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その魔女に祝福を  作者: 晴海翼
第二部:第七章 空白の島
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407.救いし者

 捧げた祈りの影響か。それとも降り注ぐ陽光の仕業なのか。

 切っ先を輝かせながら、救済の神剣は『傲慢』へ牙を剥く。

 

「本気で言っているのですか、お姉さまっ!?」


 誰よりも二人の絆を知っているからこそ。

 オリヴィアはアメリアの下した決断が信じられなかった。


 同時に、知っているからこそ解る。

 アメリアが、冗談でこんな事を言うはずがないのだと。


「ええ、私は本気です。もう、覚悟はしています」

「……っ」


 目線をフローラから逸らす事のない姉の姿に、オリヴィアは言葉を失った。

 もう、こうするしかないのだろうか。自分では力になれないのだろうか。

 一番大切な時に、役に立たない。オリヴィアは、己の無力さを許せなかった。


 無論、アメリアとて完全に割り切れた訳ではない。

 嫌に決まっている。主君に、妹のように育って来たフローラへ刃を向けるなんて本来であれば許されない。

 視線をオリヴィアへ向けなかったのは、彼女の悲痛な顔を見てしまえばもう二度と剣を構えてはいられない。


 けれど、他に手段が思い浮かばない。今はただ、信じるしかなかった。

 大海と救済の(スティス)神を。蒼龍王の神剣(アクアレイジア)を。


(シンさんは、こんな思いを10年も……)


 アメリアは少しだけ、シンの気持ちを理解した。

 大切な存在(ひと)を自らの手で傷付ける。自分が救われないと知りつつも、大切な存在(ひと)を救う為だと言い聞かせて。


 解放されない苦しみに耐えながら、彼は元来持ち合わせていた優しさを失わなかった。

 苦しみながらも歩み続けた姿勢は、尊敬なんて言葉だけでは言い表せない。

 

 少しだけ。ほんの少しだけ。

 アメリアは、彼へも祈りを捧げた。勇気を、少しだけ分けて欲しいと。

 その想いは、かつてシンが抱いていた感情と同じ答えへと辿り着く事となる。


「フローラ様。もしもの時は、フローラ様だけを逝かせたりはしません。

 私も……。どこまでだって、お付き合いします」

「アメリア……」


 見つめられた側が目を逸らしてしまいそうになるほど、真っ直ぐな眼差しを向けながらアメリアは言った。

 万が一。この一撃で自分が命を失えば、アメリアは――。


 本来ならば、止めなくてはならない。

 自分は世界を。ミスリアを。そして、姉妹のように育ったアメリアやオリヴィアを護る為に覚悟を決めたのだから。

 彼女が命を落としてしまえば、本末転倒だ。蒼龍王の神剣(アクアレイジア)を持つ彼女には、まだ使命が残っているというのに。

 

 だが、理性がそう告げるように訴える一方で、フローラは嬉しくも感じていた。

 孤独な『死』を迎える事が怖かった。アメリアが居てくれれば、恐れるものはなにもない。

 彼女はいつだって努力家で、自分をずっと護ってくれていたのだから。


「それなら……。安心ね」


 溢れた雫が、頬を伝う。喜びか哀しみかは誰にも判らない。

 ただ、フローラは待ち望んだ。救済の刃が、自分を貫く事を。

 アメリアの覚悟を、その身に受け入れる為に。


(ふざけないで! 勝手に納得しないで頂戴!

 私は絶対に嫌。嫌に決まっているじゃない!

 ありえない。おかしい。狂っているわ。絶対に、アメリアを受け入れたりなんてしない!)

「つぅ……。あ、あぁ……っ!」


 覚悟を決めたフローラとは裏腹に、身体を蝕む偽物(フローラ)が抵抗を続ける。

 身体中を駆け巡る『傲慢』は暴走を続け、フローラからは苦痛の声が漏れる。


「まだこんな力がっ……! フローラ様っ!」


 襲い掛かる波動に、神剣の加護を持つアメリアでも思うように前へ進めない。

 それでも、彼女は諦めたりはしない。

 

 気を確かに持て。顔を上げろ。腕を下げるな。足を止めるな。

 今、立ち止まってしまえばもう立てない。心身ともに限界が近付いている自分自身へ、アメリアは激を飛ばす。

 

(いい加減、私に主導権を譲りなさい! 死にたいなら、ひっそりと死ねばいいの!

 私はこれからなんだから! 満足していないのだから!)

(駄目よ。私も貴女も、フローラ・メルクーリオ・ミスリアなのでしょう。

 ミスリア王家の者として世界に害をなすのであれば。ここで断たれるべきだわ)

(~~っ! 認めない、認めない、認めない! こんなこと、赦されるはずがないわ!)


