270.来るべき時の為に
外に出ていた者達が、王都へと戻ってきた。
魔術金属の材料となる魔術粘土を手に入れたマレット。
今度は自分達の番だと言わんばかりに奔走するのはアメリアとオリヴィア。
五体貴族という伝手を最大限活用しては、一流の錬金術に魔術金属の製造を依頼していく。
「じゃんっじゃん造ってもらいますからね! 最高級の魔術金属を!
お金に糸目はつけませんよ! 待っていてくださいっ!!」
太陽を掴むかのように、握った拳を天に掲げるオリヴィア。彼女にとっては、決して比喩ではない。
転移魔術の完成は万能感。いや、全能感すら抱いてしまう程の出来事だった。
研究を始めて早数年。
転移魔術の構築に向けて様々な魔術を取り入れようと、オリヴィアは孤独に研究を重ねていた。
積み重なる魔術書の山は、知識を与えてくれた。
数多の想像は、魔術を操る際のイメージ力を高めてくれた。
動けなくなる程に絞り出した魔力は、確実に彼女を魔術師として高みへと押し上げていた。
けれど、オリヴィアの願望が満たされる日は訪れなかった。
本の山が音を立てて崩れても、積み直す気力が湧かない。
いくら目を閉じて想像を重ねても、言葉を綴っても。瞼を持ち上げた彼女の景色が変わる事は無かった。
空になった魔力は、自分の無力感を加速していくだけだった。
ページについた折れ線が、閃きを与えてくれるような奇跡は訪れなかった。
思い描いた画と紡ぎ出した言葉は、物静かな研究室によく響いた。
草臥れた身体は、足取りを重くした。
転移魔術は誰も到達したの事のない高み。
剣も魔術も成し遂げた姉と肩を並べる為に、魔術一辺倒の自分はそれぐらいやってのけなくては。
大好きな姉に追い付きたかった。大好きな姉に離されたくなかった。
その思いで一心に駆け抜けていたオリヴィアの心とは裏腹に、実を結ばない現実は胸の内にほんのわずかな亀裂を生んでいた。
誰も到達していないのではなくて、出来ないのではないか。世界の理から、反しているのではないか。
オリヴィアは転移魔術に対して虚無感と、ほんの少しの成果を握り締めていた。
アメリアやフローラに相談していなかったのも、自分に予防線を張っていたのではないか。
恥ずかしいなんて嘘だ。二人に落胆されるのが怖かったからだ。
もういいじゃないか。流水の幻影だって、十分な成果には違いない。
魔力が空になる度、いつも弱気になってはこんな事を考えてしまう。
それでも諦めきれなかったのは、やはり夢だったから。
尊敬する姉も、敬愛する王女も、決して弱い背中を自分に見せなかったから。
そんな事ないと頭では理解していても、心が許さなかった。胸を張って、彼女達の隣に立っていたかった。
時には悔し涙を流しながらも、オリヴィアは研究を続けていた。
踏みしめられた大地から、ひとつの芽が顔を出すかのように。
オリヴィアの意地は、いつしか実を結んだ。
姉の想い人だった男性。シン・キーランドと邂逅を果たす。
その時点では、まだ何も意味を成してはいなかった。
だが、彼は消えた。その身を過去へと移動させたのだ。
時間と場所の移動が、自分の目の前で起きた。転移魔術は必ず生み出せると、オリヴィアを奮い立たせるには十分なものだった。
更に彼は、意外なコネクションを抱えていた。
妖精族の女王であるリタ。
シンが過去へ移動するよりも先に知り合った彼女は、魔法陣を操る精霊魔術への興味をオリヴィアへ抱かせた。
勿論それだけではない。
魔導大国マギアの誇る天才発明家、ベル・マレット。
魔導具開発の第一人者であり、魔導石を作成できる唯一の人間。
五大貴族の分家である、テラン・エステレラ。
魔術師としては一流であり、独自に刻と運命の神の壁画を解読していた。
シンが過去へ遡ったといち早く見抜いた人物でもあり、オリヴィアとは違う角度から転移魔術を解釈してくれた。
妖精族の族長であり、魔法陣の扱いを得意とするストル。
人間の違う魔術とは違う理で、魔術を解釈している。
積み上げられた無数の本よりも、彼の一言はオリヴィアの知的好奇心を刺激した。
独りで研究室に閉じこもっていた自分では、永遠に辿り着けなかった答え。
オリヴィアは転移魔術の構築を経て、少しだけ大人になった。
人に頼る事は決して恥ではないと、身を以って体感した。
「なんだ、オリヴィア。えらく気前がいいじゃないか」
いつになくハイテンションのオリヴィアへ近付くのは、マレット。
栗色の尻尾と白衣の下に眠る双丘を揺らしながら、口元には笑みを浮かべている。
「こう見えてもわたし、高給取りですからね!
