表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
デブブサメンが生かされてます  作者: 霧野 カナタ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/20

その18 【ジカタ・ビィ畑と機械の花】

 オレは悟りを開いたのだ。

 風呂に無理やり連れ込まれても、うろたえたりはしない。


『ほら、ちょっとこっち向いて。』


 なすがまま、されるがまま。時の流れに身を任せ――


「そこは自分でやるから触るな!」

『なに遠慮してるのよ、ほら、きれいきれい。』

「!!!!」




『リィナ!サーガがそっちに行ったから拭いといて。』

『承知いたしました。旦那様、こちらですわよ。』


 トボトボとリィナの元へ歩いていく。

 もはやオレは人ではない。ペット、マジでペット扱いじゃ!


「少しは人として扱ってくれよ。」

『はて?ワタクシ旦那様を、オスとしてこれ以上ないくらい、丁寧に接しておりますわよ?』


 そうかもしれないけど、そうじゃないんだよ…


「あと、この服だよ。原始人服だぜ、原始人服。とりあえず2着あるけど、もう少し他にないのか?」

『そこはこの家の主、ルーシェルに頼んで頂くしかございませんわ。』

「お前らは毎日違う服で、寝間着も別だろ?オレなんてず~っとこれだぜ?」

『そうね、考えてあげなくもないわ。』


 不意にルーシェルが現れ、


『クンクン、よかった、臭いは取れたみたいね。』


 目の前にぶら下がる素晴らしき二つの………ありがとうございます!


『これ、注意事項に「毛が抜ける」って書いてあるけど大丈夫じゃん。』

「おまえ!それでオレの頭を洗ってただろ!」

『あら?お礼を言われた気がするけど、何を見たのかな?」


 くぅぅぅぅぅぅっ!


『旦那様、ちゃんと拭きませんと風邪をひいてしまいます…あら?少しリバーソンさんが……』

「いっ、いいから早く服を着せろぉ!」




『エリア40と50番台はヴェルタレンで収穫するわ。』


 少し遅めの昼飯を食っていると、突然ルーシェルが言い出した。


『もう大丈夫そうでしたか?』

『思ってた以上にたくさん出来てたわ、去年もすごかったんだけどね。』

「何のことだ?」


 ルーシェルはお得意のドヤ顔で話を続ける。


『ジカタ・ビィよ。』

「地下足袋?忍者が履くやつか?」

『おそらく旦那様がおっしゃっているものとは別だと思われます。』

「紛らわしいな…何する物なんだよそれ。」

『詳しくは知らないけど、薬の原料になるの。』


 そこから軽くルーシェルのジカタ・ビィ講座が始まったが…興味ないって。

 ひたすら喋るルーシェルをよそに、小声でリィナに尋ねる。


「収穫ってどうするんだ?」

『おそらくですが、収穫する機械「ヴェルタレン」も含め、全てお願いするのではないかと…』

『そこよ!』


 ?!


『すべて頼むと当然料金が発生します。

 ヴェルタレンだけ借りて3人で分担して収穫すれば、金額も半分以下で済むのよ!』

「分担?」

『ワタクシがいた時は、そのようにしておりましたね。』

『リィナも帰ってきたし、サーガも…少しは役に立つと思うから、今回は3人で収穫しようと思います。』

「オレにできると思ってんのか?」

『あらぁ?服が欲しいんじゃなかったのかなぁ?上手にお手伝い出来たら買ってあげるわよ?』


 本当、いい性格してやがる。




 ――翌日――




『朝一で連絡したら、今日1日だけって事でOKもらえたわ』

「いきなりでよく貸してくれたな、暇なのか?」

『旦那様、先方も相手も見て判断していますのよ。』


 目が合うと、ルーシェルは薄気味悪い笑みを浮かべた。

 なるほど、あれは力づくで押し通したな……


『もうすぐ届くはずよ。』

「持ってきてくれるのか。」

『この拠点は登録されていますので、自動でこちらへ来るようになっております。』


 こういったところは便利だよな。


『で、問題が一つ。サーガに何をやらせるか困ってるのよね。』

『クアルサルを任せればよろしいのでは?』

『サーガって、パッソルも動かせないのよ?無理でしょ。』

「クアルサルって……なんだ?」

『簡単に言えば、刈り取ったジカタ・ビィを入れるものよ。』

『パッソルを浮かせられないのでしたら、クアルサルの操作も難しいかと。』

『そうよね…やっぱり無理かぁ。』


 何を言ってるか全く理解できんが、オレが無能だと言っている事だけは間違いない。


『それじゃあ、ちょっと怖いけどヴェルタレンを…』


「ヴォン…ヴォン…ヴォン…ヴォン…」


 ルーシェルの言葉を遮るように、低く重たい音が近づいてくる。

 キョロキョロと周りを見渡し、少し動揺しながらオレは言う。


「何の音だ?」

『あれ?…もうきちゃった!』

『では、受け取りの手続きをしに伺いましょう。』




「なんじゃこりゃぁ!」


 そこには、前方に巨大な円盤状の刃が6枚並んだ、まるで金属の花が大きく口を開いているような奇妙な乗り物と、巨大なトラックのようなものが、わずかに浮いたまま止まっていた。


『よく見て、円盤の刃が付いてるのがヴェルタレン、その後ろにいるのがクアルサルよ。』


 合体ロボなら、どちらも胴体に変形しそうだな。

 いや、クアルサルは足の方が似合うか。


『その合体ロボ?の胴体みたいな方を、サーガに運転してもらいます。』

『ヴェルタレンでしたら能力は不要なので、旦那様でも問題なく操作可能ですわね。ですが…』


 お…オレがこれを?……

 お嬢さん、それはちょっと無謀すぎやしませんか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