「フローラ様……?」


 アメリアには、二人のフローラが心の内で織りなす会話など知る由もない。

 けれど、彼女は確かに笑った。ほんの少しだけ、口元を緩めた。

 何を意味しているか判らないけれど、フローラはまだ邪神と抗っている。

 それだけは、辛うじて理解できた。

 

(認めない? 赦さない? 本当に、貴女って『傲慢』なのね。

 貴女は認める立場でもなければ、赦す立場でもないわ。

 自分の『罪』を受け入れなさい。私も、付き合ってあげますから)


 アメリアやオリヴィア。アルマやトリスだけではない。

 リタやレイバーン。ロティスやミスリアの使用人たち。

 覚醒を果たしてからの短い間で、これだけ大勢を傷付けたのだ。

 その落とし前は、きっちりとつけるべきだ。フローラは断固たる意志で、偽物(フローラ)から主人格の座を護り続ける。


(そんなの、当然でしょう! 世界は変わるの!

 世界再生の民(リヴェルト)の。邪神の。ビルフレストの手によって!

 些細な問題だと、どうして判らないの!)


 平行線を辿り続けるフローラに、偽物(フローラ)は痺れを切らせる。

 人格は奪えなくとも、肉体を通して『傲慢』の力は溢れている。

 ならば、彼女にとって希望となっているフローラをその余波で殺してしまえばいのだと気が付いた。


「――つぅっ!?」

「これは……」

「まだ強く……」


 急激に力を増していく抑圧(サプレス)の効力は、蒼龍王の神剣(アクアレイジア)の加護を受けているアメリアよりも周囲への影響の方が顕著だった。

 息も出来ない程、地面へと縫い付けられていくオリヴィア達。もはや、頭を上げる事すらもままならない。

 最早魔力の制御だけではない。抑圧(サプレス)の放つ重力は、全てを圧し潰そうとしている。


「皆さん……っ」

 

 蒼龍王の神剣(アクアレイジア)によって難を逃れているアメリアだったが、彼女は自分を責める。

 フローラ本人から迸る波動により、前へ進めない。結果として、自分の存在が皆を苦しめている。

 

 一刻も早く辿り着かなくてはならないのに、フローラの放つ波動はアメリアを拒絶する。

 縮まらない距離。襲い掛かる波動により、傷口が広がっていく。

 霞んだ視界は、本当に正しい方向を向いているのだろうか。

 

 焦燥感ばかりが強まっていく。

 そんな彼女の頭をクリアにしてくれたのは、悪意に染まりかけている『傲慢』(ルシファー)の背中だった。


「あなたは――」

 

 自らが風避けになると言わんばかりに、『傲慢』(ルシファー)はアメリアの前に立つ。

 フローラから放たれる波動を一身に受け止め、ゆっくりとその身を前へと進める。


『傲慢』(ルシファー)!? 貴女も、いい加減に理解しなさい……!)

(理解しているじゃないですか。アメリアが、全ての希望なのだと)

(っ! うるさい、うるさい、うるさい!)


 偽物(フローラ)が怒り狂うのとは対照的に、フローラは嬉しかった。

 自分から漏れ出た存在が、フローラを支えていた。そして、今は前を進む道標となる。

 誇らしい。惜しむべくは、少しでいいからきちんと『傲慢』(ルシファー)と意思の疎通を図りたかった事ぐらいだろうか。

 それが叶わない事だけが、口惜しいと思ってしまう。

 

 何にせよ、アメリアの意志と可能性を繋がれている。

 けれど、いつまた天秤が傾くかは判らない。一刻も早く、自分を貫いて欲しい。

 『傲慢』(ルシファー)のお陰で、アメリアには見えないだろうとフローラは物憂げな表情を浮かべる。


「その、あなたは……。私がフローラ様を貫けば……」


 波動を受け止める『傲慢』(ルシファー)の真後ろで、アメリアが下唇を噛む。

 救おうとしていた先刻までとは、状況が変わっている。

 自分がしようとしている事は、確実に『傲慢』(ルシファー)の存在を消し去る行動だというのに。


 アメリアが「どうして?」と問うまでもなく、『傲慢』(ルシファー)は行動によって意思を示す。

 悪意に染まり切っておらず、フローラの想いを感じ取った今だからこそ、『傲慢』(ルシファー)は宿主である彼女へ従う。

 

 たとえその先に待つのが、自身の崩壊だとしても。

 宿主でさえ覚悟を決めているのだ。より高位の存在たる自分が、恐れる訳にはいかない。

 『傲慢』(ルシファー)も理解をした上で、アメリアへの道を切り拓いている。


 一歩ずつ。確実に。『傲慢』(ルシファー)が盾となり、進んでいった結果。

 ボロボロになった邪神の分体と共に、アメリアはフローラの元へと辿り着く。

 救済の神剣は、未だその輝きを失っていない。


「アメリア……。待っていたわ……」

「お待たせして、申し訳ありません。フローラ様」

 

