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7防衛戦①

反省を活かして鍛錬を積み続けて3ヶ月が経過した。俺達のレベルは5にあがり、俺は、ストーンウォールを覚えた。土壁を創り出す魔法だ。また、火の弾丸をつくりとばすファイアボールも覚えた。プチファイアよりも威力があり、攻撃力不足を補うことが出来る。さらにファイアショットも覚えた。こちらはファイアボールの上位互換的魔法であり、ファイアボールよりも貫通力がある。扱える者は希少なのだとか。どうやら俺には火と土の魔法に適正があるらしい。また、魔法の同時発動に必要なスキルは覚えられなかったが、魔力の扱いに慣れ、ある程度の連射が可能になった。スキルに関しては、探知レベル2と、鑑定レベル1、念力レベル4、魔法強化レベル5と、とても順調だ。あまりに順調なので、周りの騎士達から嫉妬されることも増えてきた。せめてもの救いは、圭と陽花も他より異常な速度で強くなっているので、2人とは特に不和もなく友好的な関係を築けている事だ。

 

圭は、単純魔力エンチャントという魔法系スキルを覚えた。これは剣に魔法を乗せ強化するスキルだ。剣強化スキルとは違い魔力を消費するが、大幅な強化が見込めるスキルだ。他には、身体能力強化の魔法スキルを覚えていた。そして、剣強化スキルはレベル4に上がっていた。

 

陽花は、宣言通り、ヒーリングを覚えていた。また、プロテクトのスキルも覚えていた。ハイヒールは覚えられなかったらしいが上々の成果だろう。スキルは魔法強化レベル3を覚えていた。


*スキル説明

 探知

 周囲の生命体を探知するスキル。効果範囲はスキルレベルと消費魔力量に依存する。発動中常に魔力を消費し続ける。また、隠密系のスキル所有者は、相手とのスキルレベル差によって成功率が変化する。


 鑑定

 相手のステータスを強制的に見るスキル。発動条件は、対象を視界に入れること。成功率は、スキルレベルに依存する。しかし、鑑定妨害系のスキルのレベルや、対象自身のレベルが高すぎる場合、成功率が下がる。クールタイムは、スキルレベルの上昇に伴い短縮される。


 単純魔力エンチャント

 剣の耐久力、斬れ味を強化するスキル。効果は、スキルレベルと、消費魔力量に依存する。発動中、常に魔力を消費し続ける。


 身体能力強化

 自身の運動能力を強化するスキル。効果はスキルレベルと、消費魔力量に依存する。発動中、常に魔力を消費し続ける。


 プロテクト

 対象者の受けるダメージを軽減するスキル。効果はスキルレベルに依存し、効果時間は、スキルレベルと消費魔力量に依存する。

 

 こうして3ヶ月の鍛錬を経て、今俺たちは、騎士団、魔法士団と共に、辺境の町、ノースサイドへと向かっている。この町は、冒険者の町とも言われている。魔王領に面しているので、モンスターがとても多いのだ。そんな町に、主にゴブリンやオークで構成された部隊が攻めてきているらしい。オークは、Dランクモンスターだが、ゴブリンと共に軍隊を形成することで、本来よりも手強くなる。冒険者が多いので持ちこたえてはいるが、ジリ貧の状況が続いているとか。そこで、俺達勇者パーティーが助っ人として補給物資と共に向かっているのだ。今の俺らじゃ足を引っ張るだけかと思いきや、魔王軍の進行を食い止めているこの町を守ることは、世界を救うことにも繋がり、救う者の称号が発動するだろうとのことだ。結構判定は緩いのかもしれない。

 

また、この戦いで、無理やりにでもレベルを上げたいらしい。パワーレベリングというやつだ。

 そんなこんなで、1週間程の移動を経て、ノースシティについた。モンスター軍団は、今は、一次撤退しているようだ。ある程度の纏まりを見せており、上位個体がいるかもしれないとのこと。気を引き締める必要がありそうだ。

 

 俺たちはまず、補給物資の移動作業を手伝った。陽花は、怪我を負った兵士の回復の為、別行動だ。勇者が行うのは魔王討伐だけでは無い。そもそも、魔王討伐の目的も元を辿れば人助けなのだ。そんな時、

 

「襲撃だー!」

 

周辺の監視をしていた兵士が叫んだ。モンスター軍団のお出ましだ。

 

「勇者御一行、付いてきてくだされ!」

 

ノースサイドの騎士団長が叫んだ。俺達は素早く準備し、騎士団、魔法士団と共に、城壁の上へと登った。

 

「マジか……」

「嘘だろ……」

 

俺の目線の先には、地平線をも埋め尽くすほどのモンスターだった。万に届きそうなその軍団は、戦争などをした事の無い俺達の戦意を砕くのには充分だった。相手は1万程の軍団なのに対し、こちらは、現地の冒険者、騎士団合計約1500名、王都の騎士団約1000名、魔法士団約800名と、約3倍の戦力差だったのも影響した。

 

「勇者御一行、大丈夫ですか?!」

 

騎士団長が焦ったように聞いてくるが、そんな事俺達の耳には届かない。ただ、呆然と敵を見つめていた。

 

「クソっ、致し方あるまい。魔法士団!」

「ああ、分かった。皆、モンスターに対し、魔法で先制する!放て!!」

 

魔法師団長の掛け声によって、魔法士団の者が、一斉に各々の魔法を発動した。その魔法は、軍団の前線にいたゴブリン共を蹴散らした。

 

「皆の者、ここは魔王との戦いにおいて重要な町だ。ここから先は1歩も通すな!」

 

いつの間にか城壁の外にいた騎士団の面々は、隊列を組み、モンスターの軍団を相手にし始めた。騎士団や冒険者が前線を抑えつつ、少しずつ撃破し、魔法士が、ある程度後ろのモンスターに対し、魔法を撃つ。こうしてモンスターの数はみるみるうちに減っていった。だが、人間側も、無傷とはいかない。1人、また1人と、負傷していき、戦線を離脱した。中には、逃げることも叶わず命を失った者もいる。戦いは長くは続かなかった。惜しくも人間側は勝てなかった……と言うと、負けた様に聞こえるかもしれないが、別にそういう訳ではない。モンスターが撤退したのだ。だがこの戦いの被害は大きく、死者約100名、負傷により以降の戦闘には参加出来ないものが約130名だ。軽傷者の数は数えきれない。そんな戦いを俺達はただ呆然と眺めていた。眺めていることしか出来なかった。

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