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誕生

昨日分ですm(_ _)m

家を買ってから約一週間。

リオがようやくメイド服とメイド口調に慣れ始めた頃のこと。

魔物が卵から孵化したのだ。

「ああー・・・ダラダラ出来るってホント、素晴らしいなあ・・・」

その日の俺は、いつも通りどこに行くでもなくダラダラしていた。

「・・・ご主人様、少し働いた方がいいのでは?」

額に青筋を浮かべてリオが注意する。

その手には何時の間にか漬物石が・・・。

「まあまあ。今のボクたちはお金の余裕があるからね。別にいいんじゃ無いかな?」

そう言ったのは、机にダレているフィーだ。

猫耳がペタンとしていて、非常にゆるい雰囲気を出している。

ためしに野菜スティックを差し出すと、その体勢のままポリポリと食べ始めた。・・・和む。

「それはそうですけどっ!私だけ働きづめっていうのが我慢ならないんですっ!」

机をバンッと叩いて威圧するリオ。

だが、フィーの出すまったりした空気は全く減らなかった。

尻尾をフリフリしながらフィーは言った。

「・・・ボクは魚が食べたいにゃ」

「・・・買って来るので、それぞれの部屋の片付けをお願いします」

そういうとリオは、買い物バックを持って出かけて行った。

俺とフィーは仕方なく、自室の片付けをはじめるため、それぞれの部屋にもどって行った。

・・・え?無視しないのかって?前に無視したら、飯抜きにされたことがあったんだよな・・・マジで。

だから、どうしたって無視出来ないのだ。

まあ、俺の部屋はそもそも物が少ないので、ほとんど片付ける必要性が無いのだが。

そんなことを考えながら部屋に入ると、そこには・・・


ちっこい黒色のドラゴンがいた。


「・・・は?」

状況が呑み込めず、しばしフリーズする。

・・・どっから入ってきた?

そう思って部屋を見渡すと、ある異変に気がついた。

無いのだ。

リオから預かっていた魔物の卵が。

・・・ということは?

こいつ、まさか・・・

「生まれた、のか・・・?」

あの卵から。

このドラゴンは生まれたのか?

そう思って近づくと、ドラゴンは不思議そうに見つめてきた。

・・・とりあえず、フィーに報告しよう。

そう思って部屋を出た。

出たのだが・・・

「なんでついて来てんだよっ!?」

ドラゴンが後ろからパタパタとついて来ていた。

するとドラゴンは、「?」とでも言いたげに首を傾げた。

・・・頭はいいようだ。

もしかすると、刷り込みで俺のことを親だと認識しているのかもしれない。

このままついて来ても問題ないだろうと判断して、フィーの部屋へ。

「フィー、入る」

入るぞの『ぞ』は言えなかった。

なぜなら、目の前の何かが崩れてきて、俺をしたじきにしたからだ。

その何か、というのは・・・

「・・・フィー。ゴミを扉の目の前に積むな」

「にゃ?」

ゴミ袋の山だった。

「なるほど。あの卵が孵ったのがそこのドラゴンなんだね?」

「ああ。その通りだ」

俺とフィーはリビングで話し合っていた。

それは・・・

「餌って肉でいいのかな?」

ということだった。

食べてはいけない物や習性など、そこらへんがわからないと非常に困るのだ。

それに加えて・・・

「・・・どこから買ってきたんだろうね・・・」

ということだった。

ちゃんとした店なら育児・・・いや、育竜の手伝いをしてくれるだろう。

だが、魔物の卵をガチャポン形式で売り出している場合は?

正直、アフターケアは望めなくなる。

先行き不安な状態に溜息を俺はつかざるを得なかった。

そのとき、頭の中にシステムメッセージが。


『《最凶の竜使い》の称号を獲得しました』


・・・最凶の竜使い・・・?

なんなんだ、それは。

そう思って悩んでいると、フィーが突然、

「あーーーーーっ!!!」

と叫んだ。

「・・・どうした?」

飽きれて俺が尋ねるとフィーは、

「まだこの子の名前つけてなかった!」

といった。

名前。

たしかに、早い所決めないと不便である。

「そうだな。早く決めるか」

・・・リオがいないのに勝手にはじめるのはスルーする方向で。

「そうだねえ・・・。クロとか」

・・・。

・・・。

・・・。

「フィーは少し黙っていようか」

「ええっ!?」

今時、小学生でもつけない名前である。

えーっと、黒竜か・・・。

有名なのは、

バハムート

ファーブニル

・・・この二つだな。

でも、なんか名前というには呼びやすさがない。

うーん・・・。黒竜か・・・。

ダークネスドラゴン。

・・・お。

並び替えてクーゴとかどうだろう?

「クーゴとかどうだろう?」

「・・・無いと思うよ?」

「えー・・・」

結局、クロで落ち着いた。

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