四方山話『反抗都市アマッラ』
かつて法族の大都市であったアマッラは、聖教徒による大虐殺により法族が激減し、現在ではほぼ聖教徒のみで構成された都市となっていた。
否、昨日までは聖教徒の都市であった。
涼花に恭順する事を拒みながら身内で捕らわれた領主代理、主導権を争いあっている所を涼花に急襲されアマッラは落城した。
そして今、その都市は法族がいない、全て敵の都市であると涼花による大々的な略奪を受けていた。
「正義の味方ってのは想像以上に気持ちいいわね!」
嬉々とし、率先して自ら略奪を行う涼花は略奪品を載せた馬車を引き攣れ街中を闊歩する。
手を振ってくる法族出身の聖戦兵に涼花が答え手を振り返すと『勇者万歳!』『勇者様っ!』『聖戦軍は最強です!』と心からの賞賛を送ってくる。
「何と言っても後顧の憂い無く破壊と殺戮の限りを尽くして賞賛されるのだからこんなにいいものはないわよ!!」
「流石涼花のアネゴ!順応能力が段違いだぜ!」
荷馬車を駆るカワサキが素直な賞賛を送り、その横でオタカルが頭を抱えていた。
「この人達は……」
そんなオタカルの心労も知らず涼花は大声をあげ楽しそうに駆けた。
「ちょっと待ちなさい!その豪邸はアタシが先に目をつけてたのよ!一番乗りは私の者よ!!」
「……完全に盗賊の親分だ」
「一応、あんた等が選んだ勇者だぜ?」