妖精族の里では金貨なんて意味を成さないですし、今の内にぱーっと使っちゃいますよ!」
魔術は構築出来た。魔導具も成功した。
後は量産するだけ。金と人員で解決できるのなら、惜しむ理由など存在しない。
それに、転移魔術の魔導具を用意するだけではない。
これからの戦いでいつ、どれだけの魔術金属が必要になるか判らない。
妖精族の里で金貨が意味を持たないのであれば、ここで魔術金属に全て変えてしまおう。
思い切りの良さが、オリヴィアのテンションを自然と高くする。
「もう、オリヴィア。考え無しにそんなことを言って……」
ため息こそついているが、アメリアの顔からは笑みが零れていた。
第三王女の護衛という立場もあってか、オリヴィアは警戒心が人一倍強かった。
加えて皮肉めいた言葉もすぐ口に出してしまうので、他の貴族と言い争いに発展する事も少なくは無かった。
彼女が心を許す人間は、自分とフローラ。そして、結果的に裏切られてしまったがサーニャと限られた人間のみだった。
優秀ではあるが、いつか疲れ果ててしまうのではないか。アメリアは、言葉に出来ない不安を彼女に抱いていた。
志を共にする仲間が、気を許せる相手が増えたのは僥倖だった。
フローラもアメリアと同じ考えだったらしく、妖精族の里でのオリヴィアが楽しそうだと喜んでいた。
アメリアやオリヴィアにとって、シンとフェリーに出逢った事は人生に於ける分岐点だった。
ラットリアでもフェリーの出自に関わる決定的なものは得られなかったと聞くが、心なしか穏やかな様子を取り戻していた。
(シンさんは、すぐにでもリオビラ王国へ向かいたいでしょうに)
新たなる手掛かりの候補。彼女に似ていたとされる女性は海を越えたリオビラ王国に居たという。
20年も前の情報で、今も尚クロエが滞在しているという保証はない。
フェリーたっての願いと、邪神の動きを無視できないという理由からリオビラ王国へ向かう事をシンは諦めた。
彼も納得こそしているが、諦めたような素振りは見せていない。
いつか、リオビラ王国へ足を運ぶのだろうか。その時は、離別の時となるのだろうか。
少しだけ寂しくもあるが、止められないとも知っている。
アメリアはこれから先の彼らに、幸福が訪れる事を願わずには居られなかった。
……*
ピースからウェルカの様子を聞いたヴァレリアは、眉間を指で摘まんでいた。
治安を維持する為に派遣した騎士団と龍族が裏目に働いているとは、夢にも思ってみなかった。
「そうか……。ああ、そうだよな……。
何も知らない冒険者ギルドからすると、迷惑な話だよなあ……」
セレンが言っていた自警団としての役割は、決して間違っていない。
腕利きの冒険者が居るという噂が立つだけで、どれだけの犯罪者にとって抑止力になる事か。
一方で、お行儀が良いとは限らない。粗暴な人間も決して珍しくないのが、冒険者。
今回のように不景気で一歩間違えば、犯罪者へと転がり落ちる事も珍しくはない。
だとすれば、冒険者ギルトとしっかり協議を重ねるべきか。
そう問われれば、ヴァレリアは決して首を縦には振らない。
