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21話 倉の中


(寒い・・・)


埃っぽい空気を吸いそうになり咳をしてゆっくり燈子は立ち上がった。


「ここは・・・蔵?」

そうだ!高柳の蔵だ!


燈子はそう確信すると一連の経緯を振り返った。


しかし、外がなにやら騒がしくなってきた事に気づいた。


「ちょっ!何よコイツ・・・どけ!」

茉莉の声だ。

何かを払っているのに苦戦しているようだ。


格子から覗くとその正体は燈子が知っている者だった。


「トーコ、カエス!」

ユキだ!


バタバタッと茉莉の周りを飛びしつこく威嚇する様に飛び回る。


「ああもう、どけって言ってるでしょ」

茉莉はほうきで必死になってユキを払おうとしている。


「やめて!その子は輪島様の家族なの!」


焦って茉莉を止めようとしようとするがそれは虚しく彼女はバシッとユキをホウキで払ってしまった。


バサッと垣根にユキが倒れ込んだ音がした。


「嘘!?ユキ!しっかりして!ユキ!!」

気が動転して狂ったようについ呼びかける声が激しくなる。


「五月蝿いわね!静かにしてちょうだい。

私は言伝だけアンタに伝えに来たんだから」


(・・・?)

どうゆう事だろうと困惑していると

「これはね、お父様とお母様の願いでもあるの。

アンタ高柳に嫁いでから良い生活をしてるそうじゃない。そうよね?本当生意気よね」


そうに違いない。

畳み掛ける様に茉莉は続ける。


「私はアンタの事なんてどうでもいいのよ。もうすぐ結婚するんだもの。

でも、お父様やお母様がアンタの事を気に食わないらしいみたい」


「何故?」

意味が分からない。


「知らないわよ。私はお母様から言われた事を伝えに来ただけなんだから。

いい事?

アンタはこの高柳からは一生出れないんだから」

そのつもりでいなさいだって。じゃ


そう言い切ると茉莉はフフッと笑いながら屋敷へ引き返していった。






*・゜゜・*:.。..。.:**:.。. .。.:*・゜゜・**・゜゜・*:.。..。.:**:.。. .。.:*・゜゜・*


ここまで読んでくださりありがとうございます。

蔑まれ令嬢ものが好きな方はいいね、ブクマ、感想よろしくお願いします。


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