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◎プロローグ
『回り続ける歯車と、進む時計の針』
少女は歩く、終わることのない世界を。
少年は歩く、終わるはずのない世界を。
私はいつから、歳をとらなくなったのだろうか。
僕はいつから身長が伸びなくなったのだろうか。
××歳を過ぎたところで、少女は歳を数えるのが馬鹿らしくなった。
××歳を過ぎたところで、少年は歳を数えるのがめんどうになった。
少女は自分が生まれた時のことを知らなかった。
少年は産まれた時のことなんて興味はなかった。
気がついたら、少女は一人だった。
気がついたら、少年は一人でいた。
少女は――
少年は――
不老不死だった。
これは、短編形式の話となります。よろしくお願いします。
(2016年1月15日 加筆修正済み)