と呼ばれる紅い水晶が力の源らしい。ただ、そのダンジョンボスの強さがはっきり言って俺様でも手に負えないくらい強いんだ」

「魔王が手に負えない?」

そのことが本当ならば、俺以外には無理・・・いや、俺だって難しいかもしれない。

「ああ。一回残りの六体のうち一番弱い奴と戦って見たんだが・・・桁違いすぎて話しにならん。あわててテレポートで魔王城に帰ったからよかったものの、もしあそこがテレポート無効化結界が張ってあったらと思うと・・・今でも寒気がする」

桁違い・・・か。

なら、俺はどうなのだろう?


本当に、勝てるのか?


力押しだけの現状で?


・・・ムリだ。いくらなんでも無理がある。


俺はにわかに心配になった。

魔物の被害は年々増えているらしい。

これから先、仲間たちと平穏に過ごすためにはやるしか無い。

やるしか無いのだが・・・何故だろう?


足の震えが収まらないんだ。


俺は最近慣れ始めたとはいえ、もともとは唯の高校生だ。

今までは廃スペックな体のおかげで一方的な虐殺だった。

だからだろうか。

もしかしたら死ぬかもしれない。

その思いが俺を強く、鎖のように恐怖で縛り上げる。

そんな状態に俺があることに気がついたのか、魔王はしばし目をつむったあとこんな事を言い出した。

「死ぬのが怖いか?」

「あ、当たり前だろっ!」

「どうしても?」

「どうしてもだ!」

その返答を聞くと、魔王はある提案をしてきた。

それは・・・

「なら、死なないように魔王城できたえてやろうか?」

という、鍛錬の誘いだった。

オマケ:魔王のステータス

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Lv.98472758482

HP 97無量大数

ATK 58無料大数

DEF. 125無量大数

SPD. 3無量大数

MP. ∞

RES. 9999無量大数

ユニークスキル オートヒールLv2

無限魔力

一般スキル 魔術強化Lv10

称号 魔王

武器特技無し

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