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女子高と男子校シリーズ

3つ子の新入生

作者: 尚文産商堂

小さいころから、兄貴がいた。

しかし、それより年が近い姉妹がいる。

俺は3つ子として、生まれてきた。

しかし、2歳離れた兄がおり、さらに姉と妹に挟まれているという、なかなかなポジションだった。


俺の姉は兄になついて、妹は俺といつもひっついていた。

そんな俺たちは、今年近所の高校へ入学することになった。


「お兄ちゃん、私のカバンは?」

「机の上だろ」

妹が俺に制服のリボンをつけながら聞いてきた。

「そこになかったから聞いてるの」

「じゃあ、姉のほうは」

「ちょっと聞いてくる」

バタバタと走っていく。


5分後、姉の部屋にあったカバンを引っ提げて、妹が俺の横に来た。

「あったよ」

「よかったな」

俺はそう言って、妹の頭をなでた。

「行く?」

「そろそろな」

妹が聞いてきたから、俺は答えた。

妹はうなづくと、靴を履いて俺より先に外へ出た。

「今日から高校生なんて、あまり実感湧かないね」

「最初はそんなもんだろ」

兄が後ろのほうから言った。

「ほら、早く出るかどうするかを決めろって。後ろが(つか)えてるんだ」

「今から出るところだよ」

俺は兄にそういうと、妹の後を追いかけて外へと出た。


入学式が終わると、今日はホームルームをして、部活の紹介冊子と教科書の山を持たされた。

「ただいまー」

「おかえり!」

俺が家に帰ると、すでに妹が学校から帰ってきていた。

「これ、ちょっと持ってくれないか」

教科書が入ったビニール袋を妹にいったん預けて、俺は靴を脱いだ。

それから、その袋を受け取り、部屋に持って帰った。

「どう?」

部屋には、妹も一緒に入ってきた。

「難しそうだけど、なんとかなるさ」

そう言って、妹に教科書を見せた。

「えっと、内容って同じなんだね」

「そりゃ、校舎は別といっても、名義上は共学になったところだからな。去年からだったかな」

俺たちが通っている高校は、手野市立高等学校という名前で、つい去年に共学となったばかりだ。

その前は、手野町市立男子/女子高等学校という名前で、数十年間は男子高、女子高としてあったらしい。

だが、少子化の波には負け、一緒になったということだ。

「部活とかは?」

「まだ決めてない。全部はこれからさ」

俺はそういうと、冊子を机の上へ投げた。

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