そうなれば必然的に、邪神や世界再生の民の存在を公にする必要がある。
王妃が直向きに隠している国王の死も、知られる危険が増す。
というよりも、現段階でかなり危険なのだ。
「マギアが攻めてくるって噂も、流れてるのか……」
「ええ。ウェルカよりももっと東。港町の方だと、かなり慌ただしいらしいですよ」
国境沿いで小競り合いが続いている砂漠の国ならいざ知らず、マギアとなれば話は別だ。
ピースが予想した通り、世界再生の民が一枚噛んでいると見て間違いないだろう。
実際、邪神の分体はマギアで顕現を果たそうとしていた。
奴らの魔の手がマギアにも及んでいる事は、想像に難くない。
解せないのは、国王の死を公にしない事。
王位継承権第一位であるアルマが即位する為の手札を、切って来ない。
抵抗勢力を警戒しているのだとすれば、まだ奴らも準備が整っていない。
あくまで好意的な解釈ではあるが。
どうやらこそこそと暗躍しているようだが、肝心の本丸には現れない。
ウェルカの状況を鑑みると、こうやって真綿で首を絞めていくように疲弊させるのが狙いだと考えてしまう。
「とりあえず、龍族は目立ちすぎたか……。
騎士も、もっと街へ溶け込むような恰好にして……」
場の動く時期が判らない以上、まずは街に蔓延る不安を取り除くのが先ではないか。
ヴァレリアはぶつぶつと、思いつく限りの対策を並べていく。
「いや、でも龍族を引かせたと知った瞬間に攻めてくるか?
ああ、もう! どうすればいいんだ!」
何よりミスリアの東部。エステレラ家の管轄は、管理者不在の状況が続いている。
サルフェリオを護る勢力がヴァレリアにとっては邪魔で仕方なく、ここでも政治的な小競り合いは収まる気配を見せない。
証拠がないだけで、アルマやビルフレストと繋がっているのは間違いない。そう思わせるだけで、彼らの策は一応の成功を見せている。
「……こういう時は、みんなの知恵を借りるしかねえな」
ヴァレリアは策を張り巡らせる事が得意ではない。
しかし、他人を頼る事は出来る。大雑把な性格が幸いした彼女は、自分の手に負えないと判断をする。
これからの方針を相談する為に。
……*
「つうわけで、これからアタシたちはどうすればいいと思う?」
腕を組み、堂々とした態度でヴァレリアは尋ねた。
ピースの話を鑑みて、まず初めに手を挙げたのはオルガルだった。
「あの、念の為に確認をしておきたいのですが。
ミスリアはマギアと争うつもりは、ありませんよね?」
それはオルガルだけではなく、シンやフェリーにも大きく関係する出来事だった。
母国であるマギアと、世話になっているミスリアが戦争に入る事は何としても避けたい。
マレットも人殺しの道具を造り続ける事を良しとしなかったからこそ、マギアを発った。
「勿論です、バクレイン卿。勿論攻めてくれば対応せざるを得ませんが……。
ミスリアからマギアへ攻め入る気は、毛頭ございません」
ヴァレリアの言葉に深く頷くのは、王妃のフィロメナだった。
オルガルは胸を撫で下ろした上で、ある提案をする。
「でしたら、僕がマギアへ戻るのはどうでしょうか?