 互いに言葉を交わすアメリアとフローラ。互いの声色はとても穏やかだった。

 釣られて『傲慢』(ルシファー)も柔らかい笑みを浮かべたが、気付いている者はいなかった。


 それ以上、言葉は要らなかった。

 数秒の沈黙の後。アメリアが大きく息を吐く。

 視界が霞む中、アメリアは蒼龍王の神剣(アクアレイジア)の切っ先をフローラの胸へと当てた。


 慈愛に満ちた笑みを浮かべるフローラ。

 苦しむ素振りを見せてはいけない。優しい彼女は、きっと躊躇ってしまうから。


 二人の想いが重なった瞬間。

 フローラの身体は、蒼い刀身を呑み込んでいく。


「――っ」


 声を殺すフローラ。ゆっくりと刃を突き立てるアメリア。

 オリヴィアはその様子が見ていられないと、目を逸らしてしまう。


「姉上……」


 アルマもまた、声を漏らす。自分のせいで、姉までも命を失ってしまう。

 今も尚、重ねられていく『罪』を前にして、アルマは涙を流した。


「――ありが、とう」


 周囲が悲しみに明け暮れる中。フローラはそっとアメリアの頬へ手を伸ばす。

 辛い選択だったはずなのに、彼女は成し遂げてくれた。精一杯の感謝を込めて、細い指先が頬を撫でる。

 刹那、フローラの指先が引かれる。アメリアが口を動かした事によるものだった。


「まだです。まだ、私は諦めていません。

 信じています。蒼龍王の神剣(アクアレイジア)も、大海と救済の(スティス)神様も。

 何より、自分を――」


 この中でただ一人。フローラの心臓へ刃を突き立てた張本人だけが、まだ終わっていないと告げている。

 自分は賭けたのだ。蒼龍王の神剣(アクアレイジア)を、大海と救済の(スティス)神を。

 

 アメリアには勝算があった。

 だからこそ、刃に乗せたのは神頼みだけではない。

 

 ここまで歩み続けて来た自分も。辿り着かせてくれた全ての出逢いも。

 フローラと共に過ごしてきた、全ての時間も。

 

 世間ではまだまだ若輩者だと言われるかもしれないが、そんな事はどうでもいい。

 決して薄っぺらい覚悟で動いている訳でも、破れかぶれで行動を起こしている訳でもない。


 アルマは言った。 邪神の『核』は、心臓にあると。

 そこから血液を通じて全身を駆け巡ったとしても。機能の中枢を担っているのは、あくまで心臓であるはずだ。


 ならば、元を断てばいい。

 フローラの身体を蝕む邪神の『核』を潰し、全身へ巡る事自体を止める。



 

(な、んて……こと……を!)


 邪神を断つ。救済の剣が繰り出す一撃を受け、フローラの中に潜む『傲慢』が急速に力を失っていく。

 自らの存在が消えようとしているのを、偽物(フローラ)は肌で理解していた。


(ふ、ふふ。そう……なのね。アメリアは、あくまで私だけを断つつもりだったのね……。

 けれど、そう上手くいくかしら? 刃は間違いなく、貴女の心臓も貫いているものね)

(ええ、そうですわね。ですが、私は信じています。

 アメリアを、オリヴィアを。いいえ、私を支えてくれようとしている、全ての人を)

(……いいわね。どんな風になっても支えてくれるって思えるなんて。

 やっぱり、貴女は『傲慢』(わたし)の適合者に相応しかったわ。……フローラ)


 自分の適合者は、やはり『傲慢』な人間なのだと知る事が出来た。

 偽物(フローラ)は満足そうに笑みを浮かべながら、フローラの中から消滅をしていく。

 フローラの心の内に精製されていた、匣と共に。彼女が意識を失ったのは、偽物(フローラ)が消えた瞬間と同時だった。

 


 

 蒼龍王の神剣(アクアレイジア)を通して伝わってくる。

 フローラの中に住み着いた『傲慢』が消滅していっているのだと。


(まだです。まだ、私が集中力を切らせるわけには――)


