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デブブサメンが生かされてます  作者: 霧野 カナタ


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13/20

その13 【ヴェラ・ミロンによろしく】

『サーガ―、紅茶入ったわよ。』


 本日は雨………が、そろそろ降ってくるそうである。

 この世界はエリアごとに天気なるものがスケジュールされているそうで、自然災害とは全く無縁のようだ。

 四季なんてはっきりしたものも存在せず、気温と日照時間が多少変わる程度らしい。

 風情もクソもあったもんじゃない。


『せっかくミレイがくれたんだから、早くおいで。』


 へいへい、いま行きますよ。




 当たり前のようにルーシェルの隣に座る。

 当然向かい側は椅子が2脚あるだけ。


 向かい合って座ってもいいか訪ねたが、


『こっちじゃないとダメ!』


 だそうだ。




「何これ?」

『知らない、もらったんだって。』


 水色の液体かよ、ちょっと気味悪いな。


『そろそろオートリクスをどうにかしなきゃいけないの。』

「ああ、あの機械か、何とかなるものなのか?」

『壊れちゃったものが今3個あるのね、パーツ交換で直るなら直したい。』

「交換するものはあるって事か。」

『そんなに数は無いんだけどね。』

「オレも行かなきゃダメか?今まで1人でやってたんだろ?」

『そんなこと言わないで一緒に来てよ』


 まぁそうなるよな。そのためにここに連れてこられたようなもんだし。

 ただ、重たいものはルーシェルの方が持ち上げられるぞ?

 オレが行って何の役に立つんだ?


『ちょっとだけで良いから手伝って!』

「わかったって。」


 これはあれだ、寂しいだけだ。




 ルーシェルは作業着に着替えてきた。

 緩めのオーバーオールにタイトなシャツが果実のデカさをより強調させる。


 ルーシェルが楽しそうに訪ねてくる。


『なにニヤニヤしてるの?』


 そりゃ自然に顔も緩くなるわ。




 いつもの古民家風の建物の裏手に、小さな納屋がひっそりと建っている。

 外から見ると普通の倉庫だが、そこがルーシェルのラボになっているようだ。


「オマエたちは、どうやって空間を捻じ曲げてるんだ?」


 外見はそんなに大きくないはずなのに、中は全く別物。

 そういえば、あの[かれいがわえき]もそうだったな。




「オートリクスって思ったよりデカいな、これを持てとかオレには無理だぞ。」

『持てるなんて思ってないから大丈夫よ。』


 コノヤロウ………


『よく見ててよ、ここを叩いて抜く、新しいパーツを叩き込んだら完成よ!』

「おお!さすがルーシェル!こっちはどうするんだ?」

『こっちは叩く角度がちょっと難しいけど、わたしなら一発で外せちゃうんだから!』

「できる女は違うな!最後のこいつは?ちょっと難しそうだぞ?」

『これは難しそうに見えるけど、無理に差し込まず、ゆっくり入れていけば問題ないわ!』

「マジか!オレなら強引に入れちゃいそうだぜ!」

『最後はここのねじを止めちゃえば完成!』

「はい、ご苦労さん。」

『………あれ?』




『結局全部わたしが直してるじゃん!』

「今までもそうしてきたんだろ?なら問題ない。」

『サーガは?サーガは何してたのよ!』

「オレ?太鼓持ち。」

『太鼓なんて持ってなかったじゃない!』



 オレはとっとと家に帰り、縁側でまったり中。

 ふくれっ面のルーシェルはオレの太ももに頭を乗せ、少し間違うと誤解を招く体制で転がっている。


「機嫌直せよ。」

『別に怒ってないもん。』


 本気で怒ってたら、くっついてはこないよな。


「こっちのことはよくわからんけど、他に方法ってないのか?」

『あるにはあるんだけど………』


 何かしら方法はあるけど、引っかかるものもあるって事か。


「アレはオレじゃ無理だぞ。」

『それはわかってたんだけど………』


 分かってたのかよ!


『ヴェラ・ミロン。』

「ヴェラ・ミロン?」


 チラチラ聞く名称だ。


『家のことも少し楽になるけど……』

「高いのか?」

『ピンからキリまであるわ。』


 そんな例えはどこで覚えた。


「今日は雨降ってるから、明日連れてってくれ。」

『えぇ……行きたいの?』


 ルーシェルはかなり渋っていたが、明日行ってみることになった。

 結局ヴェラ・ミロンって……なに?


 外はいつの間にか雨が降っていた。

「この紅茶、美味しいんだけどなぁ。

 この色はなんとかならんのか。」




 翌日、駄々をこねるロリババァをなだめ、ファルカへとやってきた。

 暗い表情を見せなくなったのはいいことが、


『ねぇ、ホントに行くの?』

「もう諦めろよ。」


 最近様子がちょっとおかしい…いや、元からか?




『ここに有るわよ。』

「すげぇな、IKEA。」

『IKEIYAよ。

 ココはヴェラ・ミロンに関係する物だけあるの。』


 デカさに驚きながら中に入る…


「えっ?」

『なに?』

「なにこれ?」

『なにって… ヴェラ・ミロン達よ。』

「この世界は人身売買もしてんのか!」

『そんなわけないでしょ、ほらよく見て!』


 ショーケースの中で目を瞑った状態で立っている女の子が陳列されている。

 その姿はそれぞれサイズも違い、人間としか思えない。


『あっ、スリープ状態だからサーガには分かりにくいかな?うーん、ほら、あの子ならわかるでしょ?』


 緑髪のショートカットの子を指さすが、


「全くわからん。」

『耳がサーガみたいにボテっとしてるでしょ?あれが特徴の一つよ。』


 わかるかそんなもん!




 要するに、ヴェラ・ミロンってのは完全自律型のヒューマノイドって事らしい。


『融通の効かない、頭の良いだけの娘達よ……』


 ――正反対だから、相性は良いんじゃないか?

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