ステータスと謎の訪問者
これからは二日に一回位で更新して行く予定です。
クロの誕生から約2日。
俺たちは、ステータスの確認のため、神殿(笑)に来ていた。
6万。
それがあの戦いで俺の倒した大体の魔物の数らしい。
当然、倒した分だけレベルは上がるし、特技も増える。
さらに俺はここに来るまえに、とある事をリオに教えてもらっていた。
それは、『武器特技』だ。
武器には大まかに分けて剣、拳、槍、弓、斧、槌、鎖、杖の8種類だ。
俺が使っているのは拳。
6万匹もの魔物を屠ったので、沢山の特技を覚えたはずだとリオは言っていた。
だが、それを確認するにはやはりステータスの鑑定をしなくてはならない。
そのために、この寺にやってきたのだ。
「こんにちは。ステータス確認ですね?こちらでお待ちください」
前回と同じく、いい感じにはげたお坊さんが現れて、奥へと再び消えて行った。
しばらくして、俺は呼び出された。
これまた前回と同じく、和室の中央にある水晶が強烈な違和感を醸し出していた。
そしてそれに手を当て目を閉じると、ステータス画面っぽいのが浮かび上がってきた。
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Lv.98
HP 2765不可思議
ATK 3298無料大数×4368潤
DEF. 1
SPD. 94746365
MP. 0
RES. 0
ユニークスキル アンリミテッド
オートヒールLv10
ブレイクマジックLv10
アンチマテリアルアタック+Lv10
一般スキル 属性強化Lv10
攻撃強化Lv10
スキル倍加
称号 人間やめました
最凶の竜使い
特技 破壊の嵐クールタイム10秒
武器特技
崩壊拳(基本形)クールタイム5秒
烈風波(基本形)クールタイム5秒
瞬突(基本形)クールタイム5秒
崩壊拳・弐の型(発展)クールタイム10秒
影縫い(奥義)クールタイム15秒
暴風波(奥義)クールタイム15秒
瞬波(秘奥義)クールタイム20秒
崩壊暴風拳(災害)クールタイム30秒
瞬死(神速)クールタイム60秒
死光魔拳(いわゆる核爆)クールタイム1日
滅拳(消滅系)クールタイム600秒、能力の開放
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すごいね、核爆だって。ビックリだね。バ○ス祭りが出来るね。
・・・あまりの事に思わず現実逃避してしまった。
っていうか、能力の開放って何だよ?覚醒するの?邪○眼とかに目覚めちゃうの?
しかも災害って。俺は何処のラオ○ャンロンですか?
・・・どうしよう。一人でセカンドイン○クトが起こせそうな気がしてきた。
「どうでした?」
そんなアホな事を考えていると、ハゲ・・・じゃなかった、お坊さんが尋ねてきた。長いこと考え込んでいたので何かあったのかと心配しているのかもしれない。
まあ。
まあまあ。
とりあえず・・・
「最悪です♪」
*
一方その頃。
フウトが居ない屋敷でちょっとした問題が発生していた。
それは・・・
「あなたは何者なのです?」
と言って問い詰めるリオと、
「だーかーらー、俺様はフウトの永遠の宿敵だって言っているだろう!」
と答えている青年の言い争いだった。
「嘘です。ご主人様にご友人などいらっしゃらないですから」
「友人じゃない!ライバルだ!」
「そうですか。では、なおさらお引き取り下さい」
・・・もうお分かりだろうか?
これは、永遠のライバルを自称する怪しい人物を入れまいとしてリオが問答しているのだ。
そもそも、外見からして怪しさ全開なのだ。
くすんだ銀色の髪に燃えるような紅と深海のような群青色のオッドアイ、夜が塗り固められて作られたかのような漆黒のマント。
極め付けになにかの猛獣の骨と革を使って作られたであろう黒と赤のスーツ。
・・・正直、アレな人だとしか思えなかった。
「む!だが、俺様はフウトに会いたいのだ!」
だが、なおも食い下がる青年。
困り果てたリオは嘆息した。
・・・何て諦めの悪い男だろう・・・
リオは、ここまで横暴でここまで諦めの悪い・・・しかも、ここまでやっても手を出さない厄介な人間ははじめて見た。
しばらくしてリオはついに根負けして、屋敷に通してしまった。
・・・怪しい人物を入れちゃったけど、問題ないわよね・・・
リオはそう思っていた。
彼の正体を知るまでは。
*
俺は重い足取りで屋敷へと帰っていた。
正直、あのステータスについて、何といえばいいのかわからない。
いや、別にわるい事ではないのだが・・・
拳を極めてたとか言ったら卒倒されかねない。
リオたちがどんなリアクションをするか考えながら歩いていると、何時の間にか屋敷に帰ってきていた。
どんなリアクションにも耐えてみせる!と意気込んで中に入ると・・・何と!
見知らぬ男(比較的イケメン)と見つめ合っているリオがいた。
・・・。
・・・。
・・・。
えーっと・・・とりあえず。
俺は、思った事をいうために大きく息を吸い込み、吐き出した。
「リオが男連れ込んでるううううう!?」
*
あの後。
俺はリオに謝罪していた。
何でも、無害かどうか見極めようとして瞳を覗き込んでいただけだったらしい。
「男連れ込んでるって・・・なぜよりにもよってこんな変人を選ぶとおもったんですか」
呆れ顔で言い放ったリオは、大きく溜息をついた。
「いや、ホントすみませんでした。デリカシーにかけていました」
なおさら俺は謝罪を重ねた。
・・・え?そのポーズは土下座だ?何言ってるんだ。ちゃんとした謝罪じゃないか。
「っていうか!お前何者だ!」
俺は八つ当たり気味に男に叫んだ。
しかし、俺は数秒後にはこのことを後悔することになる。
それは・・・
「ん?魔王だが?」
魔王だったからだ。