 最初の賭けには成功した。けれど、まだ予断は許さない。

 アメリアはフローラの心臓へ突き立てられたままの神剣へ、自らの魔力を流し込む。


 治癒魔術を唱えるのは、()()早い。

 今、傷口を塞いだ所で蒼龍王の神剣(アクアレイジア)を抜いてしまえば同じ事となる。

 だからと言って、出血をさせる訳にはいかない。アメリアが選択した魔術は、自らの得意とする水の牢獄(アクアジェイル)だった。


 何度も使い慣れた、自分が最も得意とする魔術。

 拘束をするのではなく、フローラの心臓を包み込むように。傷口から、血液が漏れないように。

 極限まで集中した中で繰り出されるのは、繊細な魔力の制御。

 そして、それが上手く行ったという事は抑圧(サプレス)の効果が完全に消えている何よりの証明となる。


「――オリヴィアッ!」


 蒼龍王の神剣(アクアレイジア)を引き抜くと同時に、アメリアは残った力を振り絞るようにして叫んだ。

 相談する余裕はなかったにも関わらず、信じている。オリヴィアならば、この可能性を必ず紡いでくれると。


「あれは……っ」


 抑圧(サプレス)から解放されたオリヴィアもまた、引き抜かれた刃に違和感を覚えていた。

 刃に血が一切付着してない。けれど、透明な水に纏われている。

 恐らく、詳しく説明を受ける猶予が残っていない。この僅かな痕跡を頼りに、オリヴィアは答えを導くよう要求された。


 普通に考えれば、とてつもない無茶を要求されていると受け取るかもしれない。

 しかし、オリヴィアは嬉しかった。自分の力が必要とされている事が。

 一切の遠慮なしに、求められている事が。


(あの水は恐らく魔術。刃を水で覆った? 違う、散ったということは付着したもの。

 邪神の『核』を破壊したのは、決して魔術ではない。蒼龍王の神剣(アクアレイジア)を突き立てたのは、あくまで神器で破壊するため。

 単純に治癒魔術を使用するだけなら、お姉さまは私の助力を必要としない。水、水……。――水の牢獄(アクアジェイル)!?)

 

 時計にして、一秒にも満たない時間が彼女の中で凝縮される。

 高速で回るオリヴィアの頭脳は、的確に答えを導き出していた。

 間違いない。姉はフローラの心臓を水の牢獄(アクアジェイル)で覆っているのだと。


「――っ! 冷凍化(アイスメイク)!」


 オリヴィアは咄嗟に、冷凍化(アイスメイク)を唱えていた。

 意図を手繰るかのように、傷口の奥にあるフローラの心臓へ目掛けて。

 アメリアの放った水の牢獄(アクアジェイル)を凍らせるように。


(無理矢理に傷を塞いだまではいいですけど。このままじゃフローラさまの心臓が止まって――)


 治癒魔術で傷を塞ぐまでの間、心臓を止めておけるのか。後遺症は残らないのか。

 かと言って無理に動かしてしまえば、傷から血が漏れ出てしまう。


「トリスさん……っ! 活力の炎(フレア・ヒール)を!」

「ああ! 判った!」


 自分は凍らせた傷口から治癒魔術へ繋げる事が出来ない。アメリアも同様に。

 ならば、賢人王の神杖(トライバル)を持つトリスの力が必要となる。

 スリットの件を聞く限り出力はともかく、器用な動きは彼女の方が長けている。

 本気で救いたいと思うからこそ、オリヴィアは即座に助力を求めた。


 トリスもまた、ここまでした紡がれた可能性をむざむざと捨て置けはしない。

 自分の全神経を集中して、フローラへ活力の炎(フレア・ヒール)を唱えた。

 

「フローラ様、お戻りください……!」


 賢人王の神杖(トライバル)を通じて、蒼龍王の神剣(アクアレイジア)によって貫かれた傷が塞がっていくのを感じる。

 それなのに。フローラはぐったりとしたまま動こうとはしない。心臓が鼓動を止めてしまっている。


「フローラ様!」「早く起きてくださいよ……っ」「姉上!」


 姉妹のように育ったアメリアの。オリヴィアの。弟であるアルマの声にも、彼女は応じない。

 トリスはその想いを、熱に変えて活力の炎(フレア・ヒール)を唱え続ける。

 皆の願いが、熱として伝わっていく。フローラだけではなく、彼女から生まれ出た『傲慢』(ルシファー)にも。


「アァ……」


 穢れが祓われ、再び純白の身体となった『傲慢』(ルシファー)はその様子を見ていた。

 自身の『核』は破壊された。間も無く、この身体は崩れて消えてしまうだろう。

 その前にこの光景を見られて良かったと感じている。自分を染めるものは悪意だけではないのだと知る事が出来た。


 彼女達を悲しませたくはない。『傲慢』(ルシファー)は最後の力を振り絞って、拡張(エクスパンション)を使用する。

 対象はフローラの心臓。彼女を纏う、彼女を想う魔力を動かしていく。

 

 拡張(エクスパンション)の発動と停止を繰り返し、心臓を収縮させる。

 残り少ない力を振り絞っている。一度使用する度に、身体は崩れ去っていく。

 フローラの心臓が動きを取り戻すまで、自分の身体などお構いなしにそれは繰り返された。

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