暗中模索(1)
サスケ・イッセイは森の中で憤慨していた。
禁断症状だ。
指が震えて、弾けない。
「イッセイ、散歩に行こう」
ドラッガー師は一人、ギターを練習していたイッセイに声をかけた。
「いやいい、今日は一日中ここで練習する」
「新鮮な空気を吸えばリフレッシュできるぞ、いこう」
シン・ホマレは自分の簡易キャンプの中でモナカ・パピコの手配書を眺めていた。
「私の写真が欲しいなら、違うのをあげようか」
モナカ・パピコからの提案にシン・ホマレは苦笑いした。
「荷物を整理してたらでてきたの」
手配書を手渡すと、自分のカバンを取り上げた。
「いくのね」
「くどいけど、洞窟は海岸より安全よ、なぜ一緒に来ないのか不思議」
「船が来るかもしれない」
「もう一週間以上過ぎた、こない」
「ガルマがー」
「リピート音声のやつ?」
「発生源を探すの」
「あれは自らの肉体と引き換えに、その場に自分の想いを残す魔術よ、きっとリピート音声の声の持ち主はもう亡くなっている」
「私は信じてる」
「信じたいけど」
リクが二人に入ってきた
「俺も信じているぞ」
「何の用?」
「ここは空き家になるんだろ、使わせてもらいに来た」
リクはその場に荷物を降ろすとシン・ホマレは、また話そうと言い残し、洞窟に向かい始めた。
リクは手を振り、モナカ・パピコはただ突っ立っていた。
サスケ・イッセイは森の中を一人歩いていた。
後ろからガザっと音がした。
「?」
ギャーッ、ギャーッと甲高い鳥の鳴き声がした。
慌てて逃げ出した。
走りながら脳裏に過去の記憶が蘇った。
「神父様、私は罪を犯しました、一週間前もここに来ました」
「はなしなさい」
懺悔室の中でサスケ・イッセイは告白を始めた。
「昨晩名も知らない女性と体の関係を持ちました」
「わかりました、他には?」
「別の女性とも関係を持ちました、そのあと別の女性が関係するのも目撃しました、私は芸人をしています、職業ピエローズといいます、ドマルド国で活動しています、結構人気が出て、その誘惑が多くなってきたんです」
「誘惑は誰でもあるが、屈するのは君の決断だ」