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旅路

今回は非常に短いです。

「出発よ!」

「屋根から降りろ!」

馬鹿と煙は何とやら。

リオは馬車の屋根に仁王立ちして、やたらと偉そうに号令を掛けた。

「フィーもあのアホを止めてくれ!」

「かっこいい!ボクもやりたい!」

「そういやこいつ猫だった!」

猫も確か高いところが好きだったんだよな・・・

ほんとにやめて欲しい。

町の人々が何事かと見に来てるだろうが・・・。

本来ならば引きずり落とすところだが、今は馬の手綱を引いているので、どうにも出来ない。

よって、放置プレイ。

「ひ~ま~にゃ~!」

王都を出て数時間。

フィーが暇を訴えて来た。

「暇だあ?じゃあ交代しろよ」

俺はというと、馬が暴れないように見張るのに忙しくて暇などない。

「嫌にゃ」

「ワガママ猫が・・・」

後で風呂の刑だな。嫌というほど洗ってもらおう。

「じゃあじゃあ、しりとりしよ?」

・・・ウチのアホ筆頭であるリオが率先して遊びを提案しよった。

「いいよ?」

「やった!じゃあ、私からね!えーっと、リンゴ!」

「ご・・・ご・・・ゴミ虫!」

え。なにそのチョイス。

「し?し・・・し・・・死神!」

いやだから絶対チョイスおかしいだろ?

「み?み・・・み・・・みの虫!」

『し』で攻めたいのはわかった。でも虫から離れようか。

「またぁ?し・・・し・・・死人(しびと)!」

リオはリオで死から離れようぜ?

「と・・・と・・・トンボ!」

「また虫かよっ!?」

「ぼ・・・ぼ・・・墓地!」

「だから何で死から離れない!?」

「ち・・・ち・・・チョウ!」

「う・・・う・・・。駄目ね。私の負けね」

ええええええええええええええ!?

まさかの縛り以外は使用禁止!?

あまりの結果に愕然とした俺だった。

夜。

俺とリオは戦っていた。

「こら暴れるな!」

「おとなしくしなさい!」

「ヤダにゃん!」

・・・猫化したフィーと。

あいつ、リオが魔法の袋から出した風呂おけを見た瞬間にビーストライズを使って猫になって逃げようとしやがった。

耳に合わせて色は茶色だ。

もちろん、すぐさま俺が逃げないようにひっくり返して捕まえたのだが・・・

その瞬間に人化しやがったのだ。

すると、俺が女の子にまたがっている状態になり、その潤んだフィーの目にドキッと鳴ったとたんにするりと逃げ出しやがった。


何たる不覚。


その後、人化と猫化を繰り返すフィーを追い詰め続けて捕まえて───


現在に至る。


「何でそんなに嫌がるのよ!」

「ボクの匂いが落ちるのが嫌なの!」

「汚いでしょ!我慢しなさい!」

「やあああああ、なのー!」


暴れるフィーを押さえつけ、縄で縛る。


「やっと落ち着いたか・・・」

「まったくね・・・」

「風呂ヤダーーー!」

ジタバタするフィーを尻目に、俺は狩りをしに出かけた。


テントから徒歩10分地点。

「でこぴーん」

ドッゴン!

俺はそこらをうろうろしていた熊モドキのあたまをデコピンで吹き飛ばした。

これで獲物は充分だろう。

そう思ってテントに戻った。


「ただいまー・・・あれ?」

テントの周りには誰もいなかった。

きっとテントのなかに居るんだろう。

そう思った俺はリオとフィーのテントに入った。


「狩ってきた・・・ぞ・・・」


たしかに、フィーとリオはテントの中に居たが、着替えようとしているところだった。

つまるところ、すっぽんぽんであった。

リオは隠すそぶりも無く、側にあった剣を手にとって、イイ笑顔で言った。


「遺言は?」


ようするに、死刑宣告である。

ちなみにフィーは泣きそうになっている。

おれは、暫く考えた後に言った。



「ごちそうさまでした!」



次の瞬間、体を縦に切り裂かれた。

諸事情により、31、1、2、3、4日は更新を休みます。楽しみにしてくれている方々、誠に申し訳ありません。

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