風が吹けば飛んでしまう程度の存在ですが、一応はこれでもマギアの貴族です。
戦争の機運が高まっているのなら、阻止を。出来なくとも、情報収集ぐらいはなんとか」
ミスリアからすれば、願ってもない提案だった。
自分達がマギアをうろつくのは、流石に危険だ。マギアの人間である彼らなら、その点はクリアできる。
「願ってもない事ですが……。ミスリアと繋がっていると知られれば、貴方たちの身の安全が保証されませんよ」
「元より覚悟の上です。マギアでも邪神の魔の手が伸びていたのであれば、何れは向き合う日が来たでしょう。
ならば、ミスリアと協力できる状況が出来上がっている方が好ましいと考えます」
「……分かりました。どうか、無理だけはなさらぬよう」
深々と頭を下げるのは、ヴァレリアだけではなかった。
王妃や王女達まで頭を下げるものだから、オルガルは恐縮してしまった。
「やれんのかあ? お前、マジで相手にされねえじゃん」
「この小娘が! それは貴様の魔導具の方が有能だと、節穴たちが騒ぐからであろう!」
「やめなよ、じいや」
憤慨するオルテールを、オルガルが宥める。
マレットも揶揄っているような口ぶりだが、幼馴染を心配してのものだった。
「ベルの言う通り、僕自身なら相手はされないだろうね。
だから、君の幼馴染っていうカードを切らせてもらうかもしれない。
勿論、ミスリアや妖精族の里に居るとは決して言わないけれど」
「別に名前ぐらいなら、いくらでも貸してやるよ。
無事なら、ペラティスって貴族を訪ねてみろ。アタシの友人だから、力になってくれるかもしれん」
「ありがとう」
オルガルは軽く笑みを浮かべながら、マレットへ感謝をする。
なんだかんだ言って、彼女はこうやって手土産を持たせてくれる。
ぶっきらぼうな口振りとは裏腹に、妙に面倒見が良いのは小さいころから変わらない。
……*
次の話題となったのは、ミスリア東部に常駐する騎士や龍族だった。
撤退する事で戦力が手薄になる自体は、どうしても避けたい。
騎士はどうにか見た目で誤魔化せるとしても、威圧的な姿を持つ龍族がネックだった。
「仕方ない。龍族に擬態魔術を覚えさせよう。
ただ、ボク以外誰も扱えないんだよなあ……」
頭を抱えながら提案をしたのは、紅龍族の王だった。
通常、龍族が人間の姿に擬態する機会などそうは無い。
ミスリアと同盟関係にあるからこそ、便宜的に王族が習得していったに過ぎない。
フィアンマ自身が苦手だった事もあり、他の龍族が習得できるのだろうかという不安はある。
けれど、自分も邪神とその一味には借りがある。フィアンマの心の炎は、消えない灯を抱え続けていた。
「龍族が擬態魔術を扱えるようになれば、街に常駐する戦力が維持できるはずだ。
仮に攻め入られたとしても、十分に対処が出来る。……一応、頑張ってみるよ」
「助かります、フィアンマ殿」
所々声に力が籠っていないが、フィアンマは本気だった。
……*
最後の議題となったのは、シンとフェリーを含む妖精族の里の者達。
彼らがこの先、どう動くかというものだった。
「アメリアやオリヴィアは、フローラ様と共に妖精族の里に戻るんだな?」
「そうですね、もう暫くはミスリアと別行動をさせてもらえればと」
本音を言うと、ヴァレリアは戦力としてアメリアとオリヴィアには残って欲しかった。
特に修復された蒼龍王の神剣は、邪神の能力を断つ事が出来る。
ミスリアを守護する剣として、彼女以上の適任者が存在しない。
「……アタシとしては、ミスリアに残って欲しかったんだけどな」
「すみません。ですが……」
「いや、いい。解ってるんだ。動きやすいのは、妖精族の里だってことも」
不甲斐無いと自嘲しながら、ヴァレリアは後頭部を掻く。
