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こちら魔族領魔王城前教会 ~このすばらしい異世界でゼロから始めるハウスダストクルセイダーズ~  作者: 名久井悟朗


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大宰相はロリコンなの?


 涼花は迅速かつ強引に支度を整えると、混乱押し寄せるアンティオキアの統治をオタカルに押し付け、カワサキと二人替馬を引き連れ、不眠不休で魔王スルタンのいる魔都へと駆けた。

「涼花のアネゴ魔王に会うのはいいんだけどよ。どうやって会って話まで付けるつもりなんだ?ここまでみたいに賄賂や力づくが通じるとは思えないぜ?」

 カワサキは目の前に広がる広大かつ巨大な魔王城を見上げて言った。

 美しい青と白を基調としたその城は、聖都ロムで見た教皇庁と比べ大きさでも優美さでも圧倒していた。

 聖教徒からは魔王城と言われているもののその洗練された美は神々しさすら感じるほどであり、美術や建築にさほど興味のない涼花やカワサキでさえ息を飲むほどであった。

「そういう所は抜かりないわ。アンティオキアの有力法族に魔王勢力と通じていた奴等を何人か泳がせてたんだけど、そいつ等を脅して紹介状を書かせたから何とかなるはずよ」

 涼花はそう言って懐から何通かの書状を見せ付けた。

「流石涼花のアネゴ!その手の悪どい方法に抜かりはないぜ!」

 涼花はテレながらも、褒めるように悪意無しに失礼な事を言うカワサキの頭を叩いた。

 カワサキは勘違いしているのだが、実は道中涼花が賄賂を払ったように見えたのは、大体はこの書状を見せていただけであった。

 何度か実際にあった金銭の授受も賄賂というより慣例と化した手間賃、手数料のような物であり、ほぼほぼ賄賂のいらないやりとりに涼花は罠かと何度も疑ったほどであった。

 そんな話をしつつ二人は城門前まで難なくたどり着くと、こんな往来で日本のセーラー服(夏服)という、現地人からすれば売春婦や痴女ですらしないきわどい服装の二人に警戒する衛兵の前でヒラリと馬から降りた。

「げ、幻術っ!?」

 遊牧蛮族の女首領の如き女傑が、一瞬で気弱な少女に変貌する様を目撃した衛兵は驚き、槍を構えた。

「幻術なんて使えないわよ。それよりアンタ達どちらか、この手紙をイスマイール・ハルドゥーン(大宰相の部下)に渡しなさい」

 突き出される槍に物怖じせず、それどころか反応する間を与えずズカズカと近寄り手紙を押し付ける涼花に衛兵はうっかりそれを受け取ってしまった。

 そして、イスマイールという名前を思い浮かべ少し考えた。

「何?手間賃なら払うから早くしてくれる?」

 数枚の金貨をチラつかせる涼花に衛兵は手を伸ばしかけて止めた。

「ハルドゥーン様という事は、この手紙は最終的に大宰相様にいくのだろ?そんな金受け取ったらどうなるか……急いで届けるから金は仕舞っとけ!」

 そう言うと、一人が城内へと走って行った。

「ここまで賄賂を拒否するとか、法族領の潔癖症は以上ね」

「日本の倫理観的には聖教国が腐敗しきってるだけの気もしますが……」

 意外そうな二人の会話を聞いていた残りの衛兵が意外そうな顔で尋ねた。

「お前達、もしかして大宰相様の身内じゃないのか?」

 その質問に涼花達は不思議そうに顔を付き合わせた。

「違うわよ。むしろ何でアタシ達が大宰相の身内だと思うのよ」

 そう言われ、衛兵は口ごもりながら二人の服装、特に涼花の容姿を上から下までジロジロと見ながら言った。

「だってよ、そりゃ、その突飛な服装とハチャメチャな言動、それにその幼児体k……いや、若々しい容姿がな?」

 その反応に涼花は額に青筋を浮き上がらせながら、怒りを抑え納得するように頷いた。

「なるほどね。噂には聞いていたけど、一癖も二癖もありそうな大宰相様ね」

「ボクそんな厄介な人だとは聞いてませんよ!?」


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