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恋愛日常!  作者: 雪鈴空斗
第一章 すべての始まり
8/27

間奏~とある青年と母~

「っし」


無事に話せたっ!

青年は一仕事終えたかのような、達成感で胸を一杯にしていた。

他のやつに告白されたことは非常に気に入らなかったが、そのおかげで少し話せたのはラッキーだった。これで明日から普通にはなしかけても、特に不自然でもなんでもない。

家のドアを開け「ただいま」と短くそう言い、リビングのドアを開ける。

コーラを飲もうかと思ったのだ。


「あら、お帰り!」


しかしリビングには先客がいた。

この時間帯はいつも買い物していていないので、少し驚きながら青年は母親にただいまと返す。

母親はいつにもましてテンションが高い気がした。

そのことに少し嫌な予感を抱きながら、冷蔵庫からコーラを取り出し、一口飲ーーー


「ねえ、鈴香ちゃんと付き合い出したの?」


んだ瞬間吹き出した。

慌てて口元を拭い、母親に詰め寄る。


「な、なななな、なに言ってるんだ!?」

「あらすごい動揺」


母親は楽しそうにケラケラと笑った。

そして、期待に満ちた目で息子を見ながら、言葉を続ける。


「だって、さっき一緒に歩いていたじゃないの!」

「あれはたまたまに決まってるだろう!た、たまたま一緒になって…」

「あら、そうなの?」


残念、と母親は露骨に残念そうな顔をした。


「そうよね…考えてみれば、ヘタレのあなたが告白なんてできるわけないわよね」


グサッ


「ただでさえ、普通に話すのもできてない状態だしねぇ」


グサッグサッ


「きっと鈴香ちゃんもただの幼なじみだとしか思ってないしねぇ」


グサッグサッグサッ


「本当に、どうしてあなたはそんなにヘタレなのかしらね…って、どうしたの、なんで部屋の方に行っちゃうの?風斗~?」


お母さん、息子を苛めて楽しいですか…?

青年…風斗は心のそこからそう思いながら、自室へと足を運ぶ。

もしかしたら、最近よく見ている不思議な夢を見るかもしれないが、構わなかった。







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