言葉とは裏腹に、理解もしていた。邪神はミスリアの外でその勢力を拡大しようとしている。
蒼龍王の神剣を持つアメリアは、貴族としてのしがらみに囚われない妖精族の里に居るべきだとも。
「それなんですけどね。ちょっと考えていることがありまして」
「やりたい事?」
妖精族の里へ戻るのには理由があると、オリヴィアが手を挙げる。
完成した転移魔術を用いて、どうしてもやっておきたい事が彼女にはあった。
「転移魔術をいろんな国に配置したいんですよ。勿論、目立たないところにですけど。
そうすれば、邪神が妙な動きを見せた場所にすぐ飛んでいけますから」
「そりゃ、願ってもない事だろうが……。お前、妖精族の里の防衛はどうするんだ?」
転移魔術の設置箇所が増えれば、その分相手に知られてしまう危険性も増す。
妖精族の里が戦火に晒される事は、ミスリアの本意ではない。
「その点だが、危険性を考慮すると妖精族の里の周辺には設置が出来ない。
離れた位置に配置しつつ、部外者を阻む結界を用意する事が運用の前提だ。
……転移魔術が完成したばかりだというのに、オリヴィアから相談を受けた時は驚いたがな」
「いやいや。まだまだ一緒に研究しましょうよ」
「ふ、そうだな」
頭を抱えるストルに対して、オリヴィアは白い歯を見せる。
手で覆われた裏では、満更そうに笑みを浮かべるストルの姿があった。
オリヴィアの提案もあり、妖精族の里にいるメンバーは遊撃部隊のような扱いとなる。
実際、行く先々で邪神と交戦して撃破までしている。下手に動きを縛らない方がいいと、ヴァレリアは判断を下す。
「ネックは転移魔術を設置する場所と結界を創り上げるまでに、どれだけ時間が掛かるかだな。
砂漠の国やマギアが攻めてくるまでに、どれだけの猶予が残っているか……」
「約二ヶ月。冬が訪れるまで、ですかね」
指を折りながら猶予を数えるマレットへ答えを示したのは、第二王女の護衛を務めているロティスだった。
「根拠は?」
「冬が訪れれば、ドナ山脈は雪に覆われて行き来が困難になります。
砂漠の国やマギアが邪神と繋がっているのであれば、妖精族の里からの援護が期待できない状況を狙ってくるでしょう」
「ふむ……。なるほどな」
理にかなっていると、マレットは納得をする。
転移魔術が完成していなかったとすれば、向こうにとっては非常に都合のいい展開だったとも言える。
自分達は薄氷の上を渡っているのだと、思い知らされた気分だった。
「でも、ミスリアへは転移できますからね!
逆に、戦力投入で早期解決が見込めるってわけですよ!」
転移魔術が完成してよかったと、オリヴィアは胸を張る。
実際、彼女の努力が実を結んだ事はミスリアにとって財産だった。
「本当にオリヴィアさまさまだな……」
「ふっふっふ。もっと褒めてもいいんですよ?」
「全く、すぐ調子に乗って……」
感嘆するヴァレリアを見て、オリヴィアの鼻が高くなる。
呆れるアメリアだが、内心では彼女を褒め称えたくて仕方が無かった。
その裏側でフェリーの脳内に浮かび上がるのは、ひとつの懸念。
机の下で、シンの袖を摘まむ。
「シン。ミスリアとマギア、戦争にならないよね……?」
単に戦争に怯えているというだけではない。
フェリーにとってはマギアにもミスリアにも大切な人が居る。その双方が争い合う姿を、見たくはない。
シンに答えが出せない事を知りつつも、安心を求めて彼の顔を見上げた。
「ああ、奴らの思い通りにはさせない。」
「……うん。そうだね」
フェリーは唇をきゅっと閉める。
自分が『フェリー』として生きた地を、これ以上失いたくは無い。彼女の瞳には、決意が込められていた。
決戦の刻は、いつ訪れるか判らない。けれど、着実に準備は進められている。
必ず牙を剥くであろう邪神を迎え撃つ為に、白熱した議論は夜が更けても続